赤い靴part2を読んでみましょう!/日本語ラーニングサポートLLC

2024/12/04 ブログ

赤い靴というお話を読んでみましょう!

前回part1をご紹介したので、今回はpart2です。

Part1のあらすじ→貧しい暮らしをしていたカーレンという女の子は、ある時靴屋のおじさんに赤い靴をもらいます。カーレンは履くものがこれしかないので、お母さんのお葬式にもこの靴を履いていきました。それから、カーレンはお金持ちのおばあさんと一緒に暮らすことになり、生活も大きく変わりました。ある日、教会に行くときにカーレンはまた赤い靴を履いて行ってしまい……

Part1を最初から読みたい方は、こちら↓

https://nihongojikan.jp/blog/20241201-4323/

 

「赤い靴」part2

おばあさんはびっくりして、

おばあさん:「カーレン、教会に赤いくつを履いて行ってはいけませんよ。黒い靴で行きなさい。」

と言いました。

カーレン :「はい、おばあさま。わかりましたわ。次から黒い靴を履いていきます。」

カーレンはそう言いましたが、それからしばらくしておばあさんが病気で寝込んでしまうと、こっそりいつも赤い靴を履いて教会へ行ってしまいました。

教会では皆がカーレンの赤い靴をジロジロと見ました。

お祈りの間、カーレンはずっと赤い靴のことを考え、歌もほとんど歌いませんでした。

 

それから何週間か経って、町で大きなパーティがひらかれることになりました。

もちろんカーレンの家にも招待状が届きました。

病気のおばあさんの看病ができるのはカーレンしかいないのに、カーレンはパーティのことばかりを考えてしまいました。

そして、パーティの日、カーレンはやっぱり赤い靴を履いて、パーティ会場に向かってしまったのです。

会場に行く途中、カーレンの赤い靴を履いた足が急に踊り出しました。

カーレン :「あら?どうして?踊りたくないのに勝手に踊ってしまうわ!」

足は止めようと思っても止まりません。

しかも、赤い靴はパーティの会場と反対の方向に進みます。

そうして、とうとうカーレンは踊りながら、町の外れの森まで来てしまいました。

それでも赤い靴は止まりません。

カーレンはどんどん森の中まで入っていってしまいました。

靴を脱ぎ捨てようとしましたが、靴はカーレンの足にぴったりとくっついて離れません。

カーレンは、赤い靴を脱ぐことができないまま、踊り続け、やがて森を越え、草原を越え、どこまでも行きました。

雨が降っても、雪が降っても、カーレンは踊り続けました。

そして、墓地へ入っていき、教会へたどりつきましたが、カーレンの足は止まりませんでした。

すると、どこからか天使がやってきて言いました。

天使   :「これはこれは、きれいな靴ですね。あなたが真面目な心を持たないから、この靴は踊り続けているんですよ。心を入れ替えれば、きっとその足は止まるでしょう。」

カーレン :「ずっと踊っていてもうクタクタです。休ませてください!」

カーレンがそう言いましたが、ダンスはもっと激しくなるばかりでした。

そのまま赤い靴は踊り続け、また森の中へ行き、冷たい川の中に入り、どんどん進んでいきました。

カーレンの体は傷だらけになり、すっかり疲れてしまいましたが、それでも踊りは終わりませんでした。

 

カーレン :「神様、どうか私を助けてください!」

カーレンは神様に祈りました。

そして、あの優しいおばあさんの病気が悪くなったのも、自分が看病を真面目にしなかったからだと気が付いたのです。

カーレン :「おばあさま、ごめんなさい!」

そういうとカーレンの周りが急にパーッと明るくなり、前に出会った白い天使がやってきました。

いつの間にか、カーレンは教会の中にいて、教会の中にはどんどん光が広がっていきました。

どこからか、オルガンの音と歌声が聞こえ、牧師さんが見えました。

そして、カーレンは明るい光に包まれて、天使と一緒に神様のところへ昇っていきました。

 

 

いかがでしたか。

アンデルセン童話ですので、悲しいエンディングですね。

ここからは、お話の中に出てきた文法を少し学習してみましょう。

 

今回は、「~ばかり」をご紹介します。

本文では、「カーレンがそう言いましたが、ダンスはもっと激しくなるばかりでした。」という文が出てきましたね。

この「ばかりです」はどんな意味なのでしょうか。

一緒にみてみましょう!

●ますます(悪い状態)になる

「~ばかりだ」は、悪い状況がどんどんひどくなると言いたいときに使われます。

 

Sample1 ご主人が亡くなってから、山田さんは元気がなくなるばかりで、心配だ。

Sample2 漢字は書かないと忘れていくばかりだ。

Sample3 この部屋はだれも掃除していないから汚れていくばかりだね。

Sample4 最近、引っ越しや友人の結婚式なんかでお金が減るばかりだよ。

 

このように、ますます、どんどん~になるという時に使います。

大抵は悪い状況を表しますね。

「一方だ」とも使い方が似ているので、一緒に確認しましょう。

「一方だ」は、ますます~になるという意味では、「ばかりだ」と同じですが、「ばかりだ」はネガティブな文になるのに対し、「一方だ」はポジティブな意味でも使えます。

 

〇 漢字は書かないと忘れていくばかりだ。

〇 漢字は書かないと忘れていく一方だ。

 

× 日本の景気は良くなるばかりだ。

〇 日本の景気は良くなる一方だ。

 

 

また、「ばかり」には他にもいくつかの文法があります。

●それだけ~する

「~てばかりいる」「~ばかり~ている」という文型で、それだけを~するということができます。

 

Sample1 うちの子は最近、ゲームしてばかりいて、全然勉強しないんです。

Sample2 肉ばかり食べていないで、野菜も食べなさい。

Sample3 文句を言ってばかりいないで、少しは相手を認める努力も必要よ?

Sample4 夢ばかり見ていてもだめですよ。しっかり現実を見ないと。

 

このように「~てばかりいる」「~ばかり~ている」もネガティブな文脈で使われます。

人に対して文句を言う時や、注意をする時によく使います。

 

 

●~をしたあとすぐのタイミング

「~たばかり」で、~をしてすぐのタイミングだということを表すことができます。1分前、1時間前に~をしましたよ。という意味で使われます。

 

Sample1 さっきご飯を食べたばかりなので、今はまだお腹がいっぱいです。

Sample2 君の運転する車には怖くて乗れないよ。先月免許を取ったばかりなんだろ?

Sample3 今、帰ってきたばかりだから、まだ手紙は読んでないんだ。

Sample4 田中さんは去年結婚したばかりだそうですよ。

 

このように「~たばかり」で、~してすぐだということを表すことができます。

「~たところ」とも似ていますが、「~たところ」は本当に1分前、2分前のようなとても短い時間に使います。

「~たばかり」は話し手が短い時間だと思えば、1年前でも5年前でも使うことができます。

 

〇 コンサートは今始まったばかりだ。

〇 コンサートは今始まったところだ。

 

〇 田中さんは、去年結婚したばかりだそうですよ。

× 田中さんは、去年結婚したところだそうですよ。

 

 

いかがでしたか。

本日は、「赤い靴」part2と「~ばかり」という文法について紹介しました。

楽しんでいただけていたら幸いです。

12月のJLPT試験も終わり、少し落ち着いた方も多いと思います。

これから、クリスマス、お正月と楽しいイベントがたくさんありますから、風邪をひかないように気をつけてくださいね。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう!