吉四六さん山を持って来るというお話を読みましょう!/日本語ラーニングサポートLLC

2024/11/24 ブログ

吉四六さんの話を読んでみましょう!

今日は「吉四六さん 山を持って来る」というお話をご紹介します。

日本語の学習を進めるなら読み物が一番!

一緒にお話を読みながら日本語をレベルアップさせましょう!

 

 

「吉四六さん 山を持って来る」

昔々ある村に、吉四六さんという頭の良い男がいました。

ある日、村のいじわるな借金取りが、貧乏な家の主人に言いました。

借金取り :「おい、早く金を返せ!じゃないと家を燃やしてしまうぞ。」

貧乏な主人:「勘弁してくださいよ~!半年待ってくれるって言っていたじゃないですか。」

それを見ていた吉四六さんが言いました。

吉四六  :「おいおい、半年の約束だったなら、それまで待ってやりなさいよ。」

借金取り :「うるさい!そんな約束忘れたね。さっさと返せ!」

貧乏な主人:「そう言われても…うちには今お金がないもんですから。」

借金取り :「じゃあ、お前が払えるのか。」

借金取りが吉四六さんに言いました。

吉四六  :「ええ~。私もそんなお金持ってないですよ。あ、でもお金以外の頼み事なら何でも聞きますよ!」

借金取り :「ほほう。言ったな?じゃあ、あそこに大きな山が見えるな。あの山を一晩でここに持って来ることができたら、借金はゼロにしてあげるよ。」

吉四六  :「本当か!よし!やってみよう!」

借金取り :「その代わり、できなかったらどうなるか分かっているな?」

貧乏な主人:「ひぃぃ!吉四六さん!大丈夫なんですか?」

吉四六  :「大丈夫、大丈夫。ちょっと考える時間をくださいな。」

そういって吉四六さんは、どこかへ行ってしまいました。

 

借金取り :「山なんか持ってこられるはずがない。」

貧乏な主人:「いや、吉四六さんにはきっと何か考えがあるんですよ!」

借金取り :「ははは。どうなるか楽しみだな。」

すると吉四六さんは、村中の家を回って、家の前にたきぎを置きました。

たきぎというのは、火を起こすための小さい枝や木のことです。

村中の家にたきぎを置き終わると、吉四六さんはとうとう借金取りの家にやってきました。

そして、同じようにたきぎをドサッと置くと、

吉四六  :「ふう、これで準備は完了です!」

と言いました。

借金取り :「ははは。吉四六、何だこれは。私が持って来てほしいのは山で、たきぎではないぞ!」

吉四六  :「ええ、ええ。分かっていますよ。今から山をここへ動かしますよ。でも、まずはこの村にある家を全部燃やさないと、山を置く場所がないじゃないですか。」

そういって、マッチに火をつけました。

借金取り :「おいおい、私の家を燃やそうというのか?それは困る。これから寒くなるのだから、家がないと冬が越せないぞ。」

吉四六  :「そうですよね。あのご主人も家を燃やされたらもちろん困ります。どうです?あのご主人の借金をゼロにするなら、山を動かすのも、そのために家を燃やすのもやめますが。」

借金取り :「うーん。仕方がない。今回はあきらめよう。」

吉四六  :「ありがとうございます。」

借金取り :「あーあ、吉四六と勝負なんてしなきゃよかった。」

こうして、貧乏な主人の借金はゼロになり、借金取りの家も燃やされずに済んだということです。

 

 

いかがでしたか。

今日は「吉四六さん 山を持って来る」というお話をご紹介しました。

吉四六さんは頭がいいですね。

日本昔話でもよく出てくる一休さんとも似ているかもしれませんね。

彼らのように面白いアイディアで、問題を解決することができる人を「とんちが利く(きく)人」といいます。

 

 

それでは、ここからは本文に出てきた文法を少し学習しましょう。

今日学習するのは、「~ものですから」です。

本文の中では、貧乏な主人が「そう言われても…うちには今お金がないもんですから。」と言っていましたね。

ここでの「もんですから」と「ものですから」は同じ文法で、「もん」の方がよりカジュアルな印象があります。

「~ので」のように理由や事情を話す時に使う文法です。

「本当は~したかったけれど、理由があってできなかった。」という意味が含まれていて、謝罪する時や、断る時によく使います。

 

Sample1 すみません。ビールはちょっと…今日は車で来たものですから。

Sample2 連絡が遅れてしまい申し訳ございません。出張でしばらく留守にしていたものですから。

Sample3 急な予定が入ってしまったもんですから、来週の飲み会は行けなくなってしまいました。

Sample4 子供が熱を出してしまったもんですから、今日は早く帰らせていただきます。

 

また、「ものだから」「もんだから」も同様に使われます。

この文法は、会話表現としてもよく使われていますので、会話の中で実際にどのように使われているのか見てみましょう。

 

Sample5

A:あれ、今日は自転車じゃなくて歩いて来たの?

B:うん、自転車がパンクしちゃったもんだから。

Sample6

A:今日はお帰りが早いですね。

B:ええ、妻の誕生日なものですから。

 

このように会話の中で理由や事情を話す時に「ものですから」を使ってみると自然な会話になりますね。

 

いかがでしたか。

本日は「吉四六さん 山を動かす」というお話と、「~ものですから」という文法をご紹介しました。

私たちJLSのブログでは、皆さまの日本語学習に役立つような日本語の読み物や文法解説をアップしています。

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それでは、本日はここまで!

また次回のブログでお会いしましょう。