踊るガイコツというお話を読んでみましょう!part1/日本語ラーニングサポートLLC
踊るガイコツ というお話を読んでみましょう。
最近暑い日が続きますので、夏にぴったりな怖い話をご紹介します。
日本語でお話を読んで、日本語力をレベルアップさせましょう!
このお話は少し長いのでpart1、part2に分けてご紹介します。
今回はpart1です。それでは、お話をお楽しみください。
「踊るガイコツ」part1
ある村に、六兵衛(ろくべえ)と七兵衛(しちべえ)という仲の良い二人の男が住んでいました。
村はとても小さく、いい仕事もないので、二人は町に出て仕事をすることにしました。
六兵衛は町で毎日よく働きましたが、七兵衛は怠け者で毎日遊んで暮らしていました。
3年経ったある日、六兵衛と七兵衛はそろそろ村へ帰ろうということになりましたが、七兵衛はお金がなく、お土産も買えないほどでした。
六兵衛 :「大丈夫だ。おいらがお前の分の土産も買ってやるからよ。」
七兵衛 :「おう、ありがとうよ。」
こうして、二人は山の中を歩いて、村へ帰りました。
帰る途中、一本の細い丸太橋がありました。
六兵衛 :「おい、ここを渡るのか?」
七兵衛 :「そうだな。この道しかないみたいだ。お前、先に行ってくれよ。お前の荷物は俺が持ってやるからよ。」
こうして、六兵衛が先に丸太橋を渡ることになりました。
六兵衛がそろりそろりと橋を渡っていると、七兵衛が後ろからついてきて、ドン!と六兵衛を突き飛ばしてしまったのです。
六兵衛は、谷の底に落ちていってしまいました。
七兵衛は、六兵衛が持っていたお金やお土産を自分のものにして、村へ持って帰りました。
七兵衛 :「おーい、帰ってきたぞー!」
村人 :「おお!七兵衛が帰ってきた!あれ?六兵衛はどうした?」
七兵衛 :「それが…うぅ…うぅ…、帰る途中で足を滑らせて橋から落ちて…」
七兵衛は、みんなに嘘をつきました。
1年後…
七兵衛は、六兵衛から取ったお金も使い果たしてしまい、また町へ行って仕事を探すことにしました。
山の中を歩いていると、またあの丸太橋のところへやってきました。
すると、後ろからガタガタガタガタ…
七兵衛 :「ん?」
七兵衛が後ろを振り返ると、そこにはガイコツが立っていました。
※ガイコツ…骨だけになった死体
ガイコツ:「うぅ…七兵衛…」
七兵衛 :「ぎゃあーーー!!ガイコツが喋った!!」
七兵衛は走って、橋を渡りました。
しかし、ガイコツはついてきます。
ガイコツ:「七兵衛……!」
七兵衛 :「どうして、俺の名前を知ってるんだ!」
ガイコツ:「ははは、おいらは六兵衛だよ。」
七兵衛 :「え?なんだって?お前が六兵衛?」
ガイコツ:「そうだよ。俺があの六兵衛だよ。お前、また町へ出て稼ぎに行くんだな?それなら、おいらも連れてってくれ。ガイコツのおいらがみんなの前で踊りを見せるから、それで金儲けしたらいい。」
さて、七兵衛はどうなるのでしょうか。
続きは、part2をお楽しみに!
いかがでしたか。
夏にぴったりの少し怖いお話ですね。
さて、ここからは、本文に出てきた日本語文法についてお話しようと思います。
今回ご紹介するのは、「~んです」という文法です。
「~んです」という文法は、色々な使い方がありますので、今回は「~んですか」という質問の形に絞ってお話します。
七兵衛 :「どうして、俺の名前を知ってるんだ!」
七兵衛は、ガイコツに名前を呼ばれてこう言いましたね。
この文で「んですか」を使わないとどうなるでしょうか。
・どうして俺の名前を知っている?
こうすると文法的には正しいのですが、少し不自然な感じがします。
では、「んですか」にはどんな使い方があるのでしょうか。
①驚いている気持ち、説明してほしい気持ちを表す
これは、七兵衛が言った「どうして知っているんだ!」の使い方です。驚きの気持ち、どうして知っているのか説明してほしいと思っているんですね。
②見たり、聞いたりしたものを確認する
例えば、友達が大きなスーツケースを持っていたら、あれ?いつもと違うなぁと思いますよね。そんなときにこうやって確認します。
・あれ?旅行にいくんですか?
また、Aという友達に、Bという友達が結婚したという話を聞きました。それをBさんに直接確認する時にはこういいます。
・Aさんから聞きましたよ!結婚したんですか?
③興味がある時
例えば旅行に行く友達がいます。いつ?誰と?どこへ?色々聞きたいことがあります。
・いつ行くんですか?
・誰と行くんですか?
・どこへ行くんですか?
このように、興味があること、もっと知りたいと思ったときこのように質問することができます。
④どうしたんですか?
事情、状況を詳しく説明してほしい時は、「どうしたんですか」を使います。
例えば、友達がカバンの中のものを出して何かをしています。
そんな時は、このような会話ができます。
・どうしたんですか?…鍵がないんです。
「んですか」には以上4つの使い方があります。
「んですか」が使えると、ただの質問ではなく、興味がある、説明してほしいなどニュアンスを入れることができ、日本語が一気に自然になります。
是非皆さんも「んですか」の使い方をマスターして、日本人とたくさん会話してみましょう!
本日は、「踊るガイコツ」part1と「んですか」の使い方についてお話しました。
また次回のpart2もお楽しみに!