間違うと間違えるの違いはなんでしょう / 日本語ラーニングサポートLLC
間違うと間違えるの違いはなんでしょうか。
まったく同じに見えますね!
● 道を間違う
● 道を間違える
・・・・・。
実は「間違う」と「間違える」は、違う言葉です。
さあ、今日も日本語の勉強を始めましょう!
<今日のブログの目次>
1.違う、について
2.「間違う」と「間違える」の違いを見る
3.間違う、について
4.間違える、について
1.違う、について
「違う」という言葉をまず考えましょう。
文のスタイル:【何か】は、違う
例:このランナーは違う。世界のトップに立てる選手だ!
→このランナーは普通じゃない(≒普通のランナーと同じじゃない)
このように、「違う」は’同じ【何か】’ではないという意味の言葉です。
他にもいくつか例を挙げますので見てみましょう。
例:彼は違う!だってアリバイがあるんだから犯人なわけがないよ。
→ 彼≠犯人だ。
例:この消しゴムは違う。僕の(消しゴム)はケースが綺麗なままだもの。
→この消しゴムは(探している)僕の消しゴムではない。
例:少なくとも今、「AIに心がある」というのは違う。ただ複雑な反射だ。
→「AIに心がある」は’正しいこと’と同じではない。つまり、正しくない(’真実の理解’ではない)。
このように「違う」の意味を整理して、以下には「間違う」vs「間違える」を考えましょう。
2.「間違う」と「間違える」の違いを見る
実は二つの言葉には同じ(共通する)ポイントもあります↓
●同じポイントはここです。
【人】が◯◯を間違う。
【人】が◯◯を間違える。
二つの言葉の同じ点です。つまり、「間違う」も「間違える」も誰か(あるいは動物などの生き物も含める「誰か」)のアクションなのです。
●違う(=同じではない)ポイントはここ!
① (人生の)道を間違う。
② (駅までの)道を間違える。
①は、「人生という長い道の上のどこかで正しくないことをしてしまった。正しくない未来に来てしまった」と言っています。
②は、「ルートのチョイスを誤った、行きたかったのと違う道を歩いてきてしまった」と言っています。
つまり、
→ 「間違う」、は失敗した・良くないことだったという残念なアクション
→「間違える」、はチョイス・ミス、選択ミス
このように本日は整理して考えましょう。
※<おまけ> 道を間違うvs道を間違える
上の二つの文が[何]を話しているのかと言えば、どちらも結果的に「違う道を歩いてきてしまった!失敗だ」という意味の事柄を話していることになりますね
「間違う」も「間違える」も失敗することは同じなのですね。
この二つの言葉は非常にややこしく感じます。
間違う、あるいは間違える、「どちらを選んで話したら良いのだろう?」迷ってしまった時は好きな方を選んで話しましょう。
つまり、自分の気持のとおりに話すということです。
どちらでも日本語の正しい文として可能なのですから、ニュアンスの問題と言って良いもの、自分のセンスで「心のなかのイメージ」をそのまま言葉にしたら素晴らしいチョイスだと思います。
心情をまっすぐに表現できるように、普段から言葉の選択にセンシティブな注意を払いましょう。そして話す時ははっきりと気持ちの良い声で自信を持って!
言葉のバリエーションを備えることは、美しい日本語に近づくことだと思います。
3.間違う、について
間違う:「やっちゃった・・。しまった・・・。」後悔の気持ちが感じられる気がします。
例文を見てイメージしましょう。
■ あ、先生も説明を間違うことがあるんだ。
■ ことわざの意味を間違うなんて、もうあの先生は信じられない。
■ これ、なんか変な味だけどレシピ間違ってない?
■ ハンドル操作を間違った一瞬、事故になりかけた・・。
■ 日本人の「難しいですね」を「YES(頑張る)」と考えるのは間違っているよ。
■ こんな残業ばかりのパワハラ企業に入ったのは、人生最大の間違いだ。[※名詞(N)としては「間違い」の形を取ります。]
■ 間違ってここをクリックしないように気をつけてくださいね。
■ クマに会った場合、死んだふりをするのは間違った対応らしいよ。
■ 「年を取ったら外国語が覚えられない」なんて考え方は間違っている。
■ クリスマスに彼女と別れるなんて、、、一体僕はどこで間違ってしまったのだろう・・・。
4.間違える、について
間違える:「あ、こっちじゃなかった。(ぼーっとしてて)ミスしちゃった。」ただ、ミステイクの感じが強いですね。
例文を見てイメージしましょう。
■ あ、注文間違えた。普通のじゃなくてキャベツのペペロンチーノが食べたかったんだけどな。
■ スマホの画面のキーだとアルファベット打つ時によく間違えるんだ。「t」と「r」とか。どうにもボタンが小さくて・・・。
■ うちのチロとポチったら、名前を間違えるとちゃんと怒るんですよ。
■ もう!また間違えてるよ。。「持つ」は「まつ」じゃなくて「もつ」って読もう。そして「まつ」は「待つ」だよ。
■ あれ!?こっちじゃない・・。乗る電車を間違えてしまった。
■ 塩と砂糖を間違えるなんて、ショックな味になってしまった・・。
■ ブレーキとアクセルを間違えるなんて、やっぱり年は取りたくないな。
■ 危ない、振込金額5,000円を危うく50,000円に間違えるところだったよ。
■ あ、間違えちゃった。このエレベーター上じゃなくて「下(に行く便)」だった。
■ 人生はきっと大きなパズルみたいなもの。間違えたらまたやり直して、正しいものを選べばいいさ。
今日のブログの記事はこれで終了です。
「間違う」と「間違える」をテーマにして、「違う」も加えてそれぞれの言葉を考えてみました。「違(ちが)」という共通したパーツが入っている言葉ですし、何より音がそっくりですね。
けれど、日本語をじっとよく見てみると一つずつユニークな言葉であることが分かります。
今日の勉強のヒントが皆様の毎日の会話や、メール・メッセージと言った日本語のコミュニケーションにも広く役立つものであれば嬉しい限りです。
外国語は大きな図書館の本を少しずつ読んでいくような先の長い勉学の道に違いありません。
毎日の勉強をコツコツと続けましょう。日本語をじっと見て聞いて新しい発見を探しましょう。
「あ!分かった」と「そうだったんだ!」の積み重ねが美しい日本語を話すことに繋がります。
さあ!私たちと日本語のスキルを磨いて、ぺらぺらの日本語上手を目指しましょう!
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