「なさそう」と「そうにない」を上手に使いましょう/日本語ラーニングサポートLLC

2024/03/01 ブログ

「なさそう」と「そうにない」を上手に使って話しましょう。

似ている文法ですが、意味や使い方が少し違いますよ。

それぞれの使い方をしっかり覚えて、使いこなせるようになりましょう!


 

目次

1,そもそも「そう」とは何でしょう?

2,「なさそう」の使い方を考えましょう

3,「そうにない」の使い方を考えましょう

4, まとめと補足

 

1, そもそも「~そう」とは何でしょう?

 

「なさそう」「そうにない」の使い方を考える前に、まずは「~そう」の使い方を確認しておきましょう。

 

■このアイスクリーム、とてもおいしそう!

  →物事の様子や状態を言いたいときに、「~そう」を使って話します。「~のように見える」ということですね。様子を表しますから、基本的には「おいしい」「楽しい」「つらい」「大変だ」などの形容詞が使われますよ。動詞の「ます形」も使われることがありますが、この形については後ほど補足にてご説明します。

例)

・彼、就職試験に失敗してつらそうだね。心配だなあ。(つらい→つらそう)

・ハイキングのご案内…?楽しそう。私も行ってみようかな。(楽しい→楽しそう)

・JLPTのN1、受けてみたいけど勉強が大変そうだな。(大変→大変そう)

 

■すみません、15分くらい遅れそうです。先に会議を始めていてください。

  →未来のことを予想したり、これから起こる物事についてその可能性を話したりするときに使いも使います。周りの状況などを踏まえて客観的に見て~の可能性がある、~という状態になると思う、というニュアンスがあります。「動詞のます形+そう」という形を使って話しましょう。

例)

・空が暗くなってきた。雨が降りそうだから、窓を閉めよう。(降ります→降りそう)

・この料理、難しいな…失敗しそう。(失敗します→失敗しそう)

・東京のオフィスで3年務めてきたから、そろそろ転勤になりそうだな。(なります→なりそう)

 

*その他、「そう」には「山田さんによると、リンさんは来月引っ越すそうです」のように伝聞(人から聞いたこと)を表す使い方もありますが、今回は扱いません。伝聞の使い方についてはこちらのブログも参照してみてください!(日本語の初級文法をマスターしよう!教師の文法解説初級編~「~そうです」っていつ使うの?~/日本語ラーニングサポートLLC (nihongojikan.jp)

 

さて、ここまで「~そう」の使い方を見てきました。「様子を表す言い方」と「未来を予想する言い方」がありましたね。これらの否定形(ネガティブフォーム)が「なさそう」や「そうにない」、今回の本題です。


 

2,「なさそう」の使い方を考えましょう

 

■このソースは、そんなに辛くなさそうです。

  →先ほどの「様子を表す言い方」の否定形です。「辛そう」ではない、つまり「辛くなさそう(辛くないように見える)」という変化になります。

例)

・友子ちゃん、誕生日パーティーの主役なのに楽しくなさそう。具合悪いのかな?(楽しくない→楽しくなさそう)

・このカレー、高いわりにあまりおいしくなさそうだな…。(おいしくない→おいしくなさそう)

・このプロジェクトは、あまり大変じゃなさそうです。

  →ナ形容詞を使う場合は「~じゃなさそう」という形になります。


 

3,「そうにない」の使い方を考えましょう

 

■電車は事故で遅れているらしい。まだしばらく来そうにないね。

  →「未来を予想する言い方」ですね。電車が遅れていて、まだ来ないだろう、という意味です。「動詞のます形+そうにない」の形で使ってみましょう。

例)

・曇っているけれど明るいから、まだ雨は降りそうにないね。

・ラッシュアワーだから、帰りの電車には座れそうにない

・漢字が全然覚えられないから、今度の試験は受かりそうもないよ。

  →「そうもない」という言い方をすることもあります。同じように使うことができ、「そうなる可能性が少ない」ということがより強く伝わりますよ。


 

4,まとめと補足

 

ここまで「そう」の使い方とその否定形である「なさそう」「そうにない」の形について考えてきました。

以下にまとめてみると、

 

☆様子や状態を言いたいとき<形容詞、動詞のます形+そうだ/なさそうだ>

・このカレー、とても辛そうだ。

・このカレー、あまり辛くなさそうだ。

☆未来のことを予想する時<動詞のます形+そうだ/そうにない>

・今日は人が少ないから、電車で座れそうだ。

・今日は人が多いから、電車で座れそうにない。

*「そうもない」の形も使うことができ、より可能性の低さを強調する言い方になります。

 

このように使い分けることができます。

 

また、それぞれの用法に「動詞+そう/なさそう」の形で使うこともできます。

 

例)・彼が困っていそうだったら、助けてあげて。(困っています→困っていそう)

  ・今日はとても疲れた。12時間くらい寝られそう。(寝られます→寝られそう)

  ・この調子だと、試合には勝てなそうだな。(勝てない→勝てなそう)

  ・彼のコンサートは人気だから、今回もチケットは取れなそうだ。(取れない→取れなそう)

   →このように「動詞+なさそう」の形で使う場合には「さ」は入れずに話します。「勝てなさそう」「取れなさそう」という形で使われることもありますが、本来は誤りです。ただし、「ある/ない」を言うときには以下のようになります。

  ・この企画、ちょっと問題がありそうですね。もう一度考え直しましょう。

  ・このコンビニにトイレはなさそうです。

   

 

今回は「なさそう」と「そうにない」の使い分けをご紹介してきました。初中級の文法ですが、日本人同士の会話のなかでも誤って使ってしまうことのある部分です。ひととおりの使い分けを頭に入れたら、間違いを恐れずたくさん使ってみましょう!


 

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