見えます、見られますを上手に使い分けて日本語上手になりましょう / 日本語ラーニングサポートLLC

2024/02/18 ブログ

見えます、見られますを上手に使い分けて日本語上手になりましょう

 

〈今日もブログを読んで勉強しましょう!〉↓↓

「・・・が見えます」と「・・・が見られます」は意味が近く、間違った文を作ってしまいがちな動詞の代表的なものです。

どちらの言葉も[・・・を見ることができます]と同じように考えることができれば簡単なのですが、そうシンプルに整理することはできないようです。

以下にそれぞれ例を挙げます。

例:あ、あそこに立派なホテルが見えますね。

例:ここでは百年前と変わらない町並みが見られます

上記のように「見えます」「見られます」をきちんと使い分けて会話ができればOKです。

 

さあ、それぞれの動詞の違いを詳しく考えていきましょう。

 

 

 

〈本日の目次〉

1,「・・・が見えます」の話

2,「・・・が見られます」の話

3,「見えます」と「見られます」を間違えるケースについて

 

 

 

 

1,「・・・が見えます」の話

 

【重要ポイント】実際に見えています。目で何かが’ある’ことをキャッチしているのですね。つまり、目で見ている景色(視界)に対象物が入っているという意味です。

例を挙げます。

例:ここから綺麗に富士山が見えます

例:高尾山からは、横浜のビル群まで見えますよ。

例:眼鏡をかければ両目とも1.5まで見えます。←※視力1.5のレベルまで「c」マーク等の対象物を正しくキャッチして見ることが実現しているのですね。

例:おや、今日は山田君が見えませんね。←※人がたくさんいるけれど、山田君の姿が視界の中にない(目で山田くんの姿をキャッチできない)。つまり、ここにいないという意味です。

 

会話文でも「見えます」「見えません」という動詞が良く使われますね。

例①

A:「もしもし。いま近くにいるよ。新宿Pホテルの看板が見えます。どっちにいったら良いですか?」

B:「え?私はPホテルの前にいますよ。ここです。そちらから手を振っている人(私)が見えませんか?・・う〜ん、おかしいなあ。こっちからはAさんが全然見えませんよ」

例②オンラインミーティング(ビデオ通話)で、

A:「あ、電波が悪いみたい。何も見えません

B:「ごめん、WiFi切り替えるね。・・・。どう、今は見えますか?」

↑このような具合です。

ところで、今実際に見えているわけではない場合、つまりある条件下での状態を話す場合にも「見えます」はよく使われますね。

例:今夜はきっと綺麗な月が見えますよ。

例:この家の二階の窓からは花火がよく見えます

※ある日、ある時間、ある条件の下で指定の場所からは視界に◯◯を収めることができるという意味ですね。

 

 

 

 

2,「・・・が見られます」の話

 

【重要ポイント】〈見ることが可能である〉という意味です。つまり、ある位置/時からの視界に関してコンディションの話をしているわけです。

ある場所についての様子を視覚的に説明する場合も多いでしょうか。

例を挙げます。

例:今夜は海の上に花火が見られるそうだよ。

例:上野動物園ではパンダが見られるんです。

例:もう暖かくて、東京に春のファッションが見られました。←※町行く人がコートを脱いで春らしい装いで行き交っているのですね。

例:新宿の駅前では、ストリートパフォーマンスが見られますよ。

やはり、特別に何かを見ることができるという「可能形」の動詞であることをよく確認しましょう。

 

以下のようなケースでも積極的に「見られます」を使って話したいところです。↓

例:東京では毎日素晴らしい舞台(=ショー)が見られます

例:来月の展覧会では大好きなゴッホが見られるんです!←※ゴッホの絵が美術館にやってくるんですね。楽しみです。

※ザッツ・エンターテインメント! イベントとか観光の予定とか毎日を彩る何か、「見られます」を使うことで臨場感と一緒に(=ライブに!)話すことができますね。

[OK]毎日素晴らしい舞台があります。

[◎] 毎日素晴らしい舞台が見られます!

 

 

 

 

3,「見えます」と「見られます」を間違えるケースについて

 

【注意noポイント!】「・・・を見ることができます」と同様に可能のニュアンスで話す一部の場面で混同が生じます

例X:今夜はきっと綺麗な月が見えますよ。

例Y:今夜はきっと綺麗な月が見られます

↑X,Yともに「今夜、綺麗な月が見られるだろう」と話しています

夜空にキラキラのお月さま、素敵なシーンが目に浮かびますね。

 

では質問を一つ、

Q:どちらの文が正しい日本語なのでしょうか。

ー A:どちらも正しい日本語です。ただし、ニュアンスが同じではありません。

※このように回答するしかありません。

例Xの文「綺麗な月が見えます」は、月が夜の空に存在すること。美しい風景を眺めることに思いを馳せて話しているように感じられます。

例Yの文「綺麗な月が見られます」は、私たちが期待している綺麗な月が夜になれば空にやってくること、美しい風景を楽しめるだろうことを話しているように感じられます。

上のポイントが微妙なニュアンスの差です。

勉強のポイントをよく確認したら頭の中にしっかりと知識をストックしましょう。

あとは実戦の場面に出会った時、タイミングよく自分の感じるままに思うように覚えた言葉「見えます」「見られます」を使ってください。

きっと素敵な日本語の会話ができているはずですよ!

※個人的なフィーリングと言えばそれまでですが例Yの文には「満月」がより似合う言葉のようにも感じますね。

例Y':今夜はきっと綺麗な満月が見られますよ。

より生き生きとした言葉が生まれたと思います。

 

ちなみに、「聞こえます」「聞けます」という音に関する動詞もほぼ同様に区分して考えてください。

例:部屋の外から音楽が聞こえます

例:今夜のステージでは素晴らしい歌声が聞けますよ。

このように話し分けていただければOKだと思います。

 

 

 

いかがでしたか?

本日のブログ記事はこれで終了です。

勉強したポイントを皆様の日本語のスキルアップに活かしていただければ本当に嬉しい限りです。

見る、という動作は私たちの生活における基本的な能力の一つと言っても良いでしょう。それ故に様々な場面に多様な使い方をされています。

記事の中では極シンプルに基本的な領域に関しての整理をしました。

「見えます」「見られます」それぞれの動詞の特性に注意して、応用問題的なケースに出会ってもイメージを膨らませて対応していきましょう。

こうして一つひとつをコツコツと覚える日本語のストックこそが、カラフルな(豊かで大きな)あなたの日本語になるでしょう。

ちなみに、「見る」は可能形・受身形ともに「見られる」の同形を取りますのでどうしても意味が分からない文に出会ったときはこの点も念頭に置いて考えてみることが必要です。

ご質問や不明点があればお気軽にお知らせくださいね。

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きっと驚くような日本語の発見と出会うことができますよ。

 

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