もの、こと、2つの言葉の違いは何でしょうか / 日本語ラーニングサポートLLC

もの、こと、2つの言葉の違いは何でしょうか。

 

今日も「違い」を考えるJLSブログのページへようこそ!

 

<もの【物】vs こと【事】>がテーマですから、まずはシンプルに分けることにします。

クイズに答えて考えましょう!

 

「もの」は[物]体です

Q:これは何でしょう!

・・・・・

hint① テーブルの上で食事の時に見かけます。

hint② おはしを置く「もの(物)」です。

・・・・・

A:「はしおき(箸置き)」です。

 

「こと」は事[柄]です

Q:これは何でしょう!

hint① 勉強する「こと(事)」です。

hint② レッスンの後にもう一回、教科書とノートを見直す「こと(事)」です。

・・・・・

A:「復習(ふくしゅう)」です。

 

上のクイズの文から、「もの」と「こと」がこの様に、そもそもの単語としてどんなものか分かる気がしますね。

一面から言ってしまえば「タッチできる(触れる)」ということが間違いのないポイントとして、「もの」と「こと」の違いのようです。

 

しかし、、、、

文を書いたり、もっと身近に話す中では決してこの一点だけでは「分からない!」ポイントがいくつもあるようです。

さあ、本日の記事では一緒に「もの」「こと」を使って話す日本語を考えましょう。

 

ぺらぺらの日本語上手への道は毎日のコツコツとした勉強から始まります。

 

私たちJLSのブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

 

 

<「もの」と「こと」の日本語これだけは覚えておこう!>

① 「こと」を使った文パターン(基本文型)

② 「もの」を‘気持ち(エモーションっぽい)’で話そう

③ 「こと」で教える厳しいルール!

④ 「もの」「こと」+「・・・か!

※おまけ 〜「・・・もので」で弁解することも大切な作法〜

 

 

 

① 「こと」を使った文パターン(基本文型)

【〜ことができる】

文例:(私は、)山手線の駅名を全部漢字で書くことができる

意味:私はスキルがある。山手線の駅の名前を全部漢字で「書く」スキルである。/ 書ける

つまり「可能」ということですね。※細かな説明は本日の記事では省略します。

● 納豆を食べることができる

● 珈琲(コーヒー)をブラックで飲むことができる

● 車を運転することができる

等など・・・。

 

【〜たことがある】

文例:(私は、)ふぐ料理を食べたことがある

意味:私はふぐの料理を食べた。だから知っている覚えている

つまり「経験」ということですね。(した+知っている/覚えている)※細かな説明は本日の記事では省略します。

● 富士山に登ったことがある

● フルマラソンを走ったことがある

● 有名人に会ったことがある

等など・・・。

 

【〜ことがある】

文例:電車は遅れることがある

意味:電車はいつも時間にぴったり来て出発する。でも、時々遅れるそんな時に出遭うかもしれないぞ。

つまり「発生可能性」です。※本日の記事では細かな説明は省略します。

● どんなアプリでもバグが出ることがある

● 先生だって間違っていることがあるぞ。

● 東京でも3月に雪が降ることがある

等など・・・。

 

 

 

② 「もの」を‘気持ち(エモーションっぽい!)’で話そう

エモーション1:なつかしいな!

文例:毎年家族で桜を見に出かけたものだ。

「ずっと昔、あの頃は春になる度に家族で桜を見に散歩したもう今はない思い出のワン・シーンだ」

懐かしい!という気持ち、つまり「ぐっ」とくるエモーションを込めましょう。

● 学生時代はこのバンドの曲を聞いてラッシュの電車に乗ったものだ。

● この川原を毎朝毎晩走ったものだ。

● 勉強を始めた頃、漢字をノートいっぱいに書いたものだ。

 

エモーション2:これって常識、当たり前だぞ!

文例:お買い物は無理なく楽しむものだよ。

「ショッピングは楽しいでも払えるだけ、お金を持っているだけのお買い物をしないとダメだ!リボ払いにはまると後が怖いよ!」

教えていますね。皆が考える「普通」だよ、とちょっと厳しいアドバイスを与えるのです。

● 食事の前には「いただきます」、食べ終わったら「ごちそうさまでした」と(手を合わせて)言うものだよ。

↑食事のマナーを美しく持ちましょうね!挨拶は自分を美しく保つプライドです。

● お酒は楽しく飲むものだよ。ストレスで飲んじゃあ、つまらない。

↑お酒に頼ってはダメだよ。美味しい!を楽しむためにお酒はあるんです。元気を出して!!

