確かと確かにの<確かな違い>は何でしょうか / 日本語ラーニングサポートLLC

確か、と「確かに〜」はどのような違いがあるでしょうか。

例文と一緒に見ていきましょう。

ステップアップ.jpg

皆様、こんにちは。

日本語ラーニングサポートの楠田俊之です。

日本語を勉強していると色々な場面で似ている言葉に困ってしまうことがありますね。

本日はその中から「確か(たしか)」と「確かに(たしかに)」をピックアップしてお話をします。

ひらがな一つ「に」があるか無いかだけの違いなのですが、意味は大きく変わってくるようです。

実際の日本語の文の中でそれぞれがどのように使われているか、例を見ながら勉強してみましょう。

よろしくお願いいたします。

 

● 本日のブログ記事の目次

1,確か、とは

2,確かに、とは

3,会話例を読みましょう

 

 

 

 

 

1,確か、とは

Q:「確か・・・」とは何ですか?

A:「絶対に間違いが無いとは言えないですが、私は『確か・・・・』と覚えています」という意味です。

→ 今年(2025/令和七年)のJLPTは確か7月6日だったと思うけど・・・。

このように話します。

JLPT(日本語能力試験)は毎年7月と12月の第一日曜日に行われる大きなテストです。

カレンダーや公式サイトを見ればすぐに分かることです。

しかし、7月の第一日曜日が「何日?」だったかはハッキリと覚えていないことの方が多いのではないでしょうか。

うーん、7月の「6日」と覚えてはいるけれど絶対の自信は無い。もしかしたら日付が違うかもしれない。

このような時に、「確か・・・・」と自分の覚えていることについて話します。

 

 

 

 

 

2,確かに、とは

Q:「確かに〜」とは何ですか?

A:間違いが無いと思うことを話す言葉です。

→(公式サイトやカレンダーを見て、)うん。今年のJLPTは確かに7月6日だね

このように話します。

「確かに(・・・)」は間違いの無いと思うことですから、会話で返事をする際にもよく使われますよ。

P1:お米が本当に高くて困るよね。

P2:うん、確かに。5kgで5,000円なんて信じられないよ。

 

P1:「笑」という漢字は、確かに人の顔に見えるね。

P2:あ、そうだね!確かに笑っている顔の形に見える。

便利な言葉ですね。

確かに、という一言だけで「本当だね!(間違いないね)、私もそう思うよ」という賛同をシンプルかつ明確に伝えることができますね。

 

 

 

 

 

3,会話例を読みましょう

それでは「確か」と「確かに」のそれぞれの言葉の例文を読んでみましょう。

●「確か」の例文を少し挙げます

A:今晩のサッカーの試合、何時からだったっけ?

B:確か9時半からだったと思うよ。

 

A:駅前の中華屋さんのお休みいつだっけ?

B:確か月曜日じゃなかったっけ。

 

A:あ、クリーニング屋さんのセール今日までかも!

B:ええと、確か明日までだったと思ったけど。

 

A:見て!5年前のハイキングの写真が出てきた。

B:懐かしいね。あ、このシャツ確かまだ箪笥に取ってあったな。

 

A:あ、オフィスのエアコン止めてきた?

B:ええと、、確か止めたと思うんですけど、急いで出てきちゃったので。

 

A:明日、お天気が心配だね。

B:うーん、確か天気予報では雨は降らないってなってたと思うけど。

 

A:ねえ、ワインのコルク抜き知らない?

B:え?この間使って、確かキッチンのいつもの引き出しに入れたはずだけど。・・・無い?

 

A:ねえ、このお話の犯人って誰だったっけ?

B:確か作家本人だったと思うけど、映画版ではどうだったかなあ?

