さん、様、君、ちゃんの違いを考えよう!/日本語ラーニングサポートLLC

さん、様、君、ちゃん は何が違う?
人を呼ぶときに名前の後ろに「さん」や「様」をつけますよね。
日常生活の中でよく使われるのは、「さん」「様」「君」「ちゃん」だと思います。
今日は、どんな時にどれを使ったらいいのか一緒に見ていきましょう!
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まず、日本人の名前について見ていきましょう。
例えば、
田中 一郎 (たなか いちろう)
という名前の人がいます。
田中(たなか)というのは、彼の家族の名前です。これを日本語では、「姓(せい)」とか、「苗字(みょうじ)」と言います。
一郎(いちろう)は、彼一人の名前です。これを日本語でそのまま「名前」とか「下の名前」なんて言ったりします。
一般的に会社や学校では、苗字を呼ぶことが多いでしょう。
同僚や先輩は「田中さん」、部長であれば「田中部長」、先生なら「田中先生」と呼ぶことができます。
家族や友達のような親しい関係であれば、下の名前で「一郎さん」「一郎君」「一郎」などと呼んだりします。
それでは、ここからは「さん」「様」「君」「ちゃん」の使い方を詳しく見ていきましょう。
相手に敬意(リスペクトの気持ち)を表した呼び方です。
男性にも女性にも使えますし、苗字につけても、名前につけても大丈夫です。
名前だけじゃなく、その人の立場や、お店につけることもできます。
Sample1 田中さん、ちょっと手伝ってくれる?
Sample2 これ、一郎さんのかばんですか?
Sample3 今日のさくらさんの服、すてきですね。
Sample4 お医者さんにお酒は飲まないように言われてるんだよ。
Sample5 先生にあげる誕生日ケーキ、駅前のケーキ屋さんで買って行こうよ。
Sample6 お父さんとお母さんはお元気ですか。
このように、いろいろな場面で「~さん」を使うことができるんですね。
特に「パン屋さん」「本屋さん」などお店の後につけたり、「弁護士さん」「大家さん」のようにその人の立場につける呼び方は知らなかった方もいるかもしれません。
この機会に覚えて使ってみましょう。
また、「お父さん」「お母さん」「おじいさん」「妹さん」のように、家族を呼ぶときにも使われます。
「お父さん」「お母さん」は自分の親、相手の親どちらにも使いますが、それ以外の「おじいさん」「妹さん」のような言葉は、他の人の親を指すときによく使います。
「~さん」と同じように男性にも女性にも使えますが、「~さん」よりももっと丁寧な呼び方で、仕事の時によく使います。
例えば、クライアント、他社の人などです。
姓やフルネームの後ろにつけることが多く、下の名前だけにはあまりつけません。(つけてはいけないということではありませんが、フォーマルな場面でよく使いますので、姓と一緒に使う方が多いです。)
Sample1 (電話で)田中様いらっしゃいますか。
Sample2 (ビジネスメールで)山田 あきこ様 いつもお世話になっております。
Sample3 本日ツインルームをご予約の高橋様ですね。
Sample4 鈴木様、お荷物お持ちしましょうか。
「~君」は、話し手より年下の若い男の人によく使います。また、仕事の場面では年上の男性(社長、部長など)が年下の女性を呼ぶときにも使えます。
姓にも下の名前にも付けることができます。
Sample1 田中君、今度の日曜日テニスに行かない?
Sample2 今日は、だいき君体調が悪いみたいだよ。
Sample3 次の会議については、山田君に聞いておいて。
Sample4 さくら君、この資料今日中に作ってもらえる?
使い方は、目上の人→目下の人、年上→年下なので、文や会話全体もていねい形ではなく、普通形を使うことが多いですね。
「~さん」を使うより親しみを感じる呼び方です。
「~ちゃん」は親しい間でよく使う呼び方です。一番多い使い方は、女性の友達や年下の女性、子供を呼ぶときです。
姓にも、下の名前にも使えますが、下の名前に付けることが多いです。
Sample1 こちら私の友達のさくらちゃんです。仲良くしてね。
Sample2 明日はみさきちゃんと買い物に行きます。
Sample3 田中ちゃん、この箱、あそこに運んでおいてくれる?
Sample4 太郎ちゃんは今年何歳になったの?
Sample5 お盆はおじいちゃんとおばあちゃんに会いに北海道へ行きました。
子供を呼ぶときは、Sample4のように男の子の名前につけても大丈夫です。
ただ、これはとても小さい赤ちゃん、もしくは性別がどちらか分からない時に使うことが多く、普通は男の子なら「~君」、女の子なら「~ちゃん」を使うといいでしょう。
また、Sample5のように家族の呼び方を「おじいさん」→「おじいちゃん」にすることができます。「さん」よりも「ちゃん」の方が親しい感じがするので、自分のおじいさん、おばあさんを呼ぶときは、「おじいちゃん」「おばあちゃん」と言う人が多いと思います。
いかがでしたか。
本日は日本人の呼び方「~さん」「~様」「~君」「~ちゃん」についてご紹介しました。
皆さんも日本人と会話する時、その人との関係(例えば、店員とお客さん、上司と部下など)を考えたり、その人とどんな関係になりたいのか(例えば、もっと仲良くなりたい!など)を考えて呼び方を変えてみましょう。
それでは、今日はここまで!
また次回のブログでお会いしましょう!