あいだに、うちに は何が違う?日本語文法の使い分けを考えてみよう!

あいだに、うちに、は何が違いますか?
どちらも一定の期間を表す言葉ですが、この二つは同じ使い方をしても大丈夫でしょうか。
この二つは同じ意味で使うこともできますが、実は少し違うニュアンスがあります。
皆さんは、何が違うのか分かりますか?
本日は、この「~あいだに」「~うちに」の使い方をご紹介しますので、例文を見ながら日本語文法の学習を頑張りましょう!
・東京にいる間に、スカイツリーに登ってみたい。
・東京にいるうちに、スカイツリーに登ってみたい。
この二つの文はどちらも正しい文です。
では、次の二つはどうでしょう。
〇バスを待っている間に、コーヒーを買いました。
×バスを待っているうちに、コーヒーを買いました。
ここでは「うちに」を使うとちょっと不自然です。
どうしてでしょうか。
【~うちに】
意味:Aの状態が終わる前に、Bをする。
「~まえに」とも置き換えることができるときもあります。
また、Aの状態が終わる前にBをしないと、そのチャンスがなくなる。
この期間でなければならないというような強い意味があります。
Sample1 若いうちに、たくさん勉強しておいたほうがいいよ。
Sample2 独身のうちに、旅行とか好きなことをやっておきたい。
Sample3 暗くならないうちに、帰りましょう。
Sample4 ギョーザは、冷めないうちに食べてください。
4つとも、その期間が終わったらもうチャンスがない、もう遅いという意味が入っています。
これらは、「~前に」に変えることもできます。
「若いうちに」は、「年をとる前に」という意味ですね。
「独身のうちに」→「結婚する前に」
「暗くならないうちに」→「暗くなる前に」
「冷めないうちに」→「冷める前に」
ただし、「~前に」は「~ない前に」という言い方はできませんので注意しましょう。
さて、上の例文、
①「東京にいるうちに、スカイツリーに登ってみたい。」
②「バスを待っているうちに、コーヒーを買いました。」
を見てみましょう。
①は、東京からいなくなったら(別のところへ行ったら)もう、スカイツリーに登るチャンスがないという意味になります。
では、②はどうでしょう。コーヒーはいつでも買うことができますね。
ですから、「もうチャンスがない」「もう遅い」という意味が入っている「うちに」と一緒に使うと、少し不自然になります。
また、「~うちに」「~うち」ははっきりとした時間の区切りがない時にも使います。
Sample5 近いうちにまた会いましょう。
Sample6 指、切っちゃったの?ああ、そのくらいなら大丈夫。そのうち治るよ。
Sample7 絵を描いているうちに、外が暗くなっていた。
「近いうちに」や「そのうち」は、はっきりとした時間は分からないけれど、すぐに、しばらくしたら~するという意味になります。
ここでは、「近い間に」「その間に」は使えません。
「絵を描いているうちに、外が暗くなっていた」というのは、話し手が絵を描くことに夢中になっていて、時間が経ったという感覚がなかった。暗くなったことに気が付かなかったという意味になります。
【~間に】
意味:Aの期間に、Bをする。
ずっと~するということではありません。
その期間がいつからいつまでなのかはっきりと分かっている場合が多いです。
Sample1 子供が寝ている間に、ドラマを見よう。
Sample2 お昼休みの間に、トイレに行っておきます。
Sample3 ちょっと見ない間に、大人っぽくなったね。
Sample4 ねこちゃん、誰もいない間に花瓶を倒したみたい。
「子供が寝ている間」「昼休みの間」「誰もいない間」などは、期間がいつからいつまでなのか、はっきりと分かりますね。
「ちょっと見ない間に、大人っぽくなったね」は、話し手が聞き手とどのくらい会っていなかったのか、はっきりと分かっている時に使います。例えば、半年とか一年とかですね。「ちょっと見ないうちに、大人っぽくなったね」と言うこともできますが、この場合は、話し手が聞き手とどのくらい会っていなかったのかはっきり覚えていないというニュアンスになります。
「うちに」のSample7にある「絵を描いているうちに、外が暗くなってきた」も同じです。
「絵を描いているうちに~」というと、はっきり期間が分からないという意味になりますが、「絵を描いている間に、外が暗くなってきた」というと、話し手はその期間がはっきり分かっている、覚えているという意味になります。
いかがでしたか。
楽しく学習できましたでしょうか。
本日は、「うちに」と「間に」の意味と使い分けについてご紹介しました。
この二つは、置き換えることもできますが、ニュアンスが少し変わるので、ご自身の表現したい内容に合わせて使ってみてください。
例文もたくさんご用意しましたので、まずは例文を真似して使うだけでも大丈夫です。
次に、例文の他にはどんな使い方ができるのかご自身で場面を想像してみましょう。
そして、日本語を読むときや新しく言葉を覚えるときは、声に出して練習しましょう!
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