北風のくれたテーブルかけ というお話を知っていますか?日本語リーディングにトライしてみましょう!/日本語ラーニングサポートLLC

2024/03/12 ブログ

北風のくれたテーブルかけ というお話を読んでみましょう!

日本語学習にはリーディング練習が一番!

楽しくお話を読んで、正しい日本語を身につけましょう!

読むときは声に出して、発音や漢字も確認しながら読んでみてください。

「北風のくれたテーブルかけ」は長いので今回はpart1だけご紹介します。

それでは、読んでみましょう!

 

 

「北風のくれたテーブルかけ」part1

あるところに、貧しい少年がお母さんと二人で暮らしていました。

ある日、少年が小屋(こや)から小麦粉を持ってこようとすると、北風がピューっと吹いて、小麦粉を全部吹き飛ばしてしまいました。

少年  :「お母さん!北風が小麦粉を飛ばしちゃったよ!」

お母さん:「まあ!それじゃあ、今日食べるものもないじゃない!」

少年  :「僕、北風のところへ行って、小麦粉を返してもらってくるよ!」

そういうと少年は、北風が飛んで行ったほうへ走っていきました。

 

少年は何キロも走って、やっと北風の家に着きました。

少年  :「すみません、北風さん!あなたのせいで僕の家の小麦粉が全部飛んでいっちゃったんだよ!」

北風  :「そうだったのか。それは申し訳ない。じゃあ、その代わりにこの不思議なテーブルかけをあげよう。」

少年  :「不思議なテーブルかけ?」

北風  :「そうさ。これをテーブルの上にかけて、『テーブルかけよ!ごちそうを出せ!』と言うと、おいしいご飯をたくさん出してくれるよ。」

少年  :「すごい!北風さん、ありがとう!」

少年はテーブルかけをもらうと、走って家へ帰ろうとしましたが、北風の家は遠いので、途中で夜になってしまいました。

少年  :「あーあ、もう暗くなっちゃった。眠くなってきたし、どこかに泊めてもらおう。」

少年は、近くの宿屋(やどや)に入りました。

宿屋にはやさしそうな主人と奥さんがいました。

少年  :「あの…僕お金を持っていないんですが、一晩泊めてもらえませんか。」

主人  :「え?お金を持っていないのかい?」

少年  :「はい、その代わりに今日の夜ご飯をごちそうします!」

少年は、北風にもらったテーブルかけを宿屋のテーブルに広げて、言いました。

少年  :「テーブルかけよ!ごちそうを出せ!」

すると、テーブルかけはたちまち大きく広がって、おいしそうなごちそうがたくさん出てきました。

主人  :「なんということだ!」

奥さん :「まあ、不思議なテーブルかけね!」

少年  :「さあ、どうぞ!召し上がって下さい!」

宿屋の主人と奥さんは、少年のことがとても気に入り、一晩泊めてくれることになりました。

少年は、宿屋の主人と奥さんと楽しくお話しながらご飯を食べ、暖かいベッドで眠りました。

しかし、この宿屋の主人と奥さんは実は悪い人だったのです。

主人  :「あのテーブルかけがあれば、毎日ご飯を作らなくていいな。」

奥さん :「食材のお金もかからないわね!」

主人  :「よし、少年が寝ている間に取ってしまおう。」

主人と奥さんは、少年のテーブルかけと普通のテーブルかけを交換してしまいました。

次の日の朝、何も知らない少年は、二人にお礼を言って家へ帰りました。

 

少年  :「お母さん!北風がね!テーブルかけをくれたよ!ごちそうが出てくる不思議なテーブルかけなんだ!」

お母さん:「本当にそんなテーブルかけがあるのかい?」

少年  :「あるんだよ!見てて。テーブルかけよ!ごちそうを出せ!」

でも、テーブルかけはごちそうも出しません。

お母さん:「ほら、やっぱり嘘(うそ)じゃないか。」

少年  :「うーん。どうしてだろう…。僕もう一度北風のところへ行って、ちゃんと小麦粉をもらってくるよ。」

少年は、また北風の家へ行きました。

つづく…

 

いかがでしたか。

少年は今度はちゃんと北風に小麦粉を返してもらえるのでしょうか。

続きが気になる方は、part2もお楽しみに!

さて、ここからはお話に出てきた日本語について少しお話したいと思います。

このお話には「ごちそう」という言葉が出てきましたね。

「ごちそう」って何でしょうか?

ごちそうには、二つの意味があります。

一つは、豪華なご飯、ぜいたくな食事という意味です。

例)昔はお金がなかったからね。豚肉なんてごちそうだったよ。

 

二つ目は、もてなしという意味です。

このもてなしとは、パーティなどでゲストに食事やお酒を用意するということです。

例)今日は皆さんに、中華料理をごちそうします。

 

「ごちそう」という言葉は、皆さんも使っている挨拶フレーズにもありますね。

そうです。「ごちそうさま」です。

これは、もてなしをされた方が「すばらしいお料理でした。ありがとうございました。」

と言いたい時に言うフレーズですね。

ご飯を食べた後によくいいますが、何か食べ物のお土産をもらったときにも使えますよ。

 

「ごちそうさま」には、こんな意味があったんですね。

楽しく読んでいただけたでしょうか。

それでは、今日はここまでにしましょう。

「北風のくれたテーブルかけ」part2もすぐにアップしますので、少々お待ちください。

それでは、また次回のブログで!