● 待ち合わせには約束の5分前に行くものだよ。

↑時間ぴったりなんてダメだよ。相手のことを考えて少し早く待ち合わせ場所に行かなきゃいけないよ。それが大人らしさです。

 

 

 

③ 「こと」で教える厳しいルール!

文例:これからはカードでお買い物しないことだ!(特にリボ払いは禁止!「絶対にしないこと!」

意味:カードのショッピングはこれから絶対に止めてください。‘あなた’に送る「注意!」ですよ。

ルールの表示や告知、そして忠告のための話し方ですね。

(②-エモーション2はやんわりと「当たり前」を伝える話し方、それに比べてとても直接的、つまりダイレクトな警告ですね)

● ここでタバコを吸わないこと!

● 忙しくてもオフィスに寝泊まりしないこと!

● (仕事では)時間をちゃんと守ること!

 

 

 

④ 「もの」「こと」+「・・・か!

文の終わりにつく「・・・か!」はとても強い気持ちです。

話している人の内面、力の入った意思を表現します。

 

「もの」と「こと」それぞれにくっつけるとどうなるか考えてみましょう。

 

Ⅰ 「ものか!」は強い気持ち![アグレッシブなエモーション]

文例:絶対に負けるものか!(N1に合格するんだ!)

意味:(JLPTN1に)あきらめたり不合格したりなんてことは絶対にしないぞ。合格してやる!

絶対に【◯◯る(/する)】はしない!実現させない!

こんな心の熱がエネルギーになって伝わるようですね。

● (明日のプレゼンは)絶対に失敗するものか!

↑何があっても成功させるぞ!という闘志が伝わる心のファイティング・ポーズですね。

● (ケンカの原因は彼だから、)謝りなんかするものか!

↑私は悪くないんだ・・。「ごめんなさい」と謝るのは‘彼’の方だ!

● (店員の態度が悪いし、料理はまずい、、)こんな店、二度と来るものか!

↑とても悪いレストランで、嫌な思いをした。こんな店、「嫌いだ」という腹立ちが全面に押し出されていますね。

 

※ver.α 「ものか」は[信じるエモーション]でもある

文例:彼がN1に落ちるものか

意味:彼が落ちる(不合格だ)なんて信じられないし、絶対にあり得ない

間違いなく【◯◯る(/する)】は可能性がない

話している人の確信をつよく感じますね。それを伝える言葉使いです。

● (ワークホリックの‘彼’が)この時間にオフィスを出ているものか

↑‘彼’は仕事が人生という人だ。この時間なら絶対にオフィスにいるだろう。

● これ以上、円が安くなるものか

↑日本円は今以上には安くならないよ。(そんなことは嫌だ!という気持ちも感じ取れるでしょうか)

● (うちの太郎が、)万引きなんてするものか!

↑‘私’の子どもは良い子です。万引きなんて絶対にしません!子どもを信じています。(店長さんのお話は間違っているに決まっているんだ!子どもが万引きしたなんて信じたくない!という怖いことへの攻撃的な主観も感じられますね。)

 

 

Ⅱ 「ことか・・・!」は感じるイメージ![リアルなフィーリング]

文例:漢字が分かったらどんなに日本語が楽なことか

意味:「楽(らく、自由で楽しい)」だろうなあ、とリアルに感じる生き生きとしたイメージを伝えていますね。

● (行ったことはないけれど、)富士山の上から見る景色はどんなに素晴らしいことか!

↑本当に美しい眺めなのだろう。「一度は見てみたいものだ。」・・こんな心情がよく伝わってきますね。

● 毎日疲れるけれど、仕事を全部辞めてしまったらどれだけ暇なことか・・!(人生はただ過ぎていく毎日が美しいのかもしれません)

↑会社をもしもやめてしまったら時間ばっかり余ってしまうぞ。。そんな自分を空想していますね。「やっぱり仕事が嫌いじゃない!」こんな気持ちが感じられるように思います。

● あの事故がなかったら、きっと今も彼と向かい合って食べる食事がどれだけ美味しかったことか

↑「なんで現実はこんなに辛いのだろう・・」悔やんでも悔やみきれない、決して取り返せない‘あったはずの今’が心に浮かんでいます。

 

リアルに生き生きと感じること、とてもエモーショナルなイメージが生まれる心の内面を共有できれば嬉しいと思います。

 

「どんなに・・・ことか」、「どれだけ・・・ことか」、

このように強調をする言葉とセットで<・・・>部分のイメージされる内容を真ん中に挟んで文を作ると自然ですね!

