される てもらうの違いは何でしょう?/日本語ラーニングサポートLLC

2024/08/09 ブログ

される てもらう の違いは何でしょう。

本日は、「~される」と「~てもらう」という二つの日本語文法の違いについて一緒に考えていきましょう。

例文を出しながら、解説しますので、是非最後まで読んでみてくださいね。

 

まずこちらの二つの例文を見てください。

・部長に仕事が遅いと注意された。

・部長にビジネスマナーについて注意してもらった。

 

「注意された」「注意してもらった」はどんな違いがあるのでしょうか。

早速見ていきましょう。

 

今日のメニュー

1、「~される」は他の人のアクション、ネガティブな気持ちも多い

2、「~てもらう」はありがとうの気持ち

3、今日のまとめ

 

 

1、「~される」は他の人のアクション、ネガティブな気持ちも多い

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Sample1 友達にパソコンの中を見られました。

Sample2 お母さんに雑誌を捨てられちゃったんだよ。

Sample3 今日も先生に怒られました。

Sample4 お兄ちゃんに殴られた!

 

「~された」は、相手の行動を客観的に言う時に使います。

基本的に「私」が主語になるので、主語を省略して(言わないで)話すことが多いです。

・今日も(私は)先生に怒られました。

怒るというのは、先生のアクションです。

「私」について言う時は、受身形を使って、「怒られた」となります。

 

受身形を使って話すと、ネガティブな意味になることも多いです。

特に、Sample1、Sample2 のような

・友達にパソコンの中を見られました。

・お母さんに雑誌を捨てられました。

目的語「~を」が入っているパターンでは全てネガティブな意味になります。

他にも

・知らない人に足を踏まれた。

・カバンを盗られました!

などがあります。

 

Sample3、4のように「~を」という目的語が入っていない時はどうでしょうか。

その場合はニュートラルなので、コンテクストを見ないとネガティブがポジティブか分かりません。

一般的に、「注意する」「怒る」「叱る」などの言葉についているときはネガティブな意味に聞こえるでしょう。

しかしこんな使い方もありますよ。

・今日、先生に褒められた!

・友達に新しい髪型が可愛いって言われた!

 

このように、使う動詞や組み合わせる語彙によってはポジティブになることもあります。

 

また、受身文を学習する際に、こんな疑問が出てくるかもしれません。

①「お母さんに雑誌を捨てられました。」

②「お母さんは私の雑誌を捨てました。」

 

この二つは同じ??

雑誌を捨てたというお母さんのアクションは同じですが、この二つの文は使い方やニュアンスが違います。

一般的なシチュエーションで考えると、①の方が自然で、②の文はほとんど使いません。

例えばこのような会話…

(AとBは友達)

A:最近、学校の成績が落ちちゃって…

B:えー、そうなの?どうして?

A:テストの前もゲームやったり、雑誌読んだりで全然勉強しなかったからかな~

B:あらら、それはいけないね。

A:それで、お母さんに雑誌を全部捨てられちゃって

B:あーあ、怒られたんだね…

 

この会話を見てみると、AさんもBさんも話しているトピックはAさんについてです。

ですから、Aさんが急に「お母さんは私の雑誌を捨てました。」というと、トピックが「お母さん」になってしまい、不自然になってしまうのです。

このように、一般的には日本語で人の話をする時は、自分がトピックになる場合が多く、「私は~と言いました。そのあと、お母さんは~と言いました。だから私は怒りました。」のようにトピックが何度も変わると変な感じがします。

 

 

 

2、「してもらった」はありがとうの気持ち

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Sample1 お母さんに服を洗濯してもらった。

Sample2 先輩に仕事を手伝ってもらいました。

Sample3 先生にレポートを見てもらいました。

Sample4 友達にタイ語を教えてもらった。

 

「~てもらう」は、相手のアクションに対して話し手がありがとうと思っている時に使います。

ネガティブな気持ちはなく、話し手にとって相手の行動にメリットがある時ですね。

「~される」と似ている部分は、動詞のアクションをするのは相手だというところです。

・(私は)先生にレポートを見てもらいました。

「見る」というアクションは先生がしますね。

 

それでは、この文はどうでしょう。

・先生が私のレポートを見ました。

「~てもらった」をつけないで言うと、感謝の気持ちがなく、少し失礼な印象を与えます。

また、「~される」の説明でもお話しましたが、この場合は「私」を主語にした方が自然です。

 

 

 

3、今日のまとめ

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ここで、最初の二つの文を見てみましょう。

・部長に仕事が遅いと注意された。

・部長にビジネスマナーについて注意してもらった。

 

もう皆さんはこの二つの違いが分かりますね。

一つ目の文は部長のアクションについて話していて(ネガティブな意味も少し入っている)、二つ目の文には注意してもらったことが嬉しい、感謝しているという意味が入っていますね。

同じ動詞でも話し手の気持ちによって使う文法が違うので、皆さんも意識して使ってみてくださいね。

 

それでは今日はここまで!

また次回のブログでお会いしましょう!