しょうじょう寺のたぬきばやしというお話を読みましょう!/日本語ラーニングサポートLLC

2024/04/14 ブログ

しょうじょう寺のたぬきばやし というお話を読んでみましょう。

これのお話は、千葉県木更津市にある證誠寺(しょうじょうじ)というお寺にあるたぬきの伝説です。

「しょうじょう寺のたぬきばやし」という子供の歌もあります。

興味がある方は、聴いてみてください。

今日は、日本語でお話を楽しみながらリーディングの練習をしましょう。

このお話は長いのでpart1とpart2に分けてご紹介します。

 

 

「しょうじょう寺のたぬきばやし」part1

昔々、山の奥にしょうじょう寺というお寺がありました。

そこは、昼間でも薄暗く、気味が悪いので誰も近づきませんでした。

山にはたくさんのたぬきがいて、そのたぬきたちがいつもしょうじょう寺で何かに化けて(ばけて)悪さをしたり、夜遅くに大きな声で騒いだりしていたので、しょうじょう寺には和尚さんもいませんでした。

そうして、いつしかみんなは、しょうじょう寺を「おばけの寺」と呼ぶようになったのです。

ある時、村のえらい和尚さんがこの話を聞いて、私がしょうじょう寺に行ってくると言いました。

和尚さんはさっそくしょうじょう寺へ行き、お経を始めました。

それを聞いたたぬきたちは、

たぬき :「お!新しい和尚さんが来たみたいだ!ちょっと脅かして(おどかして)こよう!」

と言って、一つ目小僧とろくろ首に化けてお寺に入っていきました。

※脅かす…びっくりさせる

※一つ目小僧…目が一つしかない子供のおばけ

※ろくろ首…首がヘビのようにニョロニョロと長いおばけ

 

和尚さんは、お化けになったたぬきを見て、ぎゃーーーーー!と叫んで逃げていきました。

たぬき :「ははは!逃げて行ったぞ!」

たぬきたちは、和尚さんが慌てる様子をみて、腹鼓(はらつづみ)を打ちながら笑いました。

※腹鼓を打つ…お腹をポンポンと太鼓のように叩くこと

 

何日か経って、また別の和尚さんがしょうじょう寺にやってきました。

この和尚さんは変な人で、なぜかしょうじょう寺を気に入りました。

和尚さん:「いやあ、この静かで暗い感じがとてもいい。」

新しく来た和尚さんを見て、たぬきたちはまた笑いました。

たぬき :「ははは!また新しい和尚が来たぞ!よし、脅かしてやろう!」

たぬきたちは、また一つ目小僧とろくろ首になって和尚さんの前に出ていきました。

和尚さんは、お化けになったたぬきを見て、驚きもせずに

和尚さん:「おやおや、かわいい小僧だこと。どうだい、餅を食っていくか?」

と言いました。

そして、次にろくろ首を見て

和尚さん:「これまたきれいなお嬢さんだ。お茶でもいかがかな?」

と言いました。

 

 

いかがでしたか。

いたずら好きなたぬきと和尚さんのお話ですね。

さて、新しく来た和尚さんとたぬきはどうなるのでしょうか。

続きは、part2をアップしますのでそちらも是非ご覧ください。

 

それでは、ここからはお話の中に出てきた文法を一つご紹介します。

今回は、「~てやる」です。

 

皆さんは、「私は孫におもちゃを買ってやる」という文法を初級で習いましたね。

ここでは、上の人から、下の人へ何かをしてあげるという意味で使われています。

今回の「~てやる」は同じ形をしていますが、意味が少し違います。

お話の中でたぬきが言った「脅かしてやろう!」という使い方は、話し手の強い決意、意志、怒りなどを表しています。

相手にとって何か悪いことをしようと思っているんですね。

つまり、絶対に和尚さんを脅かす(びっくりさせる)ぞ!!という強い気持ちです。

 

「~てやる」は他にもこのように使えます。

Sample1 今年こそ、JLPTN1に合格してやる!!

Sample2 ピアノの先生に「あなたには才能がない」って言われたけど、もっと練習して絶対上手くなってやるぞ!

Sample3 今回の契約は失敗しましたけど、次こそ絶対に成功させてやりますよ!

Sample4 あー!むかつく!もう離婚してやる!

Sample5 最初はこんな会社やめてやろうと思ったけど、やり続けていたらだんだん気持ちが変わってきた。

 

ポジティブな場面でもネガティブな場面でも使うことができます。

絶対に~しよう!という強い気持ちや、怒りなどを表していますね。

とても強い気持ち、意志なので、普段の予定などを言う時には使いません。

〇 週末北海道旅行に行くつもりです!/ 行きたいです!

△ 週末北海道旅行に行ってやる!

 

一般的にカジュアルな場面でよく使い、「~てやる!」と普通形で終わらせることが多いですが、Sample3のように「~てやります」とます形で言うこともできます。

仲のいい同僚や先輩であれば、このような言い方をしても大丈夫ですが、お客様の前ではます形を使っても言わないほうがいいかもしれません。

 

さて、今日は「しょうじょう寺のたぬきばやし」というお話と、「~てやる」という文型についてお話しました。

今日の学習も楽しんでいただけていたら嬉しいです。

皆さんは、7月のJLPTには申し込みましたか。

今年こそは合格してやる!と思っている方は、7月まで残り3か月、勉強頑張ってくださいね!

それでは、今日はここまでにしましょう。

また次回のブログで!!