必ず、絶対の違いを考えましょう!/日本語ラーニングサポートLLC

必ず、絶対 の違いを考えましょう。
まずはこの二つを使った例文を見てみましょう。
・明日は試験ですから、必ず8時までに来てください。
・明日は試験ですから、絶対8時までに来てください。
どちらも正しい日本語ですね。
でも意味やニュアンスが少し違います。
また「必ず」と「絶対」はそれぞれ使える時と使えない時があるので、このブログを読んでしっかり違いと使い方を学習しましょう!
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「必ず」は間違いなく~という意味で、守らなければならない規則や条件などを話すときや、いつも~だと言いたい時によく使います。
Sample1 母は毎日必ずジョギングしています。
Sample2 私は出かけるとき必ず手帳を持って行きます。
Sample3 彼はいつか必ず世界で活躍する歌手になりますよ。
Sample4 明日のイベントは、たくさん歩くので、必ずスニーカーを履いてきてください。
Sample5 出かける時は、必ず鍵をかけてって言ったでしょ!
「必ず」の特徴の一つ目は、後ろが肯定の形ということです。
否定の「~ない」はつけることができないので注意しましょう。
× 次の試験、必ず合格しないよ。
× 彼は、いつも必ず遅刻しない。
二つ目の特徴は、フォーマルな場面で使われることの方が多く、理論的に考えて~というようなニュアンスがあります。
上のSample3の「彼はいつか必ず世界で活躍する歌手になりますよ。」という文は、話し手が論理的に考えて「彼」は世界で活躍するだろうと考えています。例えば、彼の歌声は本当に魅力的だ、彼は英語の歌が上手だ、彼の歌のジャンルは世界的に見ても珍しいなどの理由が考えられますね。
「絶対」は、何がなんでも、何があってもそうするぞ!という強い気持ちが入っています。
Sample1 え、納豆食べたことないの?おいしいから絶対食べたほうがいいよ!
Sample2 家に帰ったら絶対手を洗います。
Sample3 明日は面接だから絶対遅刻できない。
Sample4 このレポートを明日までに書くなんて絶対無理だよ。
Sample5 来週の約束、絶対忘れないでね!
「絶対」の大きな特徴は、肯定も否定もどちらも使えるというところです。
「絶対できません」のように「~ない」を後ろにつけることができるんですね。
二つ目の特徴は、カジュアルな場面で使うことが多く、話し手の主観的な気持ちが強く入っているというところです。
例えば上のSample2は、「家に帰ったら、必ず手を洗います。」と言っても全く問題ありません。
「必ず」を使えば、例外なくいつもという意味ですね。
しかし、「絶対」を使うことで、話し手の強い気持ち(手を洗わないで部屋に入るのは嫌だ!手を洗わないでそのまま過ごすのは汚い感じがして落ち着かない!)を表すことができます。
そして、「必ず」よりも話し手の気持ちが強く入っているので、そうしなければならないルールなどを話すときにはあまり使いません。
△ 研修中は、ノートとペンを絶対持って来てください。
〇 研修中は、ノートとペンを必ず持って来てください。
→研修中のルールは会社で決まっているもので、話し手がそうしてほしいと強く思っていることではありません。
「絶対」を使うと話している人の気持ちが強く入ってしまい、ノートとペンを持ってこなかったら話し手が迷惑だと感じるというような意味に聞こえることもあります。
ただ、強い気持ちを表現したいときには、あえて「絶対」を使うこともありますので、その場面に合わせて使ってみてくださいね。
上の説明で、「必ず」の後ろには否定形が付けられないと書いてありましたね。
しかし、これを読んでいる学習者さんの中には、「必ずしも~とは限らない/わけではない」という文の形を見たことがある方もいるのではないでしょうか。
この文型は、100%ではないという時に使います。
例えば…
お金をたくさん持っている人は、幸せでしょうか?幸せじゃないでしょうか?
普通のイメージでは、お金持ち=幸せな人ですよね。
でも、本当に全員のお金持ちが幸せでしょうか?
きっとお金持ちの中にも、悩みがある人やストレスがある人もいますよね。
100%ではないので、「お金持ちが必ずしも幸せとは限りません。」と言うことができます。
他にも「たくさん勉強したからといって、必ずしも試験に合格できるというわけではありません。」
「日本人が必ずしもお寿司が好きだというわけではありません」
のように使えますよ。
いかがでしたか。
本日は、「必ず」と「絶対」の違い、「必ずしも~とは限らない/わけではない」という文法の使い方をご紹介しました。
「必ず」は例外なく、間違いなく、いつも~という意味、
「絶対」は何がなんでもそうするという強い気持ちが入っていましたね。
「必ずしも~とは限らない/わけではない」は、100%ではないという意味で使います。
それぞれ、どのように使うのかイメージできましたか。
今日学習した表現を是非会話や作文の中で使ってみてください。
それでは、今日はここまで!
良い週末をお過ごしください!