(おまけ)

「確か」は不確実を表す言葉ですから、時にミステリーの雰囲気も秘めています。

A:あれ、この写真5年前なのに鈴木のおじさんが写ってる。

B:え、鈴木のおじさんは確かこの時入院中だったよね。

 

※例文中に多く「確か・・・た」の形を用いました。

例えば未来に対して「今晩のサッカーの試合は9時半からだった」という形です。未来の出来事について話しますが、すでに確定した事柄を確認しているのですね

 

 

●「確かに」の例文を少し挙げます

A:JLPTは漢字が書けなくても出来るよね。

B:確かに!マークシートだから読めさえすれば答えられるね。

 

A:毎日漢字を4つ覚えたら一年で1,460個マスターできるはずだ。

B:確かに(単純な)理論上ではそうなるね・・・。

 

A:最近は小学生でもスマホを持ってるんですって。

B:確かに今の子たちのコミュニケーションには必須のものなのかもしれませんね。

 

A:課長、なんだか遅すぎないですか。

B:確かにそうですね。もう出ていって一時間になるね。

 

A:本当にメール送ってくれた?届いてないんだけど・・。

B:えー、確かに送ったんですよ。

「間違いなくしました!」つまり、この場合には絶対にメールを送ったという説明をAさんに与えているのですね。

(続き→)B:あ、もしかして迷惑メールのフォルダに入っちゃってないですか?

A:・・あ!本当だ!あったよ。

 

(上に挙げた会話例から2つ取り上げて、もう一回考えます↓)

A:毎日漢字を4つ覚えたら一年で1,460個マスターできるはずだ。

B:確かに単純計算をしたらそうなりますね。ですが、漢字は多彩なコンビネーションと工夫された文法的アイデアで使われるものですから「マスター」することにはならないと思います。

「確かに(そうですね)」という言葉で、まず同意を示します。そしてその上で、反論として見解を伝えます。話し合いにおける<柔らかいテクニック>ですね。

 

A:JLPTは漢字が書けなくても解答出来るよね。簡単に合格できるでしょ!?

B:確かにそうかもしれないけど!漢字って書かないとちゃんと覚えられないし知識にならないよ!ちゃんと勉強しなきゃ合格できるわけないじゃない!

相手の話す理には無理がある「確かに・・けど!」と言って少々の怒りを込めて反論できますね。「それは酷い!」とか「何だよ!そんなこと無理だよ!」という同意できない事柄への気持ちがストレートに現れますね。

 

 

今日は「確か」と「確かに」を取り上げて言葉の違いを見てみました。

同じ「確」の漢字で書かれる言葉ですが、意味は大きく異なっていて面白いですね。

「確」の言葉

確かめる(たしかめる):確認する、例)試験の結果を確かめる

確認(かくにん):確かめて確実な事柄にする、例)漢字の筆順を確認する

確実(かくじつ):確かなこと、例)毎日勉強する彼の合格は確実だろう。

確か(たしか)-な/に:間違いが無いであろうこと、例)良かった!確かに合格している。

(※他、単語の構成部分として→)正確、的確、確定、確証、、、、

上に示す六行は余談ですが、漢字は非常に奥が深いですね。

 

 

さて、本日のブログ記事は以上で全てです。

お読みいただき誠にありがとうございました。

日々、日本語の勉強を頑張っている皆様の一助としてお役立て頂けましたら嬉しい限りです。

5月の東京にはまだ夏の本番を前に爽やかな日が続いています。

しかし暑くなったり寒くなったりで体調にも響きますから、やはり健康管理には気をつけて良い季節を過ごしましょうね。

7月6日(日曜日)、2025年第一回の日本語能力試験の日もだんだんと迫ってくる気がします。

年に二回だけの大切な試験ですから受験なさる方は毎回の機会を逃すことなく余裕ある合格を目指しましょう。

目標の達成にはある程度の期間を考えた計画的な勉強が必要です。

継続、とは何より難しいことの一つですが日本語の上達に絶対に欠かせない努力であることには違いありません。

私たちは海外からお越しの皆様のご生活とキャリアアップを日本語の力からサポートいたします。

もし、勉強をしていて困ってしまうことがあれば、いつでもお気軽にご連絡くださいね。

プロの教師のレッスンには必ず新鮮な発見が待っています。

city-100959_1920.jpg

今日も良い一日になりますように

JLSは皆様の日本語の勉強を年中無休にて全力で応援いたします