家族を呼ぶ言葉を覚えましょう / 日本語Lv.Start
日本語の家族の言葉を覚えましょう
今回のブログでは家族(ファミリー)の人をどう「呼ぶ」のか勉強します。
自分の家族について紹介する時や、話し相手の家族について聞く時などにも基本的な事柄ながら単語にバリエーションがあって「どうしよう!」と迷ってしまうことが案外に多くありますね。
これから日本語の勉強を始める初心者の方にも、復習としてこちらの記事をお読みになる方にも、皆様の日本語の実戦(会話)に役立つ知識を発見していただければ幸いです。
●読みにくかったら、このページの英語版や中国語版など他の言語への翻訳版にして読んでみてくださいね。ページ右上のボタンで表示する言語を選択できますよ。
●「家族の言葉」は全部、声に出して読んでみてくださいね。自分の話す日本語の単語が伸びやかな声を伴って気持ちよく響いていたらOKです。
〈参考〉「家族の言葉」には全て[拍の数]と、発音ガイドを付記しました。
例:お父さん「おとうさん」[5]:o to o sa N
↑① ↑②
①[拍]・・・日本語を発音するためのビート、ドラムを叩いたりキータイピングをするように一音ずつをはっきりと話しましょう。
②:発音ガイド・・日本語を話す時の音の種類を一音ずつアルファベットで表記しました。子音と母音の組み合わせが基本です。つまりひらがなの一つで表される音です。※難しい発音や前後の音に左右される特殊な発音は、まず本日の練習では忘れてはっきりと気持ちよく「家族の言葉」を口に出してみましょう。美しい日本語は、よく響く大きな声から始まります。
●誰のことを「呼んでいる」のか、練習している「家族の言葉」が指し示す対象となる人をいつも具体的にイメージして練習してくださいね。単語に対して強い記憶を作ることに役立ちますし、リアルな雰囲気(ニュアンス)が発音の中に生まれて自然に良い日本語の発声に近づくことができると思います。一部の「家族の言葉」には会話例を添えました。読む時には自分の声に耳を澄ましましょう。正しい〈文の意味〉を伴って聞こえてくれば美しい日本語を話せていると思います。
〈目次〉日本語の「家族の言葉」を覚えましょう
①自分の家族と話す時
お父さん、お母さん、お祖父さん、お祖母さん、伯父さん(叔父さん)、伯母さん(叔母さん)、兄弟姉妹、子供たち
②自分の家族を紹介する時
父、母、祖父、祖母、伯父(叔父)、伯母(叔母)、兄、姉、弟、妹、息子、娘
③相手の家族について聞く時
お父さん、お母さん、お祖父さん、お祖母さん、伯父(叔父)さん、伯母(叔母)さん、お兄さん、お姉さん、弟さん、妹さん、息子さん、娘さん
④配偶者について
夫、妻、etc.
①自分の家族と話す時
お父さん「おとうさん」[5]:o to o sa N
↑※男親です。
お母さん「おかあさん」[5]:o ka a sa N
↑※女親です。
お祖父さん「おじいさん」[5]:o ji i sa N
↑※お父さんの男親 / お母さんの男親
お祖母さん「おばあさん」[5]:o ba a sa N
↑※お父さんの女親 / お母さんの女親
伯父さん(叔父さん)「おじさん」[4]:o ji sa N
↑※親の兄(親の弟)です。
伯母さん(叔母さん)「おばさん」[4]:o ba sa N
↑※親の姉(親の妹)です。
●以下に兄弟姉妹について考えます。
自分の兄弟姉妹は名前で呼ぶことが一般的でしょうか。
例として〈一郎〉という名前の兄弟がいる場合は、
一郎「いちろう」[4]:i chi ro u
以下のように「君」を名前のあとにくっつけて、ただ名前だけで呼ぶより、もう少し優しく、そして家族への敬意を込めて呼ぶこともできます。
一郎君「いちろうくん」[6]:i chi ro u ku N
※とてもフレンドリーに優しさと親しさを込めた呼び方も出来ますよ。
⇒一郎ちゃん「いちろうちゃん」[6]:i chi ro u cha N
姉妹の場合には〈京子〉という女の子を例にして考えてみましょう。
京子「きょうこ」[3]:kyo o ko
姉妹へのフレンドリーな敬称には’ちゃん’をつけましょう。
◯〈名前〉+ちゃん ✘〈名前〉+君(くん)
京子ちゃん「きょうこちゃん」[5]:kyo o ko cha N
[注]年上のブラザー、シスターに対してはそのまま「家族の言葉」で呼んでもOKです。
