「ますか」「ませんか」「ましょうか」は何が違うでしょう?

2023/12/15 ブログ

「ますか」と「ませんか」、「ましょうか」の違いを考えましょう。

一緒に行きますか。

一緒に行きませんか。

一緒に行きましょうか。

それぞれどんな時に使えばよいでしょうか?

 

基本的なポイントは以下のようになります。

☆相手の行動について質問するときは「ますか」

☆相手をお誘いするときには「ませんか」

☆相手に何かを申し出るときは「ましょうか」

 

それでは、それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

例えば次のような場面で、田中くんは何と言いえばいいでしょうか?

 

田中(今日リンさんは何時に仕事が終わるんだろう…。)

「リンさん、今日は何時に仕事が_______?」

 

この場合、「ますか」を使って「何時に仕事が終わりますか?」と聞きます。

 

■今日は何時に仕事が終わりますか?

 

→相手の行動や予定などについてシンプルに質問したいときには「ますか」を使います。

相手を誘うなど、「質問」以外のニュアンスは基本的には持ちません。

例)

・山田「田中さんは、北海道へ行ったことがありますか?」

 田中「ええ、2回ほどありますよ。自然も豊かだし食べ物もおいしくていいところです。」

 

・山田「(会社の飲み会にて)課長は何を召し上がりますか?」

 課長「じゃあ…ビールと、串焼きを5本頼んでください。」

 

・山田「明日は何時に帰ってくる?」

 奥さん「明日が締め切りだから少し残業すると思う。夜の9時ごろかな。」

  →カジュアルな形で質問するときには動詞の辞書形を使いますよ。

 

・(×)山田くん、週末一緒に映画を観に行きますか?

→「ますか」は前述の通り相手(山田くん)の行動や予定を聞くだけなので、山田くんからするとこれでは「自分が誘われているのかよくわからない」という状況になってしまいます。また、場合によっては「元々あなたを誘うつもりはなかったけれど、行きたい?」のようなニュアンスになってしまうこともあるので注意が必要です。

ただ、親しい間柄やよく遊びに行く仲間であれば、「明日飲みに行く?」のように聞くこともあります。この場合、基本的に誘いに対してのOKの返事が高確率でもらえる場合に確認の意味で聞くことも多いです。


 

では、このような場面ではどうでしょうか。

田中(今日の仕事終わりに、リンさんと一緒に飲みに行きたいな…。)

「リンさん、今晩飲みに____________?」

 

こんな時は、「ませんか」を使って「飲みに行きませんか」と言います。

 

■リンさん、今晩飲みに行きませんか?

 

→相手を誘いたいときや相手に提案をしたいとき、「~ませんか?」を使います。

動詞の「ます形+ませんか」の形(カジュアルの場合は「ない形」)を使いますよ。

例)

・田中「来週の土曜日、一緒に映画を観に行きませんか?」

 山田「いいですね、行きましょう。」

 

・奥さん「週末にテニスの大会があるんだけど、一緒に行かない?」

 山田 「いいよ、行こう!」

 

・田中「来月富士山に登るつもりなんだけど、一緒に登らない?」

 林 「うーん、ちょっと…。疲れるからやめておこうかな。」

 

・山田「明日のミーティングだけど、林さんが体調が悪いようなので水曜日に変更しませんか?」

 田中「それは心配ですね。ええ、水曜日にしましょう。」

 →こんなふうに相手と一緒に行うことについて提案をするときにも使います。


 

では次のような場面ではどうでしょうか。

田中(林くんの持っている荷物、重そうだな。持ってあげたいけれど…)

「あの…その荷物、_________?」

 

こんな時は、「ましょうか」を使って、「持ちましょうか」と言います。

 

■その荷物、持ちましょうか?

 

→自分が何かを手伝いたいとき、相手のためになにか行動しようと申し出るときには「~ましょうか」と言います。「ますか」「ませんか」が相手の行動について質問する形だったのに対し、「ましょうか」は自分(または一緒に行動する相手と自分)の行動について話す時に使いますよ。

 

例)

・忙しそうですね。もしよければ、資料を作るのを手伝いましょうか

・ちょっと暗いですね。電気をつけましょうか

・なんだか寒くなったね。暖房をつけようか

   →カジュアルな形では動詞の意向形を使って、「~ようか」と言います。

 

また、日程調整など相手と一緒に行動や予定のすり合わせをするときにも使いますよ。

・山田「次回の会議ですが、水曜日の15時に行いましょうか。」

 上司「そうしましょう。」

 

・山田「明日は雨になるみたいだね。サイクリングをする予定だったけど、美術館とかカフェに行こうか。」

 奥さん「そうね。室内で楽しめるところがいいわ。」

→このように「ましょうか」使う場合は、「会議を行う」「一緒に過ごす」という事はすでに決まっている状態で、より日時や場所などのより詳細な情報を決めるような状況で使うのが適切です。


 

最後に会話文を見てみましょう。

田中くんの言葉に注目して読んでみてくださいね。

 

田中「リンさん、今日は何時ごろ仕事が終わりますか?」

リン「18時ごろには終わりますよ。」

田中「もしよければ、今晩飲みに行きませんか?」

リン「いいですね、飲みましょう!」

田中「じゃあ…19時に“とりや”で待ち合わせましょうか。」

リン「わかりました、では19時にとりやで会いましょう。」

田中「ホームページのリンクを送りましょうか?」

リン「いえ、一度行ったことがあるので大丈夫です。焼き鳥のおいしい店ですよね!」

 

流れがイメージできたでしょうか?まずリンさんの予定を聞く「ますか」、飲みに誘う「ませんか」、日時や場所のすり合わせをしたり、相手のためにリンク送信を申し出る「ましょうか」…。

それぞれ使い方に違いがあることがわかりましたね。

今回ご紹介した文法はいずれも初級の学習に出てくるものですが、レッスンをしていると中上級の方でも迷ってしまう場面があるようです。使い方を間違えると意味が伝わらなかったり少し失礼な印象を与えてしまったりする部分ですから、この機会にしっかり確認して、日頃の会話でも正しく使いましょう!



 

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