もちろん、きっと、是非の違いを考えましょう!/日本語ラーニングサポートLLC
もちろん、きっと、是非は何が違う?
実は、この三つの単語は日本語の中では全然違う使い方をします。
しかし、日本語初中級の学生の中には、使い分けが難しい!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その理由は、「もちろん」「きっと」「是非」をインターネットの和英辞書で調べてみると、どれも同じような言葉に翻訳されているからかもしれません。
いくつか他の英単語も出てくるのでなんとなく違いがわかるかもしれませんが、やはり実際の会話ではどう使っているのか見たほうが分かりやすいですよね。
そこで、今回はこの三つの単語の使い分けについてお話していこうと思います。
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「もちろん」は当たり前、それが普通だという意味です。
Sample1
A:お寿司は好き?
B:もちろん!(私は日本人だから、お寿司が好きなのは当り前じゃないか!)
Sample2
A:ドラえもんのアニメを見たことがありますか。
B:もちろんありますよ!(ドラえもんは世界でも有名だから、見たことがあるのは普通だ。当たり前だ。)
Sample3
A:ごめん、この資料まとめるの手伝ってくれる?
B:もちろんいいよ!(私たちは友達なんだから/私は今時間があるから、手伝うのは普通のことだよ!気にしないで!)
Sample4
A:週末、みんなでキャンプに行くんだけど、一緒に行かない?
B:もちろん!行く行く!(楽しそうだから/キャンプが好きだから、当然行くよ!)
「もちろん」は主観的な意見に使います。
Sample1ではお寿司の例を出しましたが、日本人の中にもお寿司が嫌いな人、食べられない人がいますね。
しかし、話し手の主観的な意見としては、日本人はお寿司が好きな人が多いもしくは、お寿司は日本の代表的な文化だということですね。
また、フォーマルな場面や、お客さんと話している時の返事には、「もちろん」はあまり使いません。
例えばレストランで、
お客さん:すみません。お水をもらってもいいですか。
店員さん:×(もちろん!) 〇(はい、かしこまりました。)
「きっと」は何かが起こる可能性が高い。もしくはそうなってほしいという話し手の希望があるときに使われます。
Sample1
A:7月にJLPTを受けるつもりなんだ。
B:そうなんだ!Aさんならきっと合格するよ!(私はAさんが合格することを祈っている)
Sample2
A:田中さん遅いね。今日はもう来ないかもしれないね。
B:いや、きっと来るよ。道に迷っているだけじゃない?(田中さんが来ることを信じている、田中さんに来てほしい)
Sample3
A:息子に何回も電話をかけているんだけど、全然出ないの。どうしたのかな。
B:きっと仕事で疲れて寝てるんだよ。(最近仕事が忙しいと言っていたから、寝ている可能性が高い)
Sample4
A:祖父が病気で東京病院に入院することになったんだ。
B:そうなんだ、大変だね。でも、東京病院って有名なところだから、あそこで見てもらえばきっと治るよ。(あの病院は、有名だから治る可能性が高い、私はそう信じている)
「きっと」はあることが起こる可能性が高い、そうなってほしいというような話し手の希望があるときに使います。
ですから、ポジティブな意味の文で使うことが多いです。
ネガティブな意味の時にも使うことはできますが、その場合は「多分」など他の言葉を使うことも多いです。
「彼はきっと来るでしょう。」のように後ろに「~でしょう」「~と思います」などの文型を付けることもできます。
「是非」は後ろに「~てください」「~たいです」などを付けることで、話し手の強いお願いや、希望を表すことができます。
相手を気遣って話す表現です。
Sample1
A:今度のプレゼン、君に任せてもいいかな。
B:是非やらせてください!(あなたがいいなら、もちろんしたいです!)
Sample2
A:来月、みんなでお花見するんですけど、Bさんも参加しませんか。
B:ええ、是非行きたいです!(え!いいんですか!みんながいいなら、参加したいです!)
Sample3
A:ただいま、こちらの棚の商品セール中です!この機会に是非お買い求めください!(セール中でお安いので、どうぞ買ってください!)
B:セールやってるんだ!新しいパソコン欲しかったんだよね。ちょっと見てみようかな。
Sample4
A:Bさんがおすすめしてくれたレストラン、今度行ってみるよ。
B:是非是非~!(とてもおすすめのお店だから、どうぞ行ってください!)
「是非」は強いお願いや希望ですが、相手を気遣うような意味が入っているので、「あなたがもしよければ~てください/~たいです」というニュアンスがでます。
ですから、一人で「~たい」と思っていることにはあまり使いません。
×「パソコンが壊れたので、是非新しいパソコンが買いたいんです。」
また、Sample1では上司のお願いに対して、「是非やらせてください」を使っていますが、これは話し手が「プレゼンをやりたい!」と思っているからですね。
特に「~したい!」と思っていないことをお願いされたときは「是非」は使えません。
上司:ごめん、会議室掃除しておいてくれる?
部下:×(是非!) 〇(はい、わかりました!)
いかがでしたか。
本日は、「もちろん」「きっと」「是非」の違いについてお話しました。
皆様の学習のお役に立てていれば幸いです。
今日から5月に入り、週末は連休ですね。楽しいご予定はありますか。
お出かけしていい思い出を作ったり、お家でゆっくり疲れをとったりそれぞれのすてきなお休みをお過ごしください。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!