やっと ついに とうとう ようやくの違いを考えましょう!/日本語ラーニングサポートLLC

2024/03/31 ブログ

やっと、ついに、とうとう、ようやくの違いは何でしょうか。

似たような場面で使われることが多い言葉ですので、同じ言葉なのかな?と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

確かに場面によっては入れ替えることができるものもあります。

しかし、ニュアンスはどれも少し違うので、ネイティブは自然に使い分けています。

 

今日のメニュー

1 「やっと」苦労したり大変だった長い時間の後の結果が出た

2 「ついに」長い間待っていた結果が出た

3 「とうとう」いつか来るだろうなと思っていたことが起きた

4 「ようやく」長い時間をかけていたことが終わった

 

 

 

1 「やっと」苦労したり大変だった長い時間の後の結果が出た

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「やっと」は、今日ご紹介する4つの言葉の中でも一番口語的で会話の中でよく使います。

長い時間苦労したことや、つらかったことの後に結果が出る時に言います。

Sample1 あー、田中さんやっと来た。1時間も待ったんだよ!

Sample2 やっと見つけた!この化粧品、どこのお店に行ってもなかったんだよ!

Sample3 やっとJLPTN1に合格できました。

Sample4 ふー、やっと仕事が終わった。今日は疲れたな~。

 

今日他に紹介する「ついに」や「とうとう」「ようやく」に比べて、使える場面が多いです。苦労や、長い時間したことが終わるという説明をしましたが、実際にはそこまで大変じゃなくても話し手が大変だった!長かった!と思えば使うことができます。

Sample1のように誰かを待っている時に、「田中さん、ついに来た。遅いよ!」などというと、少し大げさな印象を与えますので、注意しましょう。

 

また、「やっと~ない」「やっと~なかった」の形ではほとんど使いません。

後ろには肯定形の動詞を入れることが多いです。

例えば、自分のオフィスにあまり好きじゃない同僚がいて、その同僚が別の部屋に行った時には、「やっといない」ではなく、「〇〇さん、やっといなくなった」のように「~くなる」と言います。

 

 

2 「ついに」長い間待っていた結果が出た

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「ついに」は、長い間待っていたことが起きたり、結果が出たときに使います。

ポジティブな意味で使われることが多いです。

課程よりも、最終的な結果に注目した表現ですね。

Sample1 あのアニメがついに映画化!絶対見に行きたい。

Sample2 田中さんは、5年間勉強を続けて、ついに弁護士の資格が取れた。

Sample3 1年間準備してきたレポートが今日ついに完成した。

Sample4 ピアノコンテストは何回も挑戦してきたけれど、今回ついに優勝できました。

 

「ついに」は、何かが実現しなかった時にも使えます。

Sample5 彼の歌手になりたいという夢はついにかなわなかった。

Sample6 この作品は、ついに完成させられなかった。

Sample7 妻とは連絡がつかなくなり、ついに帰ってくることはなかった。

 

こちらも最終的に~が実現しなかったという時に使います。

結果を重要視している言い方ですね。

 

 

3 「とうとう」いつか来るだろうなと思っていたことが起きた

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話し手がいつかそうなるだろうと予想していたことが、起きたという時に使います。

比較的ネガティブな意味で使われることが多く、書き言葉の表現です。

ポジティブな意味になることもありますが、その場合はその結果が出るまで心配だった、不安だったというようなニュアンスが入っています。

Sample1 あの人気漫画の連載がとうとう終わってしまった。

Sample2 田中さんは、彼女と毎日けんかしていて、とうとう別れてしまった。

Sample3 残業続きで疲れていた山田部長は、とうとう倒れてしまった。

Sample4 とうとう卒業式の日がやってきた。

 

「とうとう」も何かが実現できなかった時に使えます。

Sample5 何時間も待ったがとうとう彼は来なかった。

Sample6 何度も謝ったけれど、とうとう彼女との関係は戻らなかった。

Sample7 何回も聞きに行ったが、あの人は何も教えてくれなかったので、事件の真相はとうとう分からずじまいだった。

 

長い時間~をした、何回も~したけれど、あることが実現せずに終わったという意味ですね。「ついに」と入れ替えることもできますが、「ついに」が結果を重視しているのに対し、

「とうとう」はそれまでの苦労、時間の長さを重視しています。

 

 

4 「ようやく」長い時間をかけていたことが終わった

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長い間待っていた、時間をかけてしていたことが終わるという意味で使われます。

結果というより課程に注目していて、長い間いろいろなことがあったということを表しています。

Sample1 4月になってようやく桜が咲きました。

Sample2 3年間かけて建てていた建物の工事がようやく終りました。

Sample3 来年からようやく自分の店をオープンできます。

Sample4 ずっと分からない問題があったけれど、先生に説明してもらってようやく理解できました。

 

書き言葉で多く使われます。

「やっと」と同じで後ろが否定形で終わることはほとんどありません。

「ようやく~ない」「ようやく~なかった」の形では使わないということですね。

 

 

いかがでしたか。

今日は、「やっと」「ついに」「とうとう」「ようやく」の違いについてお話しました。

使い分けが少し複雑で、時には入れ替えることもできますが、今日ご紹介した違いを頭に入れつつ、実際に日本人がどのように使っているのか、聞いて確かめてみましょう。

それでは、今日はここまで!

また次回のブログでお会いしましょう!