踊るガイコツを読んでみましょう!part2/日本語ラーニングサポートLLC
踊るガイコツというお話を読んでみましょう。
前回はpart1をご紹介しましたので、今回はpart2です!
前回のあらすじ↓
六兵衛と七兵衛という仲の良い二人の男がいた。六兵衛は真面目だったが、七兵衛は怠け者だったので、町へ仕事をしに出たあとも七兵衛はなかなかお金が貯まらなかった。村に帰る日、七兵衛は六兵衛を橋から落として、六兵衛のお金を自分のもににしてしまう。それから1年後、また七兵衛はお金稼ぎに町へ向かうが、その途中でガイコツに会い…
「踊るガイコツ」part1を全部読みたい方はこちらから↓
https://nihongojikan.jp/blog/20240811-4296/
「踊るガイコツ」part2
ガイコツ:「七兵衛……!」
※ガイコツ…骨になった死体
七兵衛 :「どうして、俺の名前を知ってるんだ!」
ガイコツ:「ははは、おいらは六兵衛だよ。」
七兵衛 :「え?なんだって?お前が六兵衛?」
ガイコツ:「そうだよ。俺があの六兵衛だよ。お前、また町へ出て稼ぎに行くんだな?それなら、おいらも連れてってくれ。ガイコツのおいらがみんなの前でダンスするから、それで金儲けしたらいい。」
七兵衛は、最初どうしたらいいのかわかりませんでしたが、とうとうガイコツを風呂敷に包んで町までいきました。
町に着くと、七兵衛は風呂敷を広げ、ガイコツを出しました。
ガイコツ:「さあ、客を集めな。」
七兵衛 :「これは世にも珍しいガイコツの踊りだぞー!!見て行かんかね?」
しばらくするとお客さんがぞろぞろ集まってきました。
六兵衛ガイコツはカタカタと上手な踊りを見せました。
これがお客さんに大変好評で、たくさんお金を稼ぐことができました。
七兵衛は稼いだお金を数えて、満足そうに言いました。
七兵衛 :「いや~こんなに稼げるとはな~。村に帰って村の人たちにも見せたいなぁ。きっと人気者になれるぞ。」
こうして、七兵衛はまた風呂敷にガイコツを包むと、村へ急いで帰っていきました。
七兵衛は、村に戻ると村のみんなに言いました。
七兵衛 :「おーい!!みんなに面白いものを見せたいんだ!」
村人 :「おお、七兵衛が帰ってきたか。面白いものってなんだ?」
七兵衛 :「世にも珍しいガイコツの踊りだよ!さあさあ、みんな集まったかい?」
七兵衛は、村人みんなを集めて、ガイコツの踊りを見せました。
六兵衛ガイコツはカタカタとまた踊り出し、村人は、これはすごいと目を丸くして驚きました。
すると、突然ガイコツがピタッと止まり、大声で言いました。
ガイコツ:「おいらが一年前に橋から落ちた六兵衛だよ。あれは、本当はこの七兵衛に突き落とされたんだ。」
ガイコツは、一年前にあの橋であったことを話しました。
村人 :「な、な、なんだって?七兵衛が突き落とした?」
ガイコツ:「そうだよ。それで、おいらの金もお土産も全部自分のものにしたんだ!」
村人 :「そうだったのか!!やっぱりな。怠け者だった七兵衛があんなにたくさんお金を持って帰ってくるなんて、おかしいと思ったんだ!」
村人たちは怒って、七兵衛を叩いたり蹴ったり…
七兵衛 :「ゆ、許してくれー!!」
村人たちは、泣いている七兵衛を警察のところへ連れていきました。
いかがでしたか。
ガイコツになった六兵衛が七兵衛に仕返しするお話でした。
楽しんで読んでいただけましたか。
それでは、ここからは本文の中に出てきた日本語文法を少し解説します。
「お客さんを集める」
「お客さんが集まる」
この二つの文は何が違うのでしょうか。
本文では、
①【集める】 ガイコツ:「さあ、客を集めな。」
②【集まる】 しばらくするとお客さんがぞろぞろ集まってきました。
このように使われていました。
違う部分を見てみましょう。
まずは、動詞が違うことに注目しましょう。
①では「集める」、②では「集まる」が使われています。
これは、同じ動詞の活用形ではなく、違う動詞です。
ですので、例えばて形に活用する時はそれぞれ「集めて」「集まって」と別の形になるのです。
①の「集める」は他動詞と呼ばれ、②の「集まる」は自動詞と呼ばれています。
他動詞は、誰かが手を加えて何かを変化させる、何かを処理すると言った意味があります。
例)私はお客さんを集める。
「集める」は私のアクションです。何を集めるのか?お客さんです。
【誰が?】私 【何を?】お客さん 【どうする?】集める
という構成になります。
自動詞は、そのもの自体、その人自体が変化する、その状態になるという時に使います。
例)お客さんが集まる。
「集まる」というのはお客さんのアクションです。
【誰が?】お客さん 【どうなる?】集まる
このような構成になります。
次に助詞を見てみましょう。
先ほど言った通り、他動詞は誰かが何かに手を加えて変化させる、処理するという意味がありますので、そのターゲットには「を」を使います。
自動詞は、そのもの本体、その人本人がするアクションなので、「を」がありません。「が」を使います。
他動詞「つける」、自動詞「つく」という単語を使って見てみましょう。
(私が)電気をつける。
電気がつく。
じゃあ、具体的にどんな時に他動詞、自動詞を使うのか例をみましょう
他動詞「つける」
A:この部屋暗くない?
B:そうだね。電気つけてくれる?
A:はい!つけたよ!
自動詞「つく」
A:あ、この家の玄関の電気、自動でつくんだ!
B:そうそう。センサーがあって、人が通ると電気がつくの。
こうしてみると分かりやすいですね。
他動詞の場合は、Bさんが電気のスイッチを押して、電気をつけましたね。
自動詞は、AさんもBさんも何もしていないのに、自動で電気がオンになりました。このように、自動で~になる、自分で~するという時に、自動詞を使います。
いかがでしたか。
本日は「踊るガイコツ」part2と、他動詞自動詞についてお話しました。
皆さんの日本語学習のお役に立てていれば幸いです。
まだまだ暑いですが、この夏も元気に勉強に励みましょう!
それでは、また次回のブログで!