ホラふき和尚という話を読みましょう!日本語読み物でぐんぐんレベルアップしよう!

2024/01/15 ブログ

ホラふき和尚 というお話を読みましょう。

今年の干支は、辰(龍)ですね。

そこで今日は龍が出てくるお話「ホラふき和尚」を読みましょう。

「ホラふき」というのは嘘つきという意味です。

どんなお話なのでしょうか。さっそく読んでいきましょう。

 

 

「ホラふき和尚(おしょう)」

むかしむかし、ある古いお寺に一人の和尚さんが住んでいました。

この和尚さんは、いつも冗談や嘘ばかり言うので「ホラふき和尚」と呼ばれていました。

村の人は、みんな「ホラ吹き和尚」を信じていませんでした。

 

ある日、和尚さんはみんなを驚かせようと思い、お寺の近くの池の前に看板を立てました。

「明日のお昼、この池から龍が天に昇るぞ。池の主の龍より。」

この看板を見た村人たちはびっくりしました。

村人1:「おい、看板を見たか?この池から龍が出るんだってよ。」

村人2:「見た見た!この辺りには、昔から龍が出るって話があったんだよ!」

村人1:「やっぱりそうなんだな!じゃあ、明日の昼、池に行って見てみよう!」

和尚さんが書いたものだと知らなかったので、村人たちはみんなこの看板を信じてしまいました。

 

次の日、朝から池の周りには人がたくさん集まりました。

みんな本物の龍をこの目で見たいとやってきたのです。

和尚さんは、池の周りの村人たちを見て笑いました。

和尚さん:「ははははははは!みんな私の嘘だと知らずに集まってきたな!昼を過ぎてもみんな龍が出ると思って待っているだろうな。夕方くらいにわしが出て行って、みんなに全部嘘だったと言ってやろう。さて、村人たちはどんな顔をするかな。」

なんていじわるな和尚さんなんでしょう。

そんな和尚さんの悪さだと知らない村人たちは、龍が出るのを今か今かと待っていました。

 

ちょうど昼頃、和尚さんが昼ご飯を食べようかなと思っていた時、急に空が暗くなり始めました。

和尚さん:「あれ?雨かな?」

和尚さんが、外に出てみると…

ゴゴゴゴゴ…!

なんと目の前の池から大きな龍が出てきて、空に昇って行くではありませんか!!

和尚さん:「ほ…本物だ!!」

龍はきらきらと光って、黒い雲の中に消えていきました。

すぐに黒い雲も消えて、空が明るくなりました。

村人たちはとても驚きましたが、和尚さんはもっと驚きました。

自分の言った嘘が本当になってしまったからです。

和尚さんはすぐにみんなのところへ走って行って言いました。

和尚さん:「おーい、みんな!あの看板はわしが作ったんだ!!そうしたら、本当に龍が出てきたんだよ!!」

しかし、村人たちは言いました。

村人1:「ははは。またホラふき和尚が嘘を言っているぞ!」

村人2:「誰もそんな分かりやすい嘘、信じないよ!」

いつも嘘ばかり言っている和尚さんは、本当のことを言っても誰も信じてくれませんでした。

 

 

 

いかがでしたか。

このお話は山口県の民話です。

いつも嘘をついていると、本当に信じてほしい時に誰も信じてくれないという教訓を伝えているんですね。

 

それでは、ここからはお話の中の文法を少し解説したいと思います。

「なんていじわるな和尚さんなんでしょう。」

 

今日ご紹介するのは「なんて~なんだろう」です。

「なんて~なんだろう」は「とても~」という意味です。

驚いたときや強調したい時に使います。

【なんて~なんだろう】

Sample1 なんてきれいな女の子なんだ!

Sample2 なんて寒いんだ!

Sample3 この寿司はなんておいしいんだろう!

 

強調して話す言葉です。小説やアニメなどでよく使われます。

また、「~なんて」という文法もあるので、そちらも見ていきましょう。

【なんて】驚き

Sample1 彼が昇進したなんて!

Sample2 このセットメニューが1000円だなんて信じられない!

Sample3 恋人の誕生日を忘れるなんて最低だ!

 

「~なんて」は、びっくりしたり、信じられない、常識では考えられないと思う時に使うことができます。

動詞、形容詞、名詞の普通形の後ろにつけます。

後ろには、否定的な意見が来ることが多いです。

 

「~なんて」には、他の使い方もあります。

【なんて】謙遜、軽視

Sample1 いえいえ。私なんかまだまだですよ。

Sample2 紙袋なんかとっておいて何に使うの?

Sample3 趣味なんかなくても幸せに暮らしてるから大丈夫だよ。

 

Sample1は謙遜の使い方です。誰かに褒められたときによく使います。私はそれほど優秀ではありませんという意味ですね。

Sample2と3は、軽視です。話し手が、「紙袋」「趣味」を大切だと思っていないことを表しています。

 

【なんて】例示

Sample1 このワンピースなんてどう?田中さんに似合いそう!

Sample2 夏休みの旅行、沖縄なんてどう?何年も行ってないし。

Sample3 これなんていいんじゃない?あなた字が大きくて見やすい携帯がほしいって言ってたじゃない。

 

カジュアルな場面で使います。

話し手が何かを例に挙げて例えばこれはどうですか?(いいと思いますよ)と言っているんですね。

 

今日の学習はいかがでしたでしょうか。

「ホラふき和尚」というお話と「なんて~なんだろう」「~なんて」の使い方をご紹介しました。

楽しんでいただけましたか。

普段文法の教科書で学習していて、難しい!覚えられない!と思っている方は、読み物から学習する方法もあります。

読みながら、自分の好きなフレーズや表現を見つけてみましょう。

それでは、今日はここまで!

また次回のブログでお会いしましょう。

良い一週間をお過ごしください