お兄さん「おにいさん」[5]:o ni i sa N
お兄ちゃん「おにいちゃん」[5]:o ni i cha N
↑※年上のブラザー
お姉さん「おねえさん」[5]:o ne e sa N
お姉ちゃん「おねえちゃん」[5]:o ne e cha N
↑※年上のシスター
●子供たちを呼ぶ時も名前で呼ぶことが一般的です。親のあなたが可愛いニックネームを考えてあげたいですね。
以下、例えばの例です。
雅也(まさや)君、男の子の場合
→マー君「まあくん」[4]:ma a ku N
優香(ゆうか)ちゃん、女の子の場合
→ゆーちゃん「ゆうちゃん」[4]:yu u cha N
「マー」「ゆー」のように言葉を伸ばすと可愛らしい響きが生まれますね!※言葉を伸ばすとは母音を長い息で発声するということです。
②自分の家族を紹介する時
誰かに、自分の家族のことを話す時はウチ-ソト(内外)の関係を意識して丁寧な日本語を使いましょう。「家族の言葉」で身内の人間を呼称する時も単語の在り方として同様の基準に沿います。
父「ちち」[2]:chi chi
母「はは」[2]:ha ha
祖父「そふ」[2]:so fu
祖母「そぼ」[2]:so bo
伯父(叔父)「おじ」:o ji
伯母(叔母)「おば」:o ba
例:父は銀行に勤めています。
例:母は今年で55歳になります。
例:祖父も祖母も実家で元気に暮らしています。
例:伯父(叔父)は会社を退職して以来、毎日が日曜日の生活をしているそうなんです。
例:伯母(叔母)は猫が大好きなんですよ。
●兄弟姉妹、また自分の子供達にも同様です。かしこまった「家族の言葉」には短い呼称が多いですね。
兄「あに」[2]:a ni
姉「あね」[2]:a ne
弟「おとうと」[4]:o to o to
妹「いもうと」[4]:i mo o to
息子「むすこ」[3]:mu su ko
娘「むすめ」[3]:mu su me
例:兄は大学院で人工知能の研究をしています。
例:姉は今年の春、東京の上場企業に就職しました。
例:弟は漫画とゲームが好きで、全然運動しないから少し心配しているんです。
例:妹は毎日サッカーで汗だくになって帰ってくるんですよ。
例:おかげさまで息子も3歳になりました。
例:娘には毎日心配させられて参りますね。まったくお転婆で・・・。
※お転婆・・・エネルギッシュな女の子、活動的でアグレッシブな行動を好む
③相手の家族について聞く時
誰かの家族について話す時には丁寧な「家族の言葉」で敬意を込めて話しましょう。話す人も聞く人も気持ちよく会話ができたら素晴らしい勉強の成果だと思います。
お父さん「おとうさん」[5]:o to o sa N
お母さん「おかあさん」[5]:o ka a sa N
お祖父さん「おじいさん」[5]:o ji i sa N
お祖母さん「おばあさん」[5]:o ba a sa N
伯父(叔父)さん「おじさん」[4]:o ji sa N
伯母(叔母)さん「おばさん」[4]:o ba sa N
お兄さん「おにいさん」[5]:o ni i sa N
お姉さん「おねえさん」[5]:o ne e sa N
例:お祖母さんはお元気ですか?
例:お兄さんがご結婚なさるそうですね。おめでとうございます。
自分の家族に話しかける時と同じですね。相手の家族を大切だと思って話せば共感が生まれるものです。〈丁寧であること〉〈敬意を込める〉とはつまり、当たり前のマナーの別名に違いありませんね。
●相手の「家族の言葉」には年若い人たちにも気遣いをして呼称しましょう。
弟さん「おとうとさん」[6]:o to o to sa N
妹さん「いもうとさん」[6]:i mo o to sa N
息子さん「むすこさん」[5]:mu su ko sa N
娘さん「むすめさん」[5]:mu su me sa N
例:弟さんはおいくつになりましたか?
例:娘さんが外務省に就職なさるんですか!素晴らしいですね。
④配偶者について
「配偶者」とは結婚相手である人のことです。つまり、夫から見た「妻」であり、妻にとっての「夫」です。
※ここでは男性(夫)と女性(妻)が結婚したとします。
場面を分けて、以下に考えます。
1) 自分の配偶者に声をかける時、日本語でどう呼ぶべきか?
