金のたまごを産むガチョウを読みましょう!/日本語ラーニングサポートLLC

2024/07/04 ブログ

金のたまごを産むガチョウという話を知っていますか。

これはイソップのお話で、読んだことがある方も多いかもしれません!

今日は日本語でこのお話を読んでみましょう。

日本語学習には読み物が一番!

さあ、お話の世界へいってらっしゃい!

 

 

「金のたまごを産むガチョウ」

昔々、あるところに貧しい男が住んでいました。

男は毎日野菜を作ったり、牛を育てたりして生活していました。

ある日のこと、男の家の前に一羽のガチョウがいました。

男:「おや?こんなところにガチョウがいる!大きいたまごを産みそうだな。」

男はそのガチョウを自分で育てることにしました。

次の朝、男がガチョウにエサをやろうとするとガチョウがたまごを産んでいるのを見つけました。

男:「これはなんだ!?」

ガチョウのたまごは、金のたまごでした。

男:「これはすごい!!売ったらきっと高く売れるだろうな!」

男はさっそく金のたまごを町まで売りに行きました。

たまごを売ったお金で男はおいしいパンやワインを買って家へ帰ってきました。

次の日、ガチョウはまた金のたまごを1つ産みました。

男はまたそのたまごを町へ売りに行きました。

それから毎日ガチョウは金のたまごを一個ずつ産みました。

男は、毎日町まで売りに行って、たくさんお金を稼ぎました。

お金持ちになった男はある時思いました。

男:「このガチョウはどうして一日に一個しかたまごを産まないんだろう。一日にもっとたくさん産んでくれれば、もっとたくさんのお金が稼げるのに…」

男の頭の中はお金のことでいっぱいです。

男:「あ、そうか!ガチョウがたまごを産むってことは、ガチョウのお腹の中にはたくさんの金のたまごが入っているに違いない!」

男はさっそくナイフを持って来ると、ガチョウを捕まえてお腹を切ってしまいました。

しかし、ガチョウのお腹の中を見てみると、何も入っていませんでした。

男:「あ…どうしよう…。金のたまごは入っていなかったし、ガチョウも殺してしまった…」

後悔してももう遅いのです。

男はもう金のたまごを一つも手に入れることができなくなってしまいました。

 

 

いかがでしたか。

お金をたくさん手に入れて欲深くなってしまった男のお話でした。

やはりもっとお金がほしい!と楽してお金を稼ごうとすると良くない結果になってしまうんですね。

それでは、ここからは本文の中に出てきた文法を少し学習しましょう。

 

男:「このガチョウはどうして一日に一個しかたまごを産まないんだろう。一日にもっとたくさん産んでくれれば、もっとたくさんのお金が稼げるのに…」

 

本文の中で男は「産んでくれれば~」と言っていますね。

ここでは「~てくれる」という文法を使用しています。

では、もし「一日にたくさん産めば、もっとたくさんのお金が稼げるのに…」と言ったら、これは間違いでしょうか。

「産めば」と「産んでくれれば」の違いについて考えてみましょう。

 

まず、「~てくれる」はどう使いますか。

Sample1 友達が引っ越しを手伝ってくれるんだ。

Sample2 母が作ってくれたお弁当はおいしい。

 

「~てくれる」は、誰かが私のために~をしたと言いたいときによく使いますね。

この文法を使うことで、その人に対する「ありがとう」の気持ちも表すことができます。

 

それでは、「~てくれる」を使わないとどんな意味、ニュアンスになるか見てみましょう。

・友達が引っ越しを手伝うんだ。

この文では、誰の引っ越しを手伝うのかがわかりません。先ほどのSample1では、「私」と言う言葉が入っていなくても、友達は私の引っ越しを手伝うということがわかりました。

これは「~てくれる」が、誰から誰にという矢印になっていて、その動作の方向を表すことができるからなんですね。

また、「手伝うんだ」と言ってしまうと、相手に対するありがとうの気持ちがなく、少し失礼に聞こえてしまいます。

 

・お母さんが作ったお弁当はおいしい。

この文は、自然な文です。「~てくれた」を使うと、お母さんが私のために作ったということが強調されて、愛情が込められているような感じがしますね。

「お母さんが作ったお弁当」と言えば、私のために作ったお弁当ではなくても、全部おいしいというニュアンスになります。

例えば、お母さんはお弁当屋さんで、毎日お客さんにお弁当を作って売っている。このお母さんの弁当がおいしい。という意味にもとれるわけです。

 

これが「~てくれる」の主な使い方と意味です。

それでは、ガチョウのたまごの話、「産んでくれれば~」に戻りましょう。

ガチョウは男のためにたまごを産んでいるわけではないですよね。

こんな時も、「~てくれる」は使えますか?

 

はい!使えます。

話し手にとって、それがありがたい、それをされるとうれしいという時には、「~てくれる」を使うことができます。

もちろん、この場面では「もっとたくさん産めば」ということもできますが、「~てくれる」を入れることで、金のたまごがたくさんほしい!金のたまごがたくさんあればうれしい!という男の気持ちを表すことができます。

 

このように「~てくれる」はそうなったらうれしいなという気持ちを表現できるので、こんな風にも使われます。

 

Sample1 この宿題まだ全然できてなくて…手伝ってくれると助かるんだけど…

Sample2 次から遅刻する時は前もって言ってくれるとうれしいな。

 

「~てくれると助かる/うれしい」で、お願いや注意をすることができますね。JLPTのリスニング問題にもよく出てきますので、この表現も覚えておきましょう。

 

いかがでしたか。

本日は、「金のたまごを産むガチョウ」のお話と、「~てくれる」についてお話しました。

今週日曜日はいよいよJLPT試験!そして七夕ですね!

試験を受験される方は、体調管理に気をつけて、これまでの成果を出し切ってきてくださいね。

皆さんの納得のいく結果になるようにお祈りしています。