北風のくれたテーブルかけ という話を日本語で読みましょう!/日本語ラーニングサポート
北風のくれたテーブルかけ を読みましょう!
今回は前回紹介した「北風のくれたテーブルかけ」のpart2をご紹介します。
前回のあらすじ↓
お母さんと二人で暮らしている貧しい少年がいました。ある日、北風がピューと吹いて少年の小麦粉を飛ばしてしまいました。困った少年は北風の家へ小麦粉を返してもらいに行きました。北風は小麦粉の代わりにごちそうを出すテーブルかけをくれました。
その夜少年は、疲れてある宿屋に泊まりますが、そこの主人と奥さんが少年のテーブルかけを盗んで、普通のテーブルかけと交換してしまったのです。
さて、少年はどうなるのでしょうか…
北風のくれたテーブルかけpart1が読みたいという方はこちら↓
https://nihongojikan.jp/blog/20240312-4252/
「北風のくれたテーブルかけ」part2
少年 :「北風さん!このテーブルかけごちそうを出さないよ!やっぱり小麦粉を返して!」
北風 :「うーん。小麦粉は持ってないんだよ…じゃあ、その代わりに金貨を出す羊をあげよう。」
少年 :「金貨を出す羊?」
北風 :「そうさ!『羊よ!金貨を出せ!』といえば、口から金貨が何枚も出てくる不思議な羊だよ。」
少年 :「それはすごい!北風さん、ありがとう!」
少年は、羊をもらって帰ろうとしましたが、帰る途中でまた夜になってしまいました。
そして、またあの宿屋に行くことにしました。
少年 :「すみません、今晩泊めてもらえますか?」
主人 :「おお、また来たか!」
少年 :「今日は、ちゃんとお金があります!金貨を出せる羊がいるんです。」
主人 :「そうかそうか。おもしろそうだ、見せてくれ。」
少年 :「羊よ!金貨を出せ!」
すると、羊はポロポロと口から金貨を出しました。
主人 :「おお、これはすごいなぁ!」
夜、少年が眠ったあと、主人と奥さんはまた少年の部屋にやってきました。
主人 :「これがあれば、毎日楽して暮らせるぞ!」
奥さん :「この羊も取ってしまいましょう!」
そうして、主人と奥さんは、金貨を出す羊と普通の羊を交換してしまいました。
次の日の朝、また少年は何も知らないで宿屋を出ていきました。
少年 :「お母さん!北風が金貨を出す羊をくれたよ!」
お母さん:「またそれも嘘(うそ)でしょう。」
少年 :「今度は本当だよ!羊よ金貨を出せ!」
でも、羊は何も出しません。
メーメーと鳴いているだけです。
お母さん:「ほら、やっぱり嘘だったじゃないか。あんた、そうやって遊んでいないで、家の仕事を手伝ってくれよ。」
少年 :「最後にもう一回だけ!北風のところへ行ってくる!」
少年はまた、走って北風の家へ行きました。
少年 :「北風さん!やっぱりこの羊、金貨を出さないよ!」
北風 :「うーん。おかしいな…。じゃあ、このステッキをあげよう。これはね、『ステッキよ!叩け!』と言うと、相手を叩いて君を守ってくれるよ。」
少年 :「わかった!ありがとう!」
少年は、また帰る途中であの宿屋の前に来ました。
少年 :「こんばんは。今日も泊めてください!」
主人 :「おお、来たか!君が来るのを楽しみにしてたんだよ!」
奥さん :「どうぞどうぞ、ゆっくりしていってね!」
少年 :「はい!ありがとうございます!今日は、この不思議なステッキを持って来ました!」
少年は、ステッキを見せました。
そして、その夜…
少年は、この宿屋の主人と奥さんがどうも怪しいと思っていたので、ベッドに入って寝ないで待っていました。
すると、主人と奥さんが部屋に入ってきました。
主人 :「このステッキも取ってしまおう!」
少年は飛び起きて
少年 :「ステッキよ!叩け!」
と大きな声で言いました。
すると、ステッキは主人と奥さんをポカポカポカッと叩きました。
主人 :「あー!痛い!許してくれ!」
奥さん :「テーブルかけも、羊も返すから、叩かないで~!」
少年 :「ステッキよ!とまれ!」
こうして、少年はテーブルかけと羊とステッキを持って、家に帰りました。
それから少年は、お母さんといっしょに毎日おいしいものを食べ、ずっと幸せに暮らしました。
いかがでしたか。
北風に小麦粉を返してもらいに行くという可愛らしいお話でしたね。
さて、ここからはお話の中に出てきた日本語について少し復習しましょう。
・少年は、この宿屋の主人と奥さんがどうも怪しいと思っていたので、ベッドに入って寝ないで待っていました。
今日は、この「~ないで~」という文法を復習しましょう!
これは、Aをしない状態でBをするという意味ですね。
Sample1 昨日の夜、エアコンを消さないで寝ちゃったから、のどが痛いよ。
Sample2 最近の人は、財布を持たないで出かける人が多いって本当ですか?
Sample3 今日は疲れたから、歯を磨かないで寝ちゃおう。
Sample4 この宿題は、辞書を使わないでやってください。
この文法と似ているもので「~ずに~」という文法があります。
意味は同じですが、「~ずに~」の方が硬い印象があり、書き言葉でよく使われます。
Sample1 電気を付けずにテレビを見ると目が悪くなります。
Sample2 まだ免許をとったばかりの人は、車に初心者マークを付けずに運転してはいけませんよ。
Sample3 大変なことも多いけれど、あきらめずに頑張りましょう!
Sample4 この料理は醤油をつけずに、そのまま召し上がってください。
今日は、「北風のくれたテーブルかけ」part2と文法「ないで」「ずに」をご紹介しました。
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