塞翁が馬という話を読んでみましょう!/日本語ラーニングサポートLLC

2024/03/26 ブログ

塞翁が馬 という話を知っていますか。

今日は、中国のお話「塞翁が馬(さいおうがうま)」という物語をご紹介します。

日本語学習にはリーディングがおすすめですので、声に出しながら読んでみましょう。

漢字や単語が分からない時は、調べてもいいです。

調べた言葉をメモして、覚えましょう。

また、「塞翁が馬」はpart1とpart2に分けてご紹介しようと思います。

今回はpart1です。

では、さっそく読んでみましょう。

 

「塞翁が馬」(さいおうがうま)part1

昔々、国境の近くにあるおじいさんとその息子が住んでいました。

おじいさんは、一頭の馬を飼っていました。

その馬は、頭もいいし、力も強いし、かっこいい馬でしたから、重い荷物を運ぶ時、おじいさんはいつもこの馬に載せて運んでいました。

村人たち:「やっぱり、あの馬はいいな。私もあんな馬がほしいよ。」

村人は、みんなおじいさんの馬を欲しがっていました。

おじいさんも息子も、その馬をとてもかわいがっていました。

ある朝、おじいさんが馬小屋(うまごや)へ行ってみると、いつも聞こえる馬の声が聞こえません。

あれ?と思って、おじいさんが馬小屋の中を見てみると、馬がいないのです。

おじいさん:「大変だ!馬が逃げた!!」

おじいさんの馬がいなくなったという話は、すぐに村中に広まりました。

村人  :「あ~あ、かわいそう。あんなにいい馬がいなくなったなんて。走るのが早いからもうどこか遠くの方へ行ってしまっているかもしれないな。」

村人  :「いやあ、だれかに盗まれたのかもしれないぞ。」

村の人たちは、いろんなうわさをしていました。

しかし、おじいさんは慌てず、とても落ち着いていました。

息子   :「馬を探しに行かなくていいの?」

おじいさん:「ああ、きっとすぐに帰ってくるよ。」

 

何日か経ったある日、おじいさんは馬の足音で目を覚ましました。

おじいさんが外へ出て見てみると、なんとおじいさんの馬が隣の国のすばらしい馬を一頭連れて帰って来ていたのです。

おじいさん:「いやあ、帰ってきたか!」

息子も起きて、おじいさんの馬を見てびっくりしました。

息子   :「わあ!本当に馬が帰ってきた!しかも、もう一頭馬を連れてる!」

おじいさん:「この馬も大きくて強そうだ!」

息子   :「強い馬が二頭になってよかったね!」

おじいさん:「そうだなぁ。でもこれがまた悪いことにつながるかもしれないな。」

息子   :「そうかなぁ。」

おじいさん:「この馬は立派だが、人間にまだ慣れていないようだ。いいかい、決してこの馬には乗ってはいけないよ。」

息子   :「ちぇー、せっかくいい馬なのに!」

つづく…

 

 

いかがでしたか。

これから、おじいさんと息子と馬はどうなるのでしょうか。

つづきが読みたいという方は、すぐにpart2もアップしますので、そちらを楽しみにお待ちください。

それでは、ここからは「馬」に関係する言葉を少しご紹介しようと思います。

 

「絵馬」(えま)

絵馬というものを見たことがありますか。神社でお願い事や、願いがかなったお礼などを書く木の板のことです。表には絵が描いてあることが多く、裏に自分のお願いやお礼を書きます。

それを、決まった場所に結び、神様に受け取ってもらうことを奉納(ほうのう)すると言います。

どうして、「絵馬」という名前なのでしょうか。

実は、昔は本物の馬を神様に奉納していました。ですが、今は馬の代わりに木の板を使うようになったので、名前には「馬」という字が入っているんですね。

Sample1 神社で絵馬にお願い事を書きました。

Sample2 絵馬を奉納しました。

 

「走馬灯」(そうまとう)

走馬灯は昔の照明器具(ライト)の一つです。

中国のランタンを想像してもらうと近いかもしれません。

中にロウソクを入れて使いますが、その外には馬の影絵(かげえ)があり、馬の影がくるくる回る、きれいなランタンです。

昔は、子供が動く影を見て楽しむために使われていましたが、今はそのような風習はなくなってしまいました。

しかし、現在でもお盆の時は、走馬灯を飾る習慣が残っています。

ドラマや親戚の日本人の家で、お盆の時に見られるかもしれません。

現在では、ほとんど見ることがなくなった走馬灯ですが、影絵がくるくると回ることから、今までの人生のハイライトを思い出すという意味としても使われます。

Sample1 事故にあった時、今までの人生が走馬灯のように思い出された。

Sample2 結婚式の時、これまでの家族との思い出が走馬灯のようによみがえって涙が出た。

※「よみがえる」…生き返る、消えかけていたものがもとに戻る、ここでは「思い出す」の意味

 

「馬車馬」(ばしゃうま)

「馬車」という言葉は漢字の通り、馬が引く車のことです。

現在の日本ではなかなか見ることができませんね。

「馬車馬」というのは、その馬車を引いている馬のことです。

馬車の運転手が、馬の横に覆いをつけて、馬が前しか見られないようにした(前方に集中するようにした)ことから、「馬車馬のように働く」という言葉ができました。

他の人、事は気にせず、一つのことに集中して必死に働くことを指します。

Sample1 新入社員だった彼は、この半年間馬車馬のように働いた。

Sample2 彼女は自分の夢のために、馬車馬のように働き続け、ついには体を壊してしまった。

 

 

今日の学習はいかがでしたか。

「塞翁が馬」と「馬」に関係のある言葉をご紹介しました。

お楽しみいただけましたでしょうか。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう!