赤い靴part1を読んでみましょう!/日本語ラーニングサポートLLC

2024/12/01 ブログ

赤い靴というお話を知っていますか。

アンデルセン童話の一つで、とても有名なお話なので聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。

「赤い靴」は少し長いので、part1とpart2に分けてご紹介します。

それでは、早速読んでみましょう!

 

「赤い靴」

あるところにカーレンというとてもきれいな女の子がいました。

カーレンはお母さんと二人で生活していましたが、家にお金はなく、夏も冬も履くものがありませんでしたから、カーレンの足はいつも真っ赤になっていました。

お母さんは重い病気を持っていましたが、薬も買えなかったため、日に日に弱っていきました。

二人の生活はとてもみすぼらしいものでした。

そんなカーレンを見てかわいそうに思った靴屋のおじさんが赤い布で靴を作って届けてくれました。

おじさん:「ほら、カーレン。履くものがないならこれを履きなさい。」

カーレン :「わあ、ありがとう。おじさん!大切にするわ!」

そして、その日はとうとう亡くなってしまったカーレンのお母さんのお葬式の日でした。

カーレンは他の靴を持っていなかったので、お葬式にその赤いくつを履いて行ってしまいました。

教会の牧師さんやお葬式に参加した人々はカーレンの赤い靴を見て驚きましたが、カーレンが貧しいことを知っていたので、何も言いませんでした。

家族がいなくなってしまったカーレンが牧師さんと歩いていると、きれいな馬車に乗ったおばあさんが通りかかりました。

 おばあさん:「こんにちは。行くところがないのでしたら、私のお家にいらっしゃったら?大切にしますよ。」と言いました。

こうしてカーレンはお金持ちのおばあさんの大きなお家にひきとられることになりました。

おばあさんは、カーレンがそれまで着ていたボロボロの服と靴を捨て、きれいなドレスと靴をあげました。

カーレンは、大きな家の中で本を読んだり、お料理をしたりして楽しく暮らしていました。

この家に来るお客さんは、みんなカーレンのことを褒めました。

お客さん:「まあ、なんてきれいな女の子なの!」

おばあさんもカーレンも幸せに暮らしていました。

しかし、おばあさんも年をとっていたので、日に日に弱っていきました。

 

 何年か経って、美しい娘に成長したカーレンは、教会のメンバーになるために堅信礼(けんしんれい)を受けることになりました。

堅信礼のためにおばあさんはカーレンにお金を渡し、そのお金で町できれいな服と靴を買って来るように言いました。

カーレンはお金を持って、早速町へ出かけていきました。

まずは服屋さんへ行って、きれいな服を買いました。

その後、靴を探しながら町を歩いていると一足の赤い靴を見つけました。

それはピカピカ光るきれいな靴でした。

堅信礼に赤い靴で出席してはいけないということは、カーレンも知っていましたが、カーレンはどうしてもその赤い靴が欲しくなってしまいました。

そして、とうとうその靴を買ってしまったのです。

カーレン :「おばあさま、この服と靴を買ってきましたわ。」

おばあさん:「まあ、きれいですね。」

おばあさんは、年をとって目が悪くなっていたので、それが赤い靴だと分からず、良いですねと言ってしまいました。

そして、堅信礼の日になりました。

教会にあつまった人々も牧師さんも皆カーレンの赤い靴を見ていました。

その日の夜、教会に集まった人々はおばあさんにカーレンが赤い靴で来たことを伝えました。

続く……

 

いかがでしたか。

すっかり赤い靴に魅了されてしまったカーレンは、これからどうなってしまうのでしょうか。

続きはpart2をお楽しみに!

 

それでは、ここからは本文の中に出てきた日本語を少し復習してみましょう。

今回は、「どうしても」の意味と使い方についてご紹介します。

本文では「カーレンはどうしてもその赤い靴が欲しくなってしまいました。」と言っていましたね。

この「どうしても」はどんな時に使うのでしょうか。

●強い希望、欲望

「どうしても」は、「~したい」「ほしい」など希望を表す言葉と一緒に使い、~がしたくて/~がほしくて我慢できない!という気持ちを表すことができます。

また、「~したくない」と否定形と一緒に使うこともできます。

 

Sample1 どうしてもあのカバンがほしいの!

Sample2 犬がおやつの箱の前でずっとおすわりしてる。どうしても食べたいみたい。

Sample3 今回の試合はどうしても負けたくない。

Sample4 このプロジェクトはどうしても成功させたい。

 

このように、「~したい!」「~したくない!」「~がほしい!」などの強い気持ちを表す時に是非使ってみてください。

 

●どんなに努力しても、どんな方法を使っても~

「~ない」と否定形を後ろにつけることが多く、「~できない」という意味になることが多いです。

Sample1 どうしても彼の意見に賛成できない。

Sample2 納豆だけはどうしても食べられない。

Sample3 妻にはどうしても勝てない。

Sample4 東京駅に行くにはどうしても1時間はかかってしまう。

 

Sample4は、文末が否定形ではありませんが、どんな方法を使っても最低1時間はかかる。それより速く行くことはできないというネガティブなニュアンスがありますね。

このような使い方もできますよ。

 

いかがでしたか。

今回は、「赤い靴」のpart1と「どうしても」の使い方をご紹介しました。

お楽しみいただけましたでしょうか。

「赤い靴」part2もすぐにアップしますので、そちらもご覧くださいね。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう!