~から~まで、~から~にかけて は何が違う?/日本語ラーニングサポートLLC

~から~まで、~から~にかけて は何が違う?
どちらも時間にも場所にも使えて、範囲を表す文法です。
それでは、この二つの文法は全く同じなのでしょうか。
とても似ていますが、実は使える時と使えない時があります。
今日は、意味と使い方を学習して、会話や作文でも正しい方を選べるようになりましょう!
今日のメニュー
1、時間や場所のスタートとゴールがはっきり分かる「~から~まで」
2、スタートとゴールがはっきり分からない「~から~にかけて」
Sample1 図書館は朝9時から夜7時までやっているよ。
Sample2 東京から大阪までの新幹線はいくらですか。
Sample3 昼休みは12時から12時40分までだから、そんなに遠くのレストランにはご飯食べに行けないよ。
Sample4 健康のために、毎朝家から会社まで歩いています。
「~から~まで」は、時間や場所の始まりと終わりがはっきり分かるとき、はっきり言いたいときに使います。
また、始まりと終わりのあいだずっと~という意味もあります。
お店の営業時間や、自分が働いている時間などははっきりと何時に始まって、何時に終わるのか分かりますね。
家と会社の場所も話し手がはっきりと分かっていることですし、Sample2のように新幹線の料金や、移動に必要な時間を他の人に聞く時は、始まりの場所と終わりの場所を明確に言う必要がありますね。
「~から」を使わずに「~まで」だけでも使うことができます。
Sample1 今日から明日にかけて全国的に雨が降るでしょう。
Sample2 沖縄から九州にかけて台風が来ているらしい。
Sample3 この道は朝6時から7時にかけて渋滞している。
Sample4 彼は肩から腕にかけてタトゥーを入れている。
「~から~かけて」は、話し手が時間や場所の始まりと終わりがはっきり分からない時や、はっきり言う必要がない時に使います。
ですから、天気予報などでよく使われる表現です。
例えば、「今日から明日にかけて雨が降る」は、雨が始まる時間が今日の何時で、終わる時間が明日の何時かは具体的には分かりません。
雨が降り始める時間や、止む時間は地域によっても少しずつ違うでしょうから、天気予報でも「今日1時から明日の5時まで雨が降る」のように具体的には言わないことが多いです。
場所の場合も同じです。
台風が来ている時、その影響がある地域を具体的に言うことは難しいですよね。
例えば、「同じ九州でも福岡では雨が強いけれど、長崎はそんなに雨が降っていない」のように、その場所によって雨が降るか、風が強いかは違います。
ですから、「~から~にかけて」を使うほうが自然になります。
また、「~から~にかけて」は、「朝から夜にかけて立った。」のように一回だけのこと、状態が継続しないものには使えませんので、基本的には、文末には動詞の辞書形か、ている形が使われます。
「~から」を使わずに、「~にかけて」だけでも使うことができます。
それでは、「毎年10月から12月まで忙しい」と「毎年10月から12月にかけて忙しい」という二つの文を見比べてみましょう。
この二つは、どちらも正しい文です。
「~から~まで」を使うと、10月1日~12月31日の期間が忙しく、1月1日になれば忙しくなくなるというようなニュアンスになります。
「~から~にかけて」を使うと、10月と11月は忙しく、12月になればだんだん忙しくなるかもしれないというニュアンスになりますね。
「~から~まで」「~から~にかけて」の練習問題にチャレンジしてみましょう!
( )の中には「まで」と「から」どちらを入れるのが正しいですか。
① 学校から駅( )自転車で大体20分くらいです。
②桜は毎年3月の終わりから4月( )咲きます。
③明日は東北から関東( )広い地域で雪が降るでしょう。
④試験は9時から12時( )ですので、試験の前に必ずお手洗いを済ませてくださいね。
4つとも答えられましたか。
答えはこのブログの一番下に書いておきますので、全部解き終わった方は見てみてください。
いかがでしたか。
本日は「~から~まで」「~から~にかけて」の違いについてご紹介しました。
「~から~まで」は、時間や場所の始まりと終わりがはっきり分かっている時、はっきり言いたい時に使い、「~から~にかけて」は、時間や場所の始まりと終わりがはっきり分かっていない時、はっきり言う必要がない時に使いますね。
それぞれの文法をよく使う場面と一緒に覚えましょう。
さて、7月のJLPTまでもあと1か月をきりましたね。
日本語学習は順調に進んでいますでしょうか。
学校の勉強やお仕事も忙しいと思いますが、夏の暑さに負けずに日本語の学習も頑張りましょう!
試験の結果が皆さまの納得のいくものになるよう祈っています。
練習問題の解答
①まで ②にかけて ③にかけて ④まで