「疲れ気味」、「疲れがち」 違いは何でしょう?
様子や傾向の表現を学びましょう。
今年も年末に差し掛かり、公私ともせわしない季節になってきました。特に来月12月は「師走」(しわす:地位の高い人でも忙しく駆け回らなければならいない時期という意味)という名前がついているように、なんとなくバタバタと忙しい感覚、みなさんも感じるところだと思います。
こんな時期には、疲れも溜まり、体調も崩しやすくなるものですね。今回はそんなときに便利に使える言い方について学びます。
タイトルにもある「疲れ気味(ぎみ)」と「疲れがち」、それぞれ疲れた感じは伝わってきますが、それぞれどんな違いがあるのでしょうか?
(1) 最近なんだか疲れ気味なんだよね。
「~気味」はその時の様子や傾向、「いつもと違って~の感じがする」「少し~という感じだ」といった感覚を表す言い方です。上の文、「疲れ気味」と言えば「(普段と違って)最近は疲れることが多い」「ここ数日、いつもより疲れている感じがする」という意味を伝えることができます。
例)
・先輩「どうしたの?元気ないね。」
―リン「一昨日からちょっと風邪気味なんです」
・同僚「どう?会議は時間通り終わりそう?」
―田中「ううん、遅れ気味。多分15分くらい長引くと思う。」
・優子「最近ずっと貧血気味で、いつもくらくらするの。」
―兄「お肉やプルーンをたくさん食べて、鉄分をとると良いよ。」
*くらくら:めまいがしてうまく立っていられない様子
こんなふうに使います。それぞれ「少し風邪のような症状がある」「予定時刻から遅れている傾向にある」「貧血でくらくらすることが多い」という言いかたもできるでしょうか。名詞にくっつく時はそのまま、動詞にくっつく時は「遅れます→遅れ気味」のようにます形から「ます」をとった形にします。
・(×)最近は珍しく体調が良くて、元気気味なんだ!
→良いことですが、残念ながらこういう時には「~気味」は使えません。「~気味」は主に悪いことについて使うからです。「風邪」「貧血」「遅れる」「疲れる」などの言葉のほかに、状況によっては「上がる」「下がる」「縮小する」などの言葉もつかえます。反対に「元気」「成長」「喜ぶ」などのポジティブな言葉には使えません。
・(○)a,うちの妹、最近太っているんだ。
(○)b,うちの妹、最近太り気味なんだ。
→さて、この二つの文からそれぞれどんな印象を受けるでしょうか?「~気味」には前述の通り「少し~感じがする」という意味もあるので、「太っている」というよりもbの文「太り気味」のほうがマイルドな言い方になりますよ。
(2) 最近なんだか疲れがちなんだよね。
「~がち」も様子や傾向を表す言葉なのですが、「よく~になる」「~が起こる/~の状態になることが何度もある」という意味を持っています。「~気味」がその時点での様子や傾向を表すのに対し、こちらは回数を重ねてその状態になっている、という違いがあります。ですから上の文、「疲れがち」というと「最近疲れてしまうことがよく(頻繁に)ある」という意味になります。
例)
・田中「最近リンさん休みがちだけど、どうしたの?」
―同僚「体調があまり良くないんだって。」
・優子「最近食べ過ぎかな、ちょっと太ってきちゃった。」
―兄「冬は寒くて外に出ないから、運動不足になりがちだよね。」
・山田「来週引っ越すんですよ。」
―先輩「郵便局での住所変更手続きは忘れがちだから早めに済ませた方がいいよ。」
さて、先ほどの「~気味」との違いは感じられたでしょうか?それぞれ「リンさんは最近休むことが多い」「冬は寒いから運動不足になる傾向がある」「郵便局での手続きを忘れる人が多い」という意味になり、「回数の多さ」や「傾向」のニュアンスがより強く出ているように感じますね。
・(×)最近は大好きな彼女と旅行をしがちです。
→羨ましいですが、残念ながらこの文では「~がち」は使えません。この表現は主に良くないことに使うためです。この点は(1)の「~気味」と同じですね。ちなみに接続も「~気味」と同じで、名詞はそのまま、動詞はます形から「ます」をとった形で使いますよ。
・(○)大学を卒業してからは、友達って減りがちだよね。
・(○)漢字の読み間違いは日本人でもありがちです。
→一般的によくあると思われていることについて話す時にも使えます。「そうだよね」と相手と共感しあうような会話になります。
~おまけ~
☆これらに似た表現に「~っぽい」という言い方もあります。少し砕けた言い方で、基本的には様子を表し「~のように見える」「~みたいだ」という意味を表すのですが、「よく~する」という意味でも使われることがありますよ。また、この文法では必ずしも良くないことを表すわけではなく、幅広く使うことができます。
例)
・朝起きたらなんだか熱っぽくて、病院へ行ったらインフルエンザだったよ。
(=熱があるような感じがして、熱があるみたいで)
・あの上司、怒りっぽいからみんなあまり関わらないようにしているんだよ。
(=よく怒る、すぐに怒る傾向にある)
・あの飽きっぽいシュウさんが、5年間も日本語の勉強を続けているなんて信じられない!
(=すぐに飽きてしまうことが多い)
さて、今回はおもに「~気味」と「~がち」の使い方についてご紹介しました。この時期すぐに使えそうな例文もいくつか見つかったのではないでしょうか?どちらの表現もあまり良くないことを表し、使える言葉が限られているので、まずはいくつかのフレーズをそのまま覚えてみることをお勧めします。余裕のある方はぜひ、最近の自分の体調や今年の反省点について考えてみてください。ちなみに私は今年、「睡眠時間が短くなりがち」でした。来年は気をつけようと思いますが、みなさんもしっかり眠って元気に過ごしてくださいね。
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