可能形を使って話してみよう!/日本語ラーニングサポートLLC

みなさんは、お寿司を食べることができますか?
生のお魚はちょっと…という方もいれば、お寿司大好き!という方もいますよね。
では、「~ことができます」を使って文を作ってみましょう。
・お寿司を食べることができます。
・お寿司を食べることができません。
正しい文ですね。
でも少し文が長いですね。実は、この「~ことができます」は、動詞の新しい形(活用)を使って短くすることができます。
それが、「可能形(かのうけい)」という形です。ポテンシャルフォームとも呼ばれます。
可能形を使った文にすると、
・お寿司が食べられます。
・お寿司が食べられません。
このように短くなります。
日本人は、この可能形をよく使って会話していますので、皆さんも是非一緒に覚えてみましょう。
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1、可能形の作り方
まずは、動詞の1グループから見てみましょう。
動詞の3つのグループを忘れてしまった人は、他のブログで詳しく解説していますから、そちらをご覧くださいね!↓
https://nihongojikan.jp/blog/20240929-4308/
1グループ
行きます→行ける i→e
読みます→読める
泳ぎます→泳げる
弾けます→弾ける
待ちます→待てる
話します→話せる
帰ります→帰れる
1グループの動詞は、ます形の前の音[i]を、[e]に変えて、最後に「る」をつければ完成です。
いきます→いき[ki]→いけ[ke]→いける
このような形になります。
2グループ
食べます→食べられる ます→られる
寝ます →寝られる
調べます→調べられる
見ます →見られる
起きます→起きられる
2グループの動詞は、ます形の「ます」を取って、後ろに「られる」をつければOKです。
たべます→たべ→たべられる
3グループ
来ます→こられる
します→できる
3グループ動詞は、イレギュラーですからこのまま覚えましょう。
ポイントは、「します」ですね。これは、「できます」という全然違う形になってしまうので、気をつけましょう。
★2グループ動詞と「来ます」は、短い形もある★
2グループ動詞の可能形、例えば「食べられる」や「見られる」は、それぞれ「食べれる」「見れる」という「ら」を抜いた短い形も日常会話でよく使われています。
また、「来られる」も同じで、「ら」を抜いて「来れる」ということもできます。
この短い形は、「ら抜き言葉」といって、日本語教育の中では正しくない日本語であると嫌われることもしばしばありますが、日本人は日常生活の中でよく使っています。
どうしてこの「ら抜き言葉」が生まれたのかという話にも諸説ありますが、2グループ動詞は他の動詞の活用、例えば受身形、尊敬語などに変換した時に、可能形と同じ形になってしまい、見分けがつきにくいため、可能形の音が変化したとも言われていて、実は便利に進化した日本語なのではないかという見方もあります。
2、可能形を使った文法
それでは、実際に文法を見てみましょう。
①可能形
・スキルがある、ポテンシャルがある
Sample1 私は納豆が食べられます。
Sample2 私はピアノが弾けます。
Sample3 田中さんは英語が話せます。
Sample4 息子は50メートル泳げます。
このブログの最初でも書いた、「~ことができます」という意味の文です。
その能力がある、ポテンシャルがあるということですね。
ポイントは、可能形動詞の前の助詞で、一般的には、「を」ではなく「が」を使うことが多いところです。
・その場所、物で~をすることが可能
Sample1 ここでお金が払えます。
Sample2 ミュージカルのチケットは、インターネットで買えますよ。
Sample3 沖縄の国際通りで、シーサー作りが体験できます。
Sample4 お掃除ロボットで、いつでも部屋をきれいにできます。
Sample5 この虫メガネで小さいものまで見られますよ。
一つ目に紹介した能力の「できます」と同じ形ですね。
この文法は、ある人のスキルだけでなく、その場所で・そのものを使って~することができると言いたいときにも使えます。
②可能形+ようになる
Sample1 300メートル泳げるようになりました。
Sample2 英語のラジオが大分わかるようになりました。
Sample3 はやく新聞の日本語が読めるようになりたいです。
Sample4 免許を取って、運転できるようになりたいです。
「可能形+ようになる」という文法は、以前はできなかったけれど、時間が経ってもしくは練習してできる状態になる、変化するという意味を表します。
よく使われる形は、上のサンプルのような過去形や「~たいです」という願望の文ですね。
300メートル泳げるようになりました。
→前は300メートル泳げなかったけれど、今は泳げる。
はやく新聞の日本語が読めるようになりたいです。
→今は、まだ日本の新聞が読めないけれど、これから練習して読みたい!
このようなスキルの状況の変化を表す文法です。
3、可能形を含む文法の注意点
可能形は、「できる」の意味ですから、ネガティブなことにはあまり使いません。
例えば、「罰金を払う」「遅刻する」「事故を起こす」などですね。
✖ スピード違反をしたら罰金を払えます。
✖ もう10時30分だ!走らないと遅刻できるよ。
それから、無意志動詞には可能形がありません。
無意志動詞というのは、自分でコントロールできない動詞のことです。
例えば、「分かる」「疲れる」「治る」などです。
このような動詞には、可能形がないので気をつけましょう。
いかがでしたか。
本日は可能形を含む文法をご紹介しました。
皆さんも自分のできること、できないこと、できるようになりたいことを話してみましょうね。
それでは、今日はここまで!
また次回のブログでお会いしましょう!