ーA:最も一般には名前(もしくは愛称)でしょうか。敬称の「さん」「君(くん※)」をつけても良いと思います。
例(妻から夫へ):太郎君「たろうくん」[5]:ta ro o ku N
例(夫から妻へ):花子さん「はなこさん」[5]:ha na ko sa N
このような具合です。では、Q:名前以外にも一般的な呼び方がありますか?
A:そうですね。夫を呼ぶ時に「あなた」という言葉もよく用いられますね。
例(妻から夫へ):貴方「あなた」[3]:a na ta
例:お帰りなさい。あなた、今日は遅かったわね。
例:あなた、日曜日だからって寝てばかりいないで掃除手伝って!
2)自分の配偶者について、誰かに話す場合
●女性が<配偶者の男性>を呼ぶケースでは以下が一般的な呼称です。
主人「しゅじん」[3]:shu ji N ※フォーマルな言葉で広く様々な場面で推奨されます。
例:主人と知り合ったのは大学のゼミでした。
夫「おっと」[3]:o t to [※良い言葉だと思います。]
例:夫は三歳年上です。
※少し柔らかい言葉で以下もよく耳にします。
旦那「だんな」[3]:da N na
例:うちの旦那は家事を全然手伝ってくれない。
※もう一つ、かなり柔らかい言い方です。
⇒うちの人「うちのひと」[5]:u chi no hi to
例:うちの猫はどうしてだか、毎晩うちの人の布団で寝ちゃうんですよ。
●男性が<配偶者の女性>を呼ぶケースでは以下が一般的な呼称です。
妻「つま」[2]:tsu ma
例:今日は妻の誕生日ですので、(少し早いですが)もう帰ります。
※少し柔らかい言葉の使い方になりますが、以下もよく耳にする呼称ですね。若い世代に使われるケースが多いでしょうか。
嫁「よめ」[2]:yo me
例:うちの嫁が今度オーストラリアに留学したいって言うんだ。
例:うちの嫁の味噌汁は日本一美味しい。
※古いドラマや本によく出てきますが「お前(おまえ)」は前時代的ですから、今の人は避けたほうが無難でしょう。
3)相手の配偶者を話題にする場合の呼び方
敬意を込めて呼称しましょう。丁寧な言葉づかいなら、きっと会話も楽しく弾みますよ。
●女性の話し相手に対して、<パートナーの男性配偶者>を呼称する
ご主人「ごしゅじん」[4]:go shu ji N
例:ご主人はお元気ですか?
●男性の話し相手に対して、<パートナーの女性配偶者>を呼称する
奥様「おくさま」[4]:o ku sa ma
例:奥様は近頃どうなさっていますか?
例:奥様が[趣味]のお教室を始められたそうですね。素晴らしいですね。※[趣味]=フラワーアレンジメント、油絵、水彩画、ビーズアート、刺繍、手作り雑貨、等<置換語>
今日の勉強はこれで全てです。
日常的な会話の中でよく話題に取り上げる家族とその構成者を対象に、一般的だと思われる「家族の名前」の呼び方を取り上げて、単語の知識をおさらいしました。
基礎の語彙の学習に、また復習や普段の日本語活動における確認として楽しんでお読みいただけましたら嬉しい限りです。
広く日本語の世界を眺めれば「親父」「お袋」といったラフに聞こえる言葉から(※自分自身への呼称「俺」と対応するイメージと考えると分かりよいでしょうか)、「父上」「ご尊父」「ご母堂」のように或る特殊な丁重さを備えて話すための言葉まで、場面や状況にもよって大変数多く豊かな語彙が存在します。
それぞれに相応しい時と場があり、またその言葉でなければ表現できない話者の心模様や文脈的整合性があるものですので日本語の勉強と生活を続けるうちに出会った言葉にはその都度ご自身の言葉の知識を増やして、是非チャンスの際には積極的に使ってみてくださいね。
まずは基本的なボキャブラリーをしっかりと把握しましょう。そして言語知識で日本語のスキルにどんどん磨きをかけていってください。
日本語で会話したり、本を読んだ経験そのものが(有意義な「時間」として)あなたの言葉の知識と技能になってくれるはずです。
私たちJLSは海外からお越しの皆様の豊かで充実した毎日とキャリアアップを応援いたします。
本日の記事もお読みいただき誠にありがとうございました。