かっぱの雨ごいというお話を読みましょう!/日本語ラーニングサポートLLC

かっぱの雨ごいというお話を読んでみましょう。
今年の梅雨はあっという間に過ぎてしまいましたが、今日は雨に関するお話をご紹介したいと思います。
みなさんは、かっぱを知っていますか?
日本の昔話や伝説に出てくる川や沼に住む妖怪のことです。
かっぱというと悪さをするというイメージがありますが、今回のお話の中のかっぱは少し違うようです。
それでは読んでみましょう!
「かっぱの雨ごい」
ある村の近くに大きな沼がありました。
そこには、いつも村人に悪さをするかっぱが住んでいました。
ある日、村のお坊さんがかっぱの住む沼まで行って、かっぱに聞きました。
お坊さん:「どうして君は、いつも悪さばかりするんだい?」
かっぱ :「おいらは、こんな見た目だからだれも仲間にしてくれないんだよ。人間はおいらのことを怖いと言うし、沼にいる魚や鳥とも友達になれないし。」
お坊さん:「君は、人間になりたいのかい?」
かっぱ :「そうだ。おいらは人間になって友達を作りたいんだ。」
お坊さん:「そうか。じゃあ、人間に悪さするんじゃなくて、いいことをしなさい。君が人間を助ければ、きっと人間になることができるよ。」
お坊さんは、かっぱにアドバイスをすると帰っていきました。
その年の夏、村には全然雨が降りませんでした。
畑や田んぼはすっかり枯れてしまって、村人たちは食べるものがなくなってしまいました。
それから、村人たちは何日も雨ごいをしました。
雨ごいというのは、雨が降るようにお祈りすることです。
しかし、雨は全然降りませんでした。
数日たって、かっぱが突然村にやってきました。
そして、かっぱは何日も飲まず食わずで雨ごいを続けました。
村人たちは、最初はかっぱが雨ごいをしていることにびっくりしましたが、とにかく雨が降ってほしいと思っていたので、かっぱと一緒に雨ごいを続けました。
数日後、村に雨がぽつぽつと降り始めました。
雷も鳴って、雨はどんどん強くなってきました。
村人はみんな外に出て、久しぶりの雨を喜びました。
しかし、一人の村人がかっぱを見に行くと、かっぱは雨に打たれながら死んでしまっていました。
お坊さんが、村人たちにかっぱが人間になりたがっていたことを話すと、村人たちは、村にかっぱのためにお墓を作って、その後も語り継いだそうです。
いかがでしたか。
本日は、「かっぱの雨ごい」というお話をご紹介しました。
それでは、ここからは雨の日によく見る道具や雨の程度を表す語彙を少しご紹介します。
・傘(かさ)
これは基本語彙ですから、皆さんもご存じですね。雨の日に必要なアンブレラです。
コンビニなどで売っている透明の傘は、「ビニール傘(がさ)」もしくは「ビニ傘(がさ)」と呼ばれています。
また、小さくたためるものは「折り畳み傘(おりたたみがさ)」と言います。
ちなみに、晴れの日に太陽の光をカットするための傘は「日傘(ひがさ)」と言います。これからの時期に大活躍しますね。
例1)傘を持って出かけます。
例2)傘をさして歩きます。
・長靴(ながぐつ)
雨の日に履く靴のことです。少し長くて、雨が靴の中に入らないようになっています。
水が入ってこない素材で作られていますので、これを履くと靴下も濡れません。
例)大雨なので、長靴を履いていきます。
・レインコート、合羽(かっぱ)
雨の日に着るコートです。これも雨が入ってこない素材でできていますので、自転車に乗るときなどに着ると便利です。
レインコートとも呼びますし、合羽(かっぱ)とも呼びます。
今日のお話の妖怪の河童(かっぱ)と発音が同じで面白いですね!でも、実は語源は違うと言われています。
例)自転車に乗るなら、傘はだめよ。合羽(かっぱ)を着ていきなさい。
次に雨の程度を日本語で表してみましょう。
・大雨(おおあめ)
たくさん降っている雨のことです。
このように使えます。
例)大雨だから、タクシーで行こうよ。
また、別の言い方で、「雨がざあざあ降っています」とも言えます。
ざあざあというのは強い雨の音を表すオノマトペです。
・小雨(こさめ)
少しだけ降っている弱い雨のことです。
例)あ、小雨降ってきちゃった!洗濯物大丈夫かな。
小雨の読み方は、「こさめ」です。「こあめ」ではないので注意しましょう。
また、このような雨をオノマトペを使って「雨がしとしと降っています」ということもできます。
★「大きい雨」は間違い?
先ほど、「大雨」「小雨」という言葉をご紹介しましたね。
「大きい」「小さい」という漢字を使っていますので、形容詞を使って「大きい雨が降っています」「今日の雨は小さいです。」とも言えそうな気がしますが、実はこれは間違いです。
形容詞を使って表現するなら、「強い雨が降っています。」「今日の雨は弱いです。」のように「強い」「弱い」を使います。
いかがでしたか。
本日は、「かっぱの雨ごい」というお話と、雨の日に使う道具や雨の程度を表す語彙をご紹介しました。
今年はあっという間に梅雨が過ぎ去り、7月がやってきましたね。
暑い日が続きますので、皆さん水分をしっかりとって熱中症にならないように気をつけてくださいね。
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それでは、また次回のブログでお会いしましょう!