てあげる、てくれる、てもらうを使って話してみよう!/日本語ラーニングサポートLLC

2025/02/18 ブログ

サプライズをしましょう!

2月のバレンタインも過ぎてしまいましたね。

みなさんは、誰かにサプライズをしましたか?

今日は、誰かにプレゼントをしたり、サプライズする時の日本語を学習しましょう!

 

●Vてあげます

「わたし」(話し手)が他の人にサプライズをしたり、手伝ったりするとき、「Vてあげます」という文法が使えます。

例文を見てみましょう!

 

Sample1 バレンタインに彼女に花を買ってあげます。

Sample2 子供の誕生日に遊園地に連れて行ってあげます。

Sample3 記念日に夫にケーキを作ってあげます。

Sample4 友達の引っ越しを手伝ってあげます。

Sample5 弟の勉強を見てあげています。

 

~は~にVてあげますという文法は、主語がGiverで、「~に」の部分にはreceiverが来ます。

Giver→receiverにある行為が移動したという意味になります。

基本的にはGiver(主語)は「わたし」になりますので、「わたしは」という部分は実際の会話では省略されることが多いです。

 

ですが、主語が「わたし」以外になることもあります。

これは、ウチとソトの考え方が重要になります。

今回は、ウチとソトについて簡単にご説明しますので、詳しく知りたいという方は、以前ご紹介した「あげます・くれます・もらいます」を解説した記事をご覧ください。↓

あげます、くれます、もらいますの違いを考えて、プレゼントについて話そう

 

 

簡単に言うと自分に近い人がウチ、自分から遠い人がソトです。

これは実際の距離ではなく、関係の近さです。

例えば、家族は自分から見て関係が近い人ですが、近所の人や道であった知らない人などは関係が遠いですよね。

これをウチとソトの関係といいます。

Vてあげますという文法は、自分から近い人(ウチ)→自分から遠い人(ソト)に行為が移動した時に使います。

ですから、このような使い方もできます。

Sample6 母は、近所の人にマフラーを作ってあげました。

Sample7 先生は、お子さんを水族館に連れて行ってあげたそうです。

 

このように、主語がより自分に近い人であれば、「わたし」でなくてもいいです。

ただ、この文法は助ける、いいことをするというような意味が強いので、目上の人に対して、「~てあげましょうか。」という使い方はできません。

 

✖ 先生、荷物が多いですね。持ってあげましょうか。

〇 先生、荷物が多いですね。持ちましょうか。

 

目上の人に対して、「~てあげましょうか」を使うと、私は親切なことをしているというような上から目線の言い方になってしまいますので気をつけましょう。

 

 

●Vてくれます

 

次は、誰かがあなたにサプライズをしたり、手伝ったりしたときの言い方を勉強してみましょう。

 

Sample1 夫が誕生日にかばんを買ってくれました。

Sample2 友達が温泉旅行に連れて行ってくれました。

Sample3 先生が、きれいな写真をたくさん見せてくれました。

Sample4 母が宿題を手伝ってくれました。

Sample5 佐藤さんが英語を教えてくれました。

 

他の人(主語)がVてくれました。の形で、誰かが私を手伝った、サプライズしたという意味になります。

この文法の場合、基本的にはアクションのGiver(主語)は他の人、receiverはわたしになります。

ですので、「わたし」という言葉は省略できます。

 

ただ、こちらもウチとソトの関係がありますので、もちろん「わたし」の部分に他の人を入れることもできますよ。

Sample6 近所の人が妹におもちゃをくれた。

Sample7 知らない人が私の犬におやつをくれました。

 

このように、Giverがreceiverより遠い人(話し手から見て)だった場合は、この文法が成立します。

 

Giver(話し手からみて遠い人)→receiver(話し手からみて近い人)

 

というものの移動であれば使うことができます。

日本語には、このように文法自体に細かい意味が含まれているので、主語をわざわざ言わなくても会話が成り立ちます。

例えば、上のSample6を見てみましょう。

 

「近所の人が妹におもちゃをくれた。」

この文を見て、誰の妹なのかと疑問に思った方はいますか。

話し手の妹なのか、近所の人の妹なのか書かれていませんね。

でも、日本人はすぐに話し手の妹だとわかります。

それはなぜか?先ほどの説明のように、「くれる」の文法では、話し手から見て遠い人→近い人という構成になりますので、「妹」は話し手に近い人物になるわけです。

そう考えると、話し手の妹と考えるのが自然です。

 

また、このVてくれるは、お礼を言う時にもよく使われます。

 

・Vてくれてありがとう

 

Sample1 連れてきてくれてありがとう。

Sample2 荷物を送ってくれてありがとう。

Sample3 ケーキを買ってきてくれてありがとう。

Sample4 きれいな写真を見せてくださってありがとうございました。

Sample5 いつも英語を教えてくださってありがとうございます。

 

このように、相手からの行為に対してお礼を言いたいときに使うことができます。

目上の人にお礼を言いたいときには「Vてくださってありがとうございます」というと丁寧になります。

是非使ってみてくださいね。

 

●Vてもらう

次に「てもらう」を使った言い方を学習しまししょう。

「てあげる」「てくれる」は、Giveの意味で主語はGiverでしたが、「てもらう」はreceiveの意味で、主語がreceiverになるのでそこに注意しながら例文を読んでみましょう。

 

Sample1 雪だったので、父に学校まで送ってもらいました。

Sample2 実家から野菜を送ってもらいました。

Sample3 今日は、夫にカレーを作ってもらいます。

Sample4 具合が悪いので、彼女に看病してもらいます。

Sample5 先輩に新しいパソコンの使い方を教えてもらいました。

 

このように、誰かが私を手伝ってくれた時、「わたし」を主語にすると「てもらいました」が使えます。

ですので、

・(私は)誕生日に姉においしいレストランに連れて行ってもらいました。

・誕生日に姉が(私を)おいしいレストランに連れて行ってくれました。

 

この上の二つの文は、「てもらう」を使った文(上)と「てくれる」を使った文(下)でGiverとreceiverの位置が違いますが、文全体の意味としては同じです。

「レストランに連れて行く」という行為が、姉→私に移動した(渡された)という意味になります。

 

どちらも同じように使うことができますが、少し違うところがあるとすれば、「てもらう」を使うと、「わたし」が姉にお願いしてレストランに行ったという印象を与えます。

「てくれる」を使うと、姉が進んで自分から「わたし」を連れて行ったという意味に聞こえます。

 

 

いかがでしたか。

本日は「てあげる」「てくれる」「てもらう」の使い方をご紹介しました。

これで、誰かにサプライズしたり、誰かが自分にサプライズした時のことを日本語で話すことができますね!

JLSブログではたくさん記事をアップしていますので、私たちと一緒に楽しく日本語を学習しましょう!

それでは今日はここまで!

また次回のブログで会いましょう!