目にする、目がない はどういう意味でしょうか。体の一部を使った慣用句を学習しましょう!

目にする、目がない はどういう意味でしょうか。
皆さんも日本語を勉強していて、こんな言葉を聞いたことがありますか。
これらは、慣用句と呼ばれる言葉です。
慣用句は、二つ以上の言葉がセットになって一つの意味を表す言葉のことです。
本日は、「目」を使った慣用句をいくつかご紹介します。
会話や作文でも使えるので、是非このブログを読んで学習しましょう!
【目にする】
Sample1 彼は、北海道ですばらしい景色を目にした。
Sample2 亡くなった祖父の部屋で、私は意外なものを目にした。
Sample3 電車の中で乗客が眠っているというのは、日本ではよく目にする光景だ。
Sample4 昔は、自分の子供でなくても悪さをしたら近所の大人が叱りつけるなんてよくあることだったが、現代ではそういう大人を目にすることはほとんどない。
「目にする」は、見る、見かけるという意味です。自然に目の中に入ってきて、見えるものに使います。
これは、一つの言葉なので「目」「する」に分けられません。セットで覚えましょう。
【目がない】
Sample1 私、甘いものに目がないんですよ。
Sample2 田中さんは、お金の話に目がなくて、いつも儲かりそうなビジネスを探している。
Sample3 彼は、高級車に目がなく、また新しい車を買おうとしている。
Sample4 うちの娘、まだ1歳なのにキラキラしたものに目がなくて…ジュエリーの雑誌ばかり見ているんですよ。
「目がない」は、夢中だ、大好きだという意味でよく使われます。
日常会話でも出てくるので、皆さんもどこかで聞いたことがあるかもしれませんね。
また、「目がない」は、別の使い方もありますので、一緒に見ていきましょう。
・田中さん、また浮気されて別れちゃったんだって。あの人、美人なのに、男の人を見る目がないよね。
・A:あの人、いつも同じ服着てるし、冴えない感じだよね。
B:見る目がないな~。あの人、実は仕事も速いし、メガネを取るとかっこいいんだよ。
「~を見る目がない」の形で、良いか悪いかを判断する能力がないという意味を表すことができます。
・このチームは試合の数日前にキャプテンが怪我をしてしまい、誰もが優勝の目はなくなったと思った。
この場合の「目がない」は、チャンスや可能性がないという意味です。
【目を配る】
Sample1 親は、子供に危険がないかどうか常に目を配っておかなければならない。
Sample2 私のクラスの先生は、生徒ひとりひとりに目を配っている。
Sample3 部下の感情の変化にまで目を配れる上司は優秀だ。
Sample4 政府は、貧困家庭にもっと目を配るべきだと思う。
「目を配る」は注意する、よく見る、気にする、意識するという意味です。
親、先生、上司、政府など、上の人が下の人に対して注意を向けるという時によく使われます。
似ている表現で「気を配る」というものもあります。
・彼女は、いつも周りの人に気を配っている。
「目を配る」と「気を配る」は、どちらも注意する、気にするという意味では同じですが、「気を配る」は、相手への思いやり、親切な気持ちがあるというニュアンスがあります。「目を配る」は、親切な気持ちというより、その責任があって、見落としがないようにしっかり見るという意味が強いです。
【目を盗む】
Sample1 学生の時、先生の目を盗んで、授業中にお菓子を食べたことがある。
Sample2 彼は、親の目を盗んで、親の財布からお金を取ってしまったらしい。
Sample3 妻から緊急のメールが来たので、会議中に上司の目を盗んで、返信した。
Sample4 人目を盗んで、立ち入り禁止のエリアに入った。
「目を盗む」は、誰かに見られないようにして~をするという意味です。
「先生の目を盗む」は、先生に見られないようにする、「人目を盗む」は、他の人、みんなに見られないようにするということですね。
一般的に、悪いことをする時に使います。
それでは、今日の学習を振り返って、練習問題に挑戦しましょう。
答えは、このブログの一番下に書きます。
練習問題 ( )の中に適切な言葉を入れましょう。
①市民プールのスタッフは、危険を防ぐためにお客さんひとりひとりに( )なければならない。
②警官の( )で、犯人が逃げ出した。
③部長は、日本酒に( )て、日本酒がおいしいお店に詳しい。
④2年前は、コロナウイルスが流行していたので、フェイスガードをつけて歩いている人をたまに( )が、今ではすっかり見なくなった。
いかがでしたか。全部わかりましたか。
本日は、「目」に関係のある慣用句を4つご紹介しました。
会話や作文の中でも是非使ってみてください。
慣用句を上手に使えば、皆さんの日本語はきっともっと豊かになりますよ。
また、皆さんの国にも同じような慣用句がありますか。
自分の国の表現と比べてみるのも面白いですね。
それでは、今日はここまでにしましょう。
また次回のブログで!
解答
①市民プールのスタッフは、危険を防ぐためにお客さんひとりひとりに( 目を配ら )なければならない。
②警官の( 目を盗ん )で、犯人が逃げ出した。
③部長は、日本酒に( 目がなく )て、日本酒がおいしいお店に詳しい。
④2年前は、コロナウイルスが流行していたので、フェイスガードをつけて歩いている人をたまに( 目にした )が、今ではすっかり見なくなった。