冷める、冷える、冷ます、冷やすの違いを考えてみましょう!/日本語ラーニングサポートLLC

冷める、冷える、冷ます、冷やす の違いは何でしょうか。
どれも漢字が同じで、似ている場面で使われることもあるので、読み方や意味が複雑だと感じる方もいるかもしれません。
今日は、この4つの動詞の使い方と意味、読み方をご紹介しますので、是非学習の参考にしてみてください。
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この二つは自動詞です。意味が少し違います。
「冷める」は、「さめる」と読みます。一度熱くなったものの温度が下がることです。
「冷える」は、「ひえる」と読みます。ものの温度が下がることです。
もともと熱くなかったものの温度が下がるときは、「冷える」を使いましょう。
「冷める」の使い方
Sample1 いつまでもゲームしていないで、ご飯が冷めないうちに早く食べなさい。
Sample2 お風呂のお湯、もう冷めちゃってると思うよ。
Sample3 結婚したときは、主人のことが大好きでしたが、5年目にもなるとだんだん冷めてきました。
「冷える」の使い方
Sample4 最近気温が低いから、身体が冷えるね。
Sample5 冷えたビールは最高だね!
Sample6 部屋が冷えちゃってるから、暖房つけよう。
ご飯や、お風呂はもともと熱いものですから、それが冷たくなるときは「冷める」ですね。
身体や、ビールは熱いものではありませんので、常温のものの温度が下がるときは「冷える」ですね。
もともとの温度が重要ですので、同じものでも場面によって使う動詞が変わったりします。
例えば、冬の日、外に出て「ふー。寒い!身体が冷えちゃう!」と言いますが、
お風呂に入った後、身体が熱くなっているときには「早く服を着ないと、湯冷めしちゃうよ。」と言います。
「湯冷め」とは、お風呂に入って熱くなった身体が、体温をもとに戻そうとして、必要以上に体温が下がってしまうことを言います。
ここでは、身体が一度熱くなったので「冷める」の方を使います。
Sample3は、ものではなく「気持ち」が冷たくなった、冷めたという意味です。
こうやって物以外にも使うことができるんですね。
「冷ます」は、「さます」と読みます。「冷める(さめる)」の他動詞ですね。
熱いものの温度を下げることを言います。
「冷やす」は、「ひやす」と読みます。「冷える(ひえる)」の他動詞です。
ものの温度を下げるときに使います。
「冷ます」の使い方
Sample1 (すき焼きを食べながら)熱いから、冷まして食べたほうがいいよ。
Sample2 夏は体の熱を冷ますために、フレッシュな夏野菜を食べます。
Sample3 緊張していると失敗しやすいから、まずは大きく息を吸って、気持ちを冷ましましょう。
「冷やす」の使い方
Sample4 冷蔵庫にコーラが冷やしてあるよ。
Sample5 ドアに指を挟んで、腫れてしまったから、氷で冷やしました。
Sample6 (両親とけんかした友達に)そんなに怒らなくてもいいじゃない。ちょっと散歩でもして頭冷やしてきたら?
「冷ます」と「冷やす」は、他動詞ですので自然に冷たくなるのではなく、人が手を加えて温度を下げたという意味になります。
Sample6の「頭を冷やす」は、「落ち着く、冷静になる」という意味です。
( )に入る言葉を考えましょう。文に合うように形を変えて入れましょう。
① 今日は( )ね~。雨も降ってるし、暖かい服を着て行こう。
② ぼーっとテレビ見てると、スープが( )ちゃうわよ。
③ 今日は、パーティなので、飲み物を冷蔵庫に入れて( )ておきます。
④ お米がまだ熱いから、うちわで( )てから、お寿司を作ろう。
答え
①今日は( 冷える )ね~。雨も降ってるし、暖かい服を着て行こう。
…「今日は寒いですね」と意味は似ていますね。気温は誰かが下げたり上げたりできるものではないので、自動詞を使います。
②ぼーっとテレビ見てると、スープが( 冷め )ちゃうわよ。
…テレビを見ている間に、時間が経って自然にスープの温度が低くなるということなので、自動詞を使います。スープはもともと熱いものですから「冷める」と言います。
③今日は、パーティなので、飲み物を冷蔵庫に入れて( 冷やし )ておきます。
…話し手がするアクションなので、他動詞ですね。飲み物(コーラやワインなど)はもともととても熱いものではないので、「冷やす」を使いましょう。
④お米がまだ熱いから、うちわで( 冷まし )てから、お寿司を作ろう。
…これも話し手と聞き手がするアクションですから他動詞です。お米はできたときは、とても熱いですから、「冷ます」と言いましょう。
本日は「冷める」「冷える」「冷ます」「冷やす」の違いについてご紹介しました。
意味や使い方はマスターできましたか。
漢字が同じでも、読み方や意味が少し違うんですね。
皆さんも、今日学習した動詞を使って、ご自身で是非例文を作ってみてくだい。
会話の時に、これは他動詞だ、これは自動詞だと毎回考えるのは時間がかかってしまいますね。
そんな時は、自分で作った文や日本人が使っていた表現をそのまま真似して言ってみましょう!
自分の中に日本語のパターンができれば、話すのも簡単になりますよ。
それでは、今日はここまで。
また次回のブログでお会いしましょう!