塞翁が馬というお話を読みましょう!part2/日本語ラーニングサポートLLC
塞翁が馬 というお話を読みましょう。
「塞翁が馬」は昔の中国のお話です。
前回は、part1をアップしましたので、今回はpart2をご紹介します。
前回のあらすじ↓
あるところにおじいさんと息子が住んでいました。おじいさんは、すばらしい馬を飼っていましたが、ある日その馬がいなくなってしまいました。村の人は、おじいさんがかわいそうだと言いましたが、おじいさんはあまり落ち込んでいませんでした。
それから何日か経って、馬がもう一頭別の馬を連れて帰ってきました。大きくて強い馬が二頭になったので村の人は、うらやましがりましたが、おじいさんは冷静でした。
そして、おじいさんは息子に新しい馬は危ないから絶対に乗らないようにと注意しました。
「塞翁が馬」part1が読みたい方はこちら↓
https://nihongojikan.jp/blog/20240326-4259/
「塞翁が馬」part2
それから何日か経って、息子はやっぱり新しい馬に乗ってみたくなりました。
そして、馬に乗って森の中を走ってみました。
すると、馬が途中で言うことを聞かなくなり、バタバタと暴れ出しました。
息子 :「うわあ!!」
息子は、馬の上から地面に落ちてしまい、足の骨を折ってしまいました。
怪我をして、動けなくなってしまった息子を見て、村の人たちはおじいさんに言いました。
村人 :「息子さん、大丈夫ですか。馬から落ちて骨折するなんて、かわいそうだ。」
おじいさん:「心配してくださってありがとうございます。でも、これが良いことに繋がるかもしれませんから。」
おじいさんは、冷静に言いました。
村の人は、息子が怪我をしても冷静なおいじさんを変な人だなと思いました。
数週間後、おじいさんの住んでいる国と、隣の国とで戦争が始まってしまいました。
若い男の人は、みんな戦争に行かなくてはいけません。
ですが、おじいさんの息子は足を怪我しているので、戦争に行かなくてもよいと言われたのです。
その戦争はとても激しく、たくさんの若者が亡くなりました。
村人はまたおじいさんのところへ行き、
村人 :「運が良かったですね。もし息子さんが戦争に行っていたら、危なかったですよ。」
おじいさん:「そうですね。人生何が起こるか分かりません。良いことが悪いことになったり、悪いことが良いことになったり、予想するのは難しいですね。」
こうして、村の人たちは、嬉しいことが起きても、それが悪いことに繋がるかもしれないから油断してはいけないし、悲しいことが起きても、それが良いことに繋がるかもしれないからあわててはいけないということをおじいさんから学びました。
いかがでしたか。
今回は「塞翁が馬」というお話をご紹介しました。
それでは、ここからはお話の中に出てきた文法を復習していきましょう!
今日勉強するのは「~かもしれない」です。
「こうして、村の人たちは、嬉しいことが起きても、それが悪いことに繋がるかもしれないから油断してはいけないし、悲しいことが起きても、それが良いことに繋がるかもしれないからあわててはいけないということをおじいさんから学びました。」
本文の中では、このような文がありましたね。
「かもしれない」というのは、「~の可能性がある」という意味です。
似ている意味の文法に「~でしょう」というものがありますが、「かもしれない」の方が根拠が薄くて、確実でないことが多いです。
「~でしょう」は、理由や根拠がはっきりしていて、より確実ですから、ニュースのお天気情報などでよく使われます。
「~と思う」も実際の会話では、似たような場面で出てくることがあります。
「~と思う」は、話し手の意見、話し手の推量を表しています。
それでは、「かもしれません」の例文を見てみましょう。
Sample1 今日の午後は雨が降るかもしれませんね。
Sample2 バスだと間に合わないかもしれないので、タクシーで行きます。
Sample3 最近Aさんとよく目が合う。私のことが好きなのかもしれない。
Sample4 このパソコンずっと使っていなかったから、もう壊れているかもしれない。
では、下のAさんとBさんの会話を見てみましょう。
このような場合、「かもしれません」「~でしょう」「~と思います」のどれを使いますか。
A:Cさん遅いね。パーティもう始まっているのに。
B:そうですね。今日は来ない 。
答えは決まりましたか?
ここでは、「かもしれません」を使うのがいいですね。
「かもしれません」は、可能性の一つをあげて言うときに使います。
Cさんが来ないというのは一つの可能性ですね。
この場面で「でしょう」「と思います」を使うと少し不自然に聞こえます。
「でしょう」は、自分の経験や知識、データなどからかなり確信を持っている時に使います。
「と思います」も話し手の意見や推量を表し、100%ではないけれども、確信を持っている時に使うことが多いです。
この場面では、Cさんが時間に遅れているだけですから、本当に「来ない」かどうかまだわかりません。
もしかしたら、電車を間違えた?事故があった?パーティの場所がわからない?
いろいろな可能性がありますよね。
ですから、「でしょう」「と思います」と言ってしまうのは決めつけた感じがして、不自然になってしまいます。
もちろん、Cさんが普段から約束をすっぽかす人(約束をしていても、急に来なくなる人)だった場合は、AさんとBさんは経験からCさんの性格を分かっているので、「あのCさんのことだから、今日は来ないと思うよ。」ということもできますよ。
今日は、「塞翁が馬」のpart2と「かもしれません」についてお話しました。
お楽しみいただけましたでしょうか。
たくさん読んで、たくさん覚えて日本語のレベルをアップさせましょう。
JLPTの申し込みも始まっていますね。
まだ準備期間がありますから、今のうちから余裕をもって勉強しておきましょう!
それでは、今日はここまで!