「など」「なんて」「なんか」にはどんな違いがあるでしょうか? /日本語ラーニングサポートLLC
「など」や「なんて」、「なんか」を使って色々な文を作ってみましょう。
日頃よく使うものから少し注意が必要なものまで、例文を読みながらどんな使い方をすればよいかを考えてみてください。
上手に使って生き生きとした表現を身につけましょう!
■「~など」を使って、例をあげて話してみましょう。
☆日本には京都や東京など、有名なところがたくさんあります。
→「~や~など」の形で、たくさんあるものの中からいくつか例を挙げて言うときに使います。この文では京都や大阪、東京、奈良、沖縄、北海道、富士山…と色々ある観光地の中で「京都」と「東京」を代表的な例として挙げています。
例)・わたしは料理が得意です。てんぷらや焼き魚など、いろいろな料理が作れます。
・日本語は助詞や漢字など、難しいところがたくさんあります。
・彼はゲームなどの娯楽には一切興味をもたず、毎日勉強に励んだ。
→「~や」の部分が省略されることもあります。
~文を作ってみましょう~
・わたしの国には( )や( )などおいしい料理がたくさんあります。
・わたしは( )や( )などに興味があります。
☆田中くん「来月彼女の誕生日なんだけど、プレゼントは何が良いかなあ。」
友達 「うーん…香水とか、ネックレスなんかがいいんじゃない?」
☆田中くん「お休みの日は何をされているんですか?」
上司 「晴れていれば釣りやサイクリングなんかをしますよ。」
→話し言葉では上の文のように「~なんか」を使うことができます。ちなみにこの使い方では「~なんて」を使うことはできません。
(×)日本には京都や東京なんて、有名なところがたくさんあります。
■「~なんて」を使って、謙遜したり、驚きなどの感情を表したりしてみましょう。
☆上司「田中くんは本当に仕事が早くて良いね。すぐに昇進できるんじゃない?」
田中「いえ、僕なんてまだまだ無理ですよ。もっと優秀な同僚がたくさんいるんです。」
→「謙遜(けんそん)」というのは「自分を少し下げて言う」ことで相手に嫌な思いをさせずに会話をする、コミュニケーションのひとつです。「~なんて」や「~なんか」はその対象を軽く見る、見下すというニュアンスも持っているので、自分を下げて言う「謙遜」の時には便利に使うことができるのです。
例)「リンさんの作る料理は本当においしいね。お店出せるんじゃない?
―「チョウさんのほうが上手。わたしなんて(/なんか)彼女の足元にも及ばないよ。」
☆あの田中くんが結婚したなんて、信じられない!
→意外な事実を知った時に、驚きや喜び、悲しみ、感心などの感情を表すことができます。この文では、「結婚する(できる)」と思っていなかった田中くんが結婚したことへの驚きが生き生きと感じられます。
例)・おめでとう!JLPT N1に合格するなんて、ほんとうにすごいなあ。
・来年国へ帰っちゃうなんて、寂しいね。
~文を作ってみましょう!~
・( )なんて、びっくりだよ。
・( )なんて、本当にうれしいなあ。
*このように感情を表す言い方の時には、「など」や「なんか」は使えません。
■「~なんか」を使って、軽視(対象のものに対して、あまり価値がない、大事でないものとして軽くみること)の言い方をしてみましょう。
☆ぼくはおばけなんか怖くないよ!
→みんなが怖がっている「おばけ」というものに対して、「大したものじゃない」というように軽く見て話しています。自分にとって価値のないものや見下しているものに対して使うことが多いです。
例)・田中「何か趣味はあるの?」
友達「趣味なんかないよ。仕事が忙しくてそれどころじゃないんだ。」
・ビールなんて苦くて全然おいしくない。(「~なんて」を使うこともできます。)
・君なんかに私の苦労は分からないよ。
さて、例を三つ見てみましたが、どんな印象でしょう?かなり強い言い方、ストレートな言い方という感じを受けた方も多いかと思います。はじめにお話ししたように「軽視する」「見下す」という言い方である以上、どうしてもきつい言い方、嫌味な言い方になってしまいやすいのですね。ですから人に対して使ったり、相手の好きなものごとについて使ったりすると人間関係を壊してしまいかねず、使い方には注意が必要です。
・地震なんかなくなればいいのに。
・彼は絶対に嘘なんかつかないよ。
・月曜日なんか来なくていい!毎日日曜日でいい!
・昨日彼女に振られたんだ。もう恋人なんかいらないよ、これからはネコと暮らす!
こんな文ならいかがでしょう?多くの人が悪い、要らないと思っているもの(災害、犯罪、戦争、嘘など)であれば使いやすいですし、