「手伝う」ことと「助ける」こと、なにが違うでしょう?

2024/01/10 ブログ

「手伝う」と「助ける」、この二つの言葉はレッスンの中でも使い分けに迷われる方が多い印象があります。どちらも相手のために何かをしてあげる、というイメージが核となる言葉ですが、それぞれ自然に使える場面は異なりますよ。

 

まず大まかなポイントとしては、

「手伝う」は相手と協力し、一緒に作業をして物事をうまく進める

「助ける」は困っている相手に対して、困難な状況を取り除く行動をする

 

このポイントを頭に入れたうえで、それぞれの違いを考えてみましょう。

また、最後には「手を貸す」など同じような意味の言葉も紹介していますから、ぜひそれぞれの違いを考えながら読んでみてくださいね。

 

「手伝います」

 →相手の仕事や行動の一部を代わりにやってあげるなど協力して一つの作業を進める場合に「手伝う」を使います。

例)

・田中「昨日は資料作りを手伝ってくれてありがとう。おかげで残業しなくて済んだよ。」

 山田「どういたしまして。」

 

・母「太郎、ひまでしょう?夕食作りを手伝って!」

 太郎「えー、今ゲームしてるんだけど。」

 

・山本「今週中に展示会の準備をしなくちゃならないんだ。」

 リン「わたし時間あるから、もしよければ手伝おうか?」

 

…相手と同じ目的を持ち、相手の仕事や作業(資料作り、夕食作り、展示会の準備など)を「一緒にやる」ことでうまく、早く進むようにしてあげるのが「手伝う」の基本的なイメージです。

 

☆また、ある原因にさらに原因が重なって~になる、という時にも使われることがあります。

例)

・猛暑に雨不足も手伝って、去年の夏は野菜が全然育たなかった。

  →「猛暑」で野菜の育ちが悪くなっているところに、「雨不足」という要素も加わってますます野菜が育たなくなってしまった、という意味です。


 

「助けます」

 →困難な状況にある相手に対して、その状況から抜け出せるように行動することを「助ける」といいます。

 

・電車の中で気分が悪くなってしまったとき、まわりの乗客がお水をくれたり駅員に連絡したりして助けてくれました。

 

・山田「山本さん、この前川でおぼれている子供を助けたんだって。」

 田中「へえ、すごいね。」

 

・優子「きゃー、服に大きな蜘蛛がついてる!誰か助けて!」

 兄 「大げさだなあ。今とってあげるよ。」

 

…「手伝う」が相手と同じ目的をもって一緒に作業をしていたのに対し、「助ける」は相手と同じ作業をするとは限りません。困っている相手が困難な状況(気分が悪い、おぼれている、蜘蛛が服についているなど)から抜け出せるように何らかの行動をしてあげるのが「助ける」です。災害の時などに危険な場所にいる人をヘリやボートで安全な場所へ移動させることを「救助する」を言いますが、そのイメージがいちばんわかりやすいかもしれませんね。

 

上記のポイントをまとめてみましょう。

 

A、 高橋「今回研究を成功させることができたのは、早川さんが手伝ってくれたからです。ほんとうにありがとうございました。」

B、 高橋「今回研究を成功させることができたのは、早川さんの助けがあったからです。ほんとうにありがとうございました。」

―早川「いえ、とんでもない。成功して良かったですね。」

 

 →それぞれの場面で、早川さんは何をしたでしょうか?先ほどの観点で考えると、Aは早川さんが高橋さんと一緒に研究を行った、または研究の一部をやってあげた、と考えられます。Bもその可能性はありますが、どちらかというと研究以外の部分(例えば資金のサポートとか、論文発表のための事務手続き、データ使用の許可取りなどでしょうか?)で高橋さんの困りごとを取り除くような行動をしたのかな、ということが想像できるわけです。


 

☆「手伝う」「助ける」と似た言葉に、「手を貸す」「力を貸す」という言葉もあります。どちらも基本的には同じように相手を手助けしてあげる、という意味を持ちますが、「手を貸す」のほうはどちらかといえばマンパワー、労働力を提供するというニュアンスで使われることが多いです。対して「力を貸す」というとその人の能力や資金力などを生かして相手を助けてあげる、というニュアンスが強く出ます。

例)

・田中「こっちの仕事が忙しすぎて手が回らないんだ。悪いけどちょっと手を貸してくれない?」

 山田「いいよ。こっちはそんなに急ぎの仕事がないから、部下もつれて手伝いに行くよ。」

  →その仕事をする人数を増やして作業を進める、というイメージですね。日本人は忙しい時に「猫の手も借りたい」といいますが、役に立たないとわかっていてもどんな小さな労働力にでも頼りたい、という切実な気持ちが伝わってきます。

 

・田中「僕だけでは会社のルールを変えることはできないんです。力を貸して頂けませんか?」

 課長「わかった。ぼくからも部長に話してみるよ。」

  →課長という立場を生かし、課長だからこそできる方法で田中くんに協力する、というようなニュアンスが読み取れます。ビジネスシーンにおいて協力を求めるときなどにもこちらが使われます。「手を貸してください」というと誰でもいいから労働力が欲しい、という意味にとられかねず、失礼になってしまうのです。


 

さて、今回は「手伝う」と「助ける」の使い分けを中心にご紹介してきました。「ちょっと荷物を運ぶのを手伝ってほしい」ときに「助けて!」といえば大げさに聞こえてしまいますし、本当に危険な状態にあるときに「手伝ってください」というのは危機感がなく、あまり差し迫った重大な事ではないという印象を相手に与えてしまいます。程度の差はもちろんあり、どちらを使ってもあまり違和感がない場合もありますが、よりよく物事を進めたいのか、困った状況を元に戻したいのか、より適切な使い方を常に考えながら使ってみましょう。



 

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