川は「かわ?がわ?」、橋は「はし?ばし?」正しい読み方を覚えましょう / 日本語ラーニングサポートLLC

川とは「かわ」でしょうか?それとも「がわ」でしょうか?
「か」と「が」の違いですから、本当に小さな発音の差です。
いつも話している身のまわりの言葉「川」ですが、ふと考え直してみると悩んでしまうこともありますね。
今日は正しい読み方を覚えて、日本語を一つブラッシュ・アップしましょう!
■「川」は「かわ」です。
正解は「かわ」です。
一つの単語として、「川」を読む時には「かわ」と発音しましょう。
例:うちの近くには大きな川(かわ)が流れています。
例:子どもの時は、よく川(かわ)に釣りに行きました。
例:夏休みのキャンプでは、川(かわ)で遊びました。
このように正しい日本語の文が成立します。
では、「がわ」について考えます。
Q:川=「がわ」は間違った日本語なのでしょうか?
A:単語の部分として「川」を「がわ」と読むことがあります。
以下に代表的な例として川の名前を挙げます。
●多摩川・・・・多摩(たま)川=「たまがわ」
●四万十川・・・四万十(しまんと)川=「しまんとがわ」
●ガンジス川・・「がんじすがわ」
●テムズ川・・・「てむずがわ」
このようにそれぞれの<川の名前>の中で「川」という漢字の部分を「がわ」と読むケースを多く見つけることが出来ます。
※ちなみに、東京都と埼玉県の堺を流れる川である「荒川」は「あらかわ」と読んで正しい固有名詞です。つまり、日本語の口の動きとして「かわ」のままでは読みにくい時に「がわ」と読んで発音するのですね。
このように「゛」があるのかないのか、言葉として迷いやすい単語を他にも考えてみましょう。
■橋
橋🌉=「はし」です。
✘「橋」=「ばし」ではないことに注意しましょう。
単語の一部として使われた時には以下のように読みます。
例:日本橋=にほんばし
例:吾妻橋=あづまばし
例:眼鏡橋=めがねばし
■箱
箱🗃️=「はこ」です。
✘「箱」=「ばこ」ではないことに注意しましょう。
以下のような場合に「箱」という漢字部分を「ばこ」と読んで発音します。
例:ふで箱=ふでばこ
例:ゴミ箱=ごみばこ
例:段ボール箱=だんボールばこ
■袋
袋=「ふくろ」です。
✘「袋」=「ぶくろ」ではないことに注意しましょう。
以下の例のようなケースで単語の内の「袋」を「ぶくろ」と読みます。
例:ビニール袋=ビニールぶくろ
例:紙袋=かみぶくろ
例:池袋=いけぶくろ
■柱
柱=「はしら」です。
✘「柱」=「ばしら」ではないことに注意しましょう。
「柱」を単語内で「ばしら」と読む例を同様に以下に挙げます。
例:貝柱=かいばしら
例:炎柱=えんばしら
例:大黒柱=だいこくばしら
■通り
通り=「とおり」です。
✘「通り」🛣️=「どおり」ではないことに注意しましょう。
実際に「道の名前(固有名詞)」の場合他、多くのケースで「通り」を「どおり」と読ませています。
例:大通り=おおどおり
例:明治通り=めいじどおり
例:中央通り=ちゅうおうどおり
■ 以上、6つの語のサンプルを整理します。
①川は「かわ」です。
②橋は「はし」です。
例:【多摩川の東京側から】この橋(はし)を渡ると、向こうは神奈川県です。
③箱は「はこ」です。
例:【オフィスで】ああ、ボールペンはあの箱(はこ)の中ですよ。
④袋は「ふくろ」です。
例:【レジで】袋(ふくろ)は結構です。←ビニール袋はいらないということです。
⑤柱は「はしら」です。
例:東京スカイツリーは天までそびえる巨大な柱(はしら)のようですね。
例:【お寺の本堂で】この柱(はしら)はすごい太さだね!
⑥通りは「とおり」です。
例:【タクシーで】この通り(とおり)をもう少しまっすぐ行ってください。
⚠シンプルに「川」「橋」「箱」「袋」「柱」「通り」を一つの単語として発音する時には「゛」をつけて「がわ」「ばし」「ばこ」「ぶくろ」「ばしら」「どおり」と話さないように注意しましょう。
上に代表的な語を取り上げましたが、多くの場面において単語の中の一つのパーツとして「゛」付きの音が非常によく使われるために混乱を招きやすいポイントです。単語を正確に覚えることで、対話の相手に違和感を与えない自然な日本語を話すことが出来ますよ!
ちなみに「゛」が付くのは、直前の発音から日本語の口の動きとして自然に話しやすいためですので、それぞれの漢字(言葉)が少し大きな単語の一部分としてはじめ(=語頭)に置かれる場合には通常の音通りに発音します。
例:
「川」→川遊び(かわあそび)、川魚(かわざかな)
「橋」→橋本(はしもと)、橋桁(はしげた)
「箱」→箱崎(はこざき)、箱詰め(はこづめ)
「袋」→袋帯(ふくろおび)、袋小路(ふくろこうじ)
本日の勉強は以上です。
「川」、「橋」、「箱」、「袋」、そして、この四つの言葉に加えて「柱」、「通り」を取り上げて簡潔にケーススタディをしてみました。
基本的な単語力に関する事柄ですが、間違いを生みやすい部分だと思います。
今回のテーマに関して誤用の経験があれば、実はそれは一生懸命に勉強した証明とも言えます。
学習をした通りに該当の漢字部分をクローズアップすることではじめて起こり得る間違いだからです。
日本語の勉強への努力と熱意を、正しい知識の整理で美しい会話の実践へと繋げましょう。
こちらのブログ記事が皆様の日本語のスキルアップのための一助となれば本当に嬉しい限りです。
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