スイカ泥棒というお話を読みましょう。/日本語ラーニングサポートLLC
スイカ泥棒というお話を読みましょう。
2024年も夏がやってきて、スイカがおいしい季節になりましたね。
今回は、スイカに関する日本語のお話を読んでみましょう!
今年も暑いですから、フルーツや水分をしっかり補給して、健康に気をつけて過ごしましょうね。
それでは、「スイカ泥棒」読んでみましょう!
「スイカ泥棒(どろぼう)」
昔々、吉四六(きっちょむ)さんという頭の良い人がいました。
季節は夏、吉四六さんの村では、村人はたくさんのスイカを作っていました。
しかし、最近は夜になるとスイカを盗むスイカ泥棒がいると村で噂になっていました。
村人:「誰だ!俺たちの大事なスイカを盗んでいくヤツは!」
村人たちは、自分のスイカを盗られ、怒っていました。
そこで、村人たちはスイカ泥棒を捕まえるため一晩中スイカ畑を見張ることにしました。
村人:「よーし。ここでずっと見ていれば、泥棒がやってくるだろう。」
ですが、翌朝畑を見てみると…
村人:「あれ!?スイカがなくなってる!」
何日か経って、吉四六さんの畑もとうとうスイカ泥棒に入られてしまいました。
村人:「いや~、とうとう吉四六の畑もやられたか。」
吉四六:「本当に困ったよ。どうしたら良いものか…」
吉四六さんは、その日一日畑で仕事をしながら、いい方法を考えました。
そして、その夜…
吉四六:「そうだ!これだ!!」
吉四六さんは、ワラの人形を作ると、その人形に自分の服を着せて、帽子をかぶせました。
そして、畑の真ん中にその人形を置きました。
村人:「おい、吉四六!何してるんだい?」
吉四六:「これで、スイカ泥棒を追い払うんだよ。」
村人:「そんな、ボロボロのかかしで、泥棒が怖がるか?カラスだって逃げないぞ。」
吉四六:「大丈夫だよ。カラスより頭の悪い人間もいるんだからさ。」
村人たちは、吉四六さんの手作りのかかしを馬鹿にしました。
村人:「吉四六のやつ、頭がいいんだか、悪いんだかわからないな。あんなので怖がる人間はいないだろう。」
※かかし…カラスなどの動物が畑の野菜を食べないように立てておく、ワラで作った人形
そして夜…
村人たちは、いつもの通り、自分の畑の横で寝ないでスイカを見張っていました。
村人:「やっぱり、吉四六はいないな。家でもう寝ているんだ。明日の朝、スイカが全部なくなっていても知らないぞ。」
今夜は、月も見えないので辺りはもう真っ暗です。
夜中の1時ごろ、暗闇の中に二人の泥棒が現れました。
泥棒①:「よし!今日もスイカをたくさんいただくぞ。しっしっし。」
泥棒②:「この村の人たちは、みんなどんくさいから、簡単に盗めるよな。」
こうして、二人の泥棒がスイカ畑の中に入っていきました。
泥棒①:「おい、見てみろ。こんなところにボロボロのかかしが立ってるぞ。」
泥棒②:「ははは。こんなので驚くやつがいるか?カラスでも逃げないぜ?」
泥棒たちは、吉四六さんのかかしを笑いながら、大きなスイカを探し始めました。
すると…
ポカっ!ポカっ!
誰かに頭を叩かれました。
泥棒①:「痛いな!何するんだ!」
泥棒②:「お前だって!俺の頭を叩いているだろう!」
泥棒①:「叩いてないよ!お前が叩いているんだろう!」
二人は、ゆっくり後ろを振り返りました。
かかし:「はっはっはっはー!」
泥棒①:「ぎゃーーーーー!かかしが動いたーーー!」
泥棒②:「かかしのおばけだーーーー!」
泥棒たちは、大きな声を上げて逃げていきました。
かかし:「よし、泥棒を追い払ったぞー!」
村人:「ん?この声は…?」
かかしだと思っていたのは、なんと吉四六さんでした。
吉四六さんはみんなが見ていない時に、こっそりかかしと入れ替わっていたのです。
村人:「吉四六!すごいぞ!」
吉四六:「ははは。これで、この村のスイカももう盗まれないぞ。」
吉四六さんは笑って言いました。
いかがでしたか。
夏にぴったりな「スイカ泥棒」というお話でしたね。
それでは、本文の中に出てきた表現を一つご紹介したいと思います。
「吉四六さんはみんなが見ていない時に、こっそりかかしと入れ替わっていたのです。」
「こっそり」ってどういう意味でしょうか。
ここから「こっそり」の使い方をご紹介しますね。
まずは、例文を見てみましょう。
Sample1 泥棒は、夜こっそり畑に入ってスイカを盗んだ。
Sample2 弟は、お母さんが料理をしている間にこっそりお菓子を食べていた。
Sample3 私の友達は、彼氏のスマホをこっそり見たらしい。
Sample4 クリスマスの夜、お父さんとお母さんが子供のまくらの横にこっそりプレゼントを置きました。
「こっそり」は、誰かに見られないように、隠れて~するという意味です。
泥棒がお昼に、畑に入ってスイカを盗っていたら、みんなに見つかって、捕まってしまいますよね。
ですから、泥棒は夜、誰にも見られないようにして、畑に入りますよね。
これが、「こっそり~する」です。
何か悪いことをする時、見つかったら誰かに怒られるだろうなと思う時に使います。
子供やペットが怒られないように悪いことをするときなんかにもよく使いますね。
本日は、「スイカ泥棒」というお話と「こっそり」という言葉についてご紹介しました。
楽しく学習できましたか。
日本語のレベルを上げるなら、日本語リーディングをするのが一番ですから、皆さまも是非私たちのJLSブログで楽しく学習しましょう!
JLSブログでは、お話だけでなく、日本語教師による日本語文法、語彙の解説もありますのでそちらも是非ご覧ください!
それでは、今日はここまで!
また次回のブログでお会いしましょう!