あげます、くれます、もらいますの違いを考えて、プレゼントについて話そう!/日本語ラーニングサポートLLC

2024/09/01 ブログ

あげます、くれます、もらいます の違いは何でしょう?

「ウチ」と「ソト」をしっかり理解して、「あげます」「くれます」「もらいます」の違いをマスターしましょう!

誕生日のパーティーや、旅行から帰ってきたとき、他の人にお菓子やお土産をプレゼントすることありますよね。

こんな時、日本語では何と言うんでしょうか。

今回は、日本語の「あげます」「くれます」「もらいます」の違いについて見ていきましょう!

 

【あげます】

一言で英語に翻訳するならGiveになるでしょうが、日本語の「あげます」はもう少しルールがあります。

先に例文をいくつか見てみましょう。

Sample1 友達の誕生日にフランスのワインをあげました。

Sample2 このお土産は母にあげるつもりです。

Sample3 今度友達が結婚するんですが、何をあげたらいいと思いますか?

Sample4 入院している人にその花をあげるのはちょっと…。

Sample5 もうすぐお子さんの誕生日ですね。何かプレゼントをあげるんですか。

 

「あげます」の文では、主語に注目してみましょう。

Sample1~Sample3の文で、「あげます」のアクションをしたのは誰でしょうか。

「私」ですね。

このように、「あげます」の文では「私」が主語になることが多いです。

 

その理由は、日本語の特徴「ウチ」と「ソト」という文化が関係しているからなんです。

●「ウチ」と「ソト」って何?

日本語では、自分により関係が近い人間を「ウチ」、自分から関係が遠い人間を「ソト」と認識して言葉を使い分けています。

 

下の4つで比べてみましょう。この4つの選択肢を自分から関係が近い順番に並べ替えてください。

・家族 ・友達/同僚 ・自分 ・しらない人/友達の友達

 

上の4つを並べ替えると、

①自分 → ②家族 → ③友達/同僚 → ④しらない人/友達の友達

 

このような順番になるのが分かりますか?

自分はもちろん自分に一番近い人間ですね。

そのあと、血のつながりがある家族、それから友達、そして一番遠いのは知らない人ですよね。

これが「ウチ」と「ソト」です。

自分により近い人を「ウチ」、遠い人を「ソト」と考えます。

先ほどの番号で言うなら、番号が小さい方(①に近い方)が「ウチ」になり、番号が大きい(④に近い方)が「ソト」になります。

 

「あげます」という動詞は、「ウチ」→「ソト」の方向に物が移動した時に使います。

つまり、「私」→「母」であれば、「私」が「ウチ」、母が「ソト」ですから、

・(私は)母に手袋をあげました。

という文になるわけです。

 

反対に、「母」→「私」というように物が移動したのであれば、「母(ソト)」→「私(ウチ)」になりますので、「あげます」という動詞は使えません。

×母は私にハンカチをあげました。

 

「あげます」という動詞は、このように「ソト」の人が「ウチ」の人に物を渡した時には使えないのです。

他にも…

×友達が私の弟にチョコレートをあげました。

(私から見て、友達は「ソト」、弟の方が「ウチ」)

 

×今日、知らないおばあさんが、私にティッシュをあげました。

(私が「ウチ」、しらないおばあさんは「ソト」)

 

それでは、↑これらの文を言いたいときは、どうしたらいいのでしょうか。

 

【くれます】

先ほど、「ウチ」→「ソト」の物の移動は「あげます」を使うと言いましたね。

その逆の「ソト」→「ウチ」の物の移動には、「くれます」を使います。

 

Sample1 友達が私の弟にチョコレートをくれました。

Sample2 今日、知らないおばあさんが、(私に)ティッシュをくれました。

Sample3 この時計は、誕生日に母がくれました。

Sample4 え!部長がこんな良いワインくれたの?いいな~。

「くれます」は、「ソト」(自分から遠い人)から「ウチ」(自分から近い人)へ物が移動する時に使います。

主語は「ソト」の人になりますので、「私が~くれました。」という文はできません。

× 私は、父に旅行用のかばんをくれました。

(私が「ウチ」、父が「ソト」)

 

× 母は、友達にクッキーをくれました。

(私から見て母は「ウチ」、友達は「ソト」)

 

【もらいます】

「もらいます」は、Receiveの意味ですね。

「ウチ」の人が、「ソト」の人から物を受け取った時に使います。

「ウチ」←「ソト」という物の移動ですね。

物の移動の方向を見ると、「くれます」に似ていますが、「もらいます」は、物の受け手に注目した文なので、受け取った人が主語になります。

 

Sample1 (私は)兄に自転車をもらいました。

Sample2 このゲームは、去年友達にもらったんです。

Sample3 弟は、親戚のおじさんにお年玉をもらったらしい。

Sample4 そのかばん、彼氏さんにもらったんですか!10万円はしますよ!

 

「もらいました」は、物の受け手が主語になりますね。

また、受け手(主語)は「ウチ」の人になります。

ですから下のような文は使えないので注意しましょう。

× 妹は、私に服をもらいました。

(私から見て、妹は「ソト」、私は「ウチ」)

 

× 部長の奥さんは、部長にネックレスをもらったそうです。

(私から見て、部長の奥さんは「ソト」、部長はより近い人なので「ウチ」です)

 

 

今日のまとめ

今日は、「あげます」「くれます」「もらいます」の違いについてお話しました。

まとめてみると…

【あげます】  「ウチ」→「ソト」 私は、姉に本をあげました。

【くれます】  「ソト」→「ウチ」 父は、私にパソコンをくれました。

【もらいます】 「ウチ」←「ソト」 私は、父にパソコンをもらいました。

このようになりますね。

でもやっぱり複雑だ!難しい!と思う方は、文を作って、その文を丸ごと全部覚えてしまいましょう。

それから、日本語の簡単な本を読んでみましょう!

コンテクストがあるともっと覚えやすくなりますよ!

それでは、今日はここまでにしましょう!

また、次回のブログで!