しょうじょう寺のたぬきばやしを読んで日本語を学習しましょう!/日本語ラーニングサポートLLC
しょうじょう寺のたぬきばやし というお話を読みましょう。
前回は、part1をご紹介しましたが、今日はpart2です。
前回のあらすじ↓
昔々、しょうじょう寺というお寺がありました。ここはたぬきがおばけに化けて出てくるのでみんな怖くて近づきませんでした。
しかし一人の変わった和尚さんがしょうじょう寺にやってきました。
たぬきたちは和尚さんをびっくりさせようと、おばけになって出ていきますが…
さて、このあとどうなるでしょうか。
「しょうじょう寺のたぬきばやし」part1を全部読みたい方はこちら↓
https://nihongojikan.jp/blog/20240414-4265/
「しょうじょう寺のたぬきばやし」part2
和尚さんは、お化けになったたぬきを見て、おどろきもせずに
和尚さん:「おやおや、かわいい小僧だこと。どうだい、餅を食っていくか?」
と言いました。
そして、次にろくろ首を見て
和尚さん:「これまたきれいなお嬢さんだ。お茶でもいかがかな?」
と言いました。
たぬきたちは、おどろきましたが、和尚さんが出してくれたお餅を食べて、お茶を飲むとすぐに帰っていきました。
それを聞いたたぬきのボスは怒りました。
たぬきボス:「化けて出て行ってもおどろかないだって?なんだいあの和尚!こうなったらもっといたずらしてやる!」
その夜、和尚がすやすやと寝ていると庭で大きな音がしました。
和尚がそっと庭を見てみると、たぬきたちがたくさん集まって、腹鼓(はらつづみ)を打ちながら大きな声で歌っているではありませんか。
♪ポンポコポンのポン♪
これでは、うるさくてとても眠れそうにありません。
和尚さん:「はは!面白そうだな!わしも入れてくれ!」
和尚さんは、庭に走っていって、たぬきたちのところへ来ると、腹鼓を打ち始めました。
♪ポンポコポンのポン♪
和尚の腹鼓を聞いて、たぬきたちも負けないように大きな音でポンポンとお腹を叩きました。
たぬき :「和尚に負けるな!もっと叩け!」
和尚さんは、たぬきたちのことは気にしないで、楽しく歌って踊っています。
どれくらい時間が経ったでしょう。
一匹のたぬきが突然叫びました。
たぬき :「痛い!!」
みんなが見てみると、たぬきはお腹を叩きすぎて、お腹が真っ赤になっていました。
和尚さん:「あれまあ、こりゃ大変だ。お寺の中に運んであげよう。」
和尚さんは、たぬきを部屋の中に連れていって、お腹に薬を塗って(ぬって)あげました。
それから、たぬきのボスは和尚さんのことがすっかり好きになり、他のたぬきたちも和尚さんと仲良くなりました。
今では毎晩、しょうじょう寺の庭で腹鼓をみんなで打って楽しんでいるようです。
いかがでしたか。
とてもかわいらしいお話ですね。
それではここからは、お話の中に出てきた文法を一つピックアップしてご紹介します。
今回の文法は「~そうにない」です。
和尚さんが眠れないときに、「これでは、うるさくてとても眠れそうにありません。」という文が出てきましたね。
「~そうにない」ってどういう意味でしょうか。
「~そうにない」「~そうもない」
多分~ができない、~ができる可能性が低いことを表します。
Sample1 まいったな。雨がやみそうにないよ。
Sample2 仕事が多すぎて今日中に終わりそうもないよ。
Sample3 田中さんはいつも授業中寝ているよね。これじゃ、試験に合格できそうもないな。
Sample4 ちょっと体調が悪くなっちゃって、明日のハイキングは行けそうにないから、みんなで楽しんで来て!
動詞ます形のますを取って、「そうにない」「そうもない」を付けます。
話し手が状況を見て、判断したことに使います。
例えば、Sample1の「雨がやみそうにない」は、話し手が雨がザーザーと勢いよく降っている様子を見て、この状況では雨がすぐにやむ可能性が低いなと判断したということですね。
ですから、人から聞いた話や、誰かのスキルについて話すときには、注意が必要です。
もし、他の人から~できる可能性が低いという話を聞いたのなら、
「今日は雨がやみそうもないらしいよ。」
「〇〇さんは体調が悪いから明日のハイキングに行けそうもないんだって。」
のように、後ろに「らしい」や「だって」「と言っていました」などをつけて人から聞いた話であることを伝えましょう。
また、誰かのスキルがない、ポテンシャルがないと言いたいときは、
「田中さんは、細いから相撲はできなさそうだよね。」
のように、「なさそう」を使うといいでしょう。
「~そうにない」を使うなら
「田中さんは全然練習に参加していないから、今度の試合も勝てそうにないね。」
このように、話者が今の状況(田中さんが練習していない)を見て、~ができないと思うと言いたいときに使うことができます。
さて、本日はしょうじょう寺のたぬきばやしのpart2と「~そうにない」という文法についてお話しました。
ちなみに「たぬきばやし」の「ばやし」は、漢字で書くと「林」ではなく、「囃子」です。
「囃子」というのは、日本の伝統的な音楽のジャンルの一つで、お祭りなどでよく演奏されています。太鼓(たいこ)や笛(ふえ)を使ったにぎやかな音楽です。
たぬきがお腹を太鼓のようにポンポンと叩いていたので、「たぬきばやし」なんですね。
それでは、今日はここまでにしましょう。
また次回のブログで!