節分の鬼というお話を読んでみましょう!/日本語ラーニングサポートLLC

2025/02/10 ブログ

節分の鬼という話を読んでみましょう。

皆さん、今年の節分は何をしましたか。

節分といえば、鬼ですよね。

今日はそんな節分の鬼についての昔話を読んでみましょう!

 

 

「節分の鬼」

あるところに貧しいおじいさんが住んでいました。

このおじいさんは、奥さんも息子も早くに亡くしてしまい、ずっとひとり寂しく暮らしていました。

おじいさんは、毎日奥さんと息子のお墓参りに行くことだけが楽しみで、他には楽しいことなど何もありませんでした。

 

寒い冬がやってきて、村にはすっかり雪が積もっていました。

そんなある日、おじいさんはいつもの通り、お墓参りに行きました。

すると、やはりお墓にはたくさん雪が積もっていたので、おじいさんは雪を丁寧にはらって、言いました。

おじいさん:「さむいのぉ~。この冬もお前たちがいないと何にも楽しいことがない。お酒もお米もなく、寂しい日々を過ごしているぞ…」

そうして、おじいさんは一人寂しく家へ帰っていきました。

家へ帰る途中、村の子供たちのこんな声が聞こえました。

鬼は~外!福は~内!

鬼は~外!福は~内!

 

おじいさん:「そうか、今日は節分だったか…息子が小さい頃は、よく豆まきしたなぁ。」

おじいさんは、家へ帰って、古い箱の中から鬼のお面を出してきました。

おじいさん:「おうおう、懐かしいのぉ。もう妻も息子もこの世にいない。この世に希望はないからなぁ。」

おじいさんは、鬼のお面をつけて豆をあちこちに投げつけてこう叫びました。

鬼は~内!福は~外!

鬼は~内!福は~外!

 

すると、ドンドンドンドン!!!

誰かがおじいさんの家のドアを叩きました。

おじいさん:「誰だ??」

赤鬼:「鬼を呼んだのはこの家か~?」

なんと、節分の赤鬼と青鬼がおじいさんの家にやってきたのです。

青鬼:「どこの家も鬼は外!って叫ぶから、どこにも居場所がなくてな…鬼は内!って言ってくれたのがこの家だけだったんだよ。」

すると、後ろからぞろぞろと他の鬼たちも入ってきました。

おじいさんの家にお客さんが来るのは久しぶりで、おじいさんも嬉しくなりました。

おじいさん:「さあさあ、何にもない家だけど、温まっていっておくれよ。」

こうして、おじいさんと鬼たちは楽しくお話をしました。

赤鬼:「今日は、楽しいパーティができて嬉しいな。今日家に招待してくれたお礼に、何かプレゼントをあげよう。ほしいものはないか?」

おじいさん:「うーん、ほしいものか…。じゃあ、みんなで飲める甘酒がほしいな。」

赤鬼:「よし!」

鬼たちは、おじいさんの家を出て、甘酒を取りにいきました。

しばらくすると、帰ってきて、おじいさんに言いました。

青鬼:「戻ったぞ~!」

おじいさん:「な、なんじゃこれは!」

おじいさんが見たのは、鬼たちが持って来てくれたたくさんの食べ物やお金でした。

赤鬼:「甘酒だけじゃお礼にならないからね。また来年も来るよ。」

おじいさんは、鬼たちに感謝し、プレゼントをもらいました。

そして、次の日、奥さんと息子のお墓参りに行って言いました。

おじいさん:「私は、この世に何も希望がなかったが、来年も鬼たちと会うことを約束したからな。もう少し元気に生きてみるよ。」

 

いかがでしたか。

それでは、ここからは節分に関することを少し勉強しましょう。

 

・節分って何?

そもそも節分とは、何でしょうか???

漢字を見てみると分かりますが、節分の「節」は季節の「節」、「分」は「分ける」という意味ですね。

つまり、季節を分ける=季節が変わるという意味なのです。

節分といえば2月3日前後のイメージがありますが、これは冬→春になるというタイミングで「立春(りっしゅん)」とも呼ばれています。

「立春」以外にも「立夏」「立秋」「立冬」というのがあり、合計4つ季節が変わるタイミングがあるんですね。

しかし、この中でも特に一年の始まりとして大切にされていたのが「立春」です。

ですから、「節分」は毎年2月3日前後の大きなイベントになっているのです。

 

・実は2月3日だけじゃない?

節分は、2月3日になることが多いですが、その年によって違います。

今年の節分が2月2日だったように、少しずれることもあります。

その年の節分の日はカレンダーで確認しましょう。

 

・何をする日?

節分には何をするのでしょうか。

子供が好きなのは、「豆まき」です。

大人が鬼のお面をつけて部屋に入ってきて、子供たちが豆を投げて鬼を追い払うというのが日本でよく見る光景ですね。

この鬼は、「悪いこと」「病気」を表していて、悪いものが入って来ないように豆で追い払うのです。

この時に言うフレーズが「鬼は~外!福は~内!」ですね。

また、恵方巻(えほうまき)を食べる習慣もあります。

恵方巻とは、のりでご飯とおかずを巻いた寿司ロールみたいなもので、長いのが特徴です。

その恵方巻をその年の縁起がいい方向を向いて、黙って(しゃべらないで)食べるとお願い事が叶うと言われています。

ちなみに恵方巻の定番の具材は7種類で、これは縁起の良い七福神(しちふくじん)に由来しています。

七福神とは、恵比寿天(えびすてん)、弁財天(べんざいてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、大黒天(だいこくてん)、寿老人(じゅろうじん)、福禄寿(ふくろくじゅ)、布袋尊(ほていそん)のことです。

一般的には、「うなぎ」「えび」「しいたけ」「きゅうり」「かんぴょう」「桜でんぶ」「出汁巻きたまご」がよく入れられます。

また、地域によっては、鬼が嫌いな「いわし」という魚を飾ったり、けんちん汁を食べたりするところもあるようです。

 

さて、今日は「節分の鬼」というお話と、節分に関係することを少しお話しました。

皆さんに面白い!と思っていただけていたら嬉しいです。

それでは、今日はここまで!

また次回お会いしましょう。