 

人の心の内をライブに考えるときにもピッタリの話し方だと思います。

→ 文例:私が結婚した時、父がどんなにほっとしたことか!

意味:あの(私が結婚した)時、父は安心しただろうなあ・・・、他人の心情をイメージする共感が間近に感じられるようですね。

● 宇宙飛行士が青い地球を眺める時、どんなに素晴らしい感動に包まれていることか・・

↑きっとすごい眺めに違いない。人生観が変わるようなモノが視界いっぱいに広がっているのだろう。大きな宇宙に確かに‘いる’感覚がそこにあるだろうな。

● あの時残業続きで休みも無かった彼は、どんな辛さを抱えていたことか

↑彼の‘あの時’を振り返ると泣きそうな気持ちになる。どうして当時は理解してあげなかったのだろうか。

● 2年前のあの日、彼がどんなに苦しんだことか

↑‘あの日’の彼の苦しみや痛みは何回思い返しても間近に私に迫ってくるようだ。2年前の事故は私にとっても忘れ得ない出来事・・・。

プラスにもマイナスにも話し手の思い描く情景や心情を受け取れる言葉です。

 

 

 

※おまけ  〜「・・・もので」で弁解することも大切な作法〜

ある種の台詞(せりふ/実戦会話)の中で、エモーションを込めて話す「もの」という言葉ですが、理由のご説明や、例えば弁解をするシーン等にも丁寧な言葉の作法として用いられます。

文例:「遅れてすみません!急にお客様からクレームの電話が入ったもので・・・。」

「【理由】もので・・・。」という文パターンは、丁重に相手の理解を求める状況説明です。

ビジネスシーンであったり、かしこまった態度で相手方に事情を伝えたい「困った時」や「不便の発生している状況」にはこのように話して望ましい振る舞いを実践してみましょう。

(※たとえ弱い立場に立つシーンであっても、‘あなた’の姿勢の良い振る舞いにはある種類のかっこよさ、つまりその人の魅力が見つけられるものです。)

● (レストランの玄関先で)

お客さん:「えー、せっかく来たのに入れないの!?」

店員さん:「申し訳ありません。今晩は結婚式の二次会のパーティーで貸切とさせていただいているもので・・・。」

● (オフィスで)

取引先社員:「それではやはりAさんの連絡先を教えて頂くことはできませんか。。」

当社社員:「はい、今回の件の責任問題については重々承知しておりますが、社員の個人情報はいかなる場合にもお伝えできない規則となっておりますもので何卒ご理解ください。」

● (妻の実家で食卓を囲んで)

義理の父:「ロバート君、もう一杯どうだい!」

ロバート:「恐れ入ります。是非いただきたいのですが、どうにもお酒には強くないもので・・・。」

↑もうこれ以上飲めないので(/飲みたくないので)お父さんからのお酒の勧めを丁寧に断っています。シーンに応じて適切な日本語の型だと思います。

(※顔が真っ赤になったらSTOP、これが良いところだと思います。)

 

 

 

 

 

本日の勉強はこれで全てです。

私たちJLSのブログをお読みいただきありがとうございました。

「もの」と「こと」という何となく似通っている感じがする2つの言葉を取り上げて文例を挙げながら使い方を見てみました。

今日読んでいただいた日本語を参考に、さっそく毎日のコミュニケーションの中で使ってみていただけたら嬉しい限りです。

この記事の中で注目したのは、「もの」および「こと」によって話される言葉が実用であることです。

つまり、

①先ずは「もの」と「こと」を整理できること、

そして

②身近なコミュニケーションのうちで出来るだけよく使われる文のパターンであるという点です。

学習即身の回りで話せることに重きを置いて、是非とも覚えておいてほしい用法にのみポイントを絞ってご紹介しました。

「もの」と「こと」にはこの他にも応用的な使い方や、美しい話し方の形がたくさん見つかると思います。

勉強や日本でのご生活、またお仕事・学業の場面でそれらを発見したら自分の日本語にバリエーションとして加えていきましょう。

周囲の言葉に耳を澄ますことから生まれる工夫が「外国語」という難解な学問にも豊かなスキルを生んでくれると思います。

聞きましょう、話しましょう、そして言葉のキャッチボールを楽しみましょう。

言葉は音ですから、それ即ちリズムです。

振る舞いで呼吸で、日本語のリズムを知って自分のリズムを作って、学んだ文を気持ちよく伸びる声に乗せて話しましょう。

生き生きと弾むような日本語で会話が楽しめたら、素晴らしい勉強の成果に違いありませんね。

 

JLSは海外からお越しの皆様のキャリアアップを言葉の力から応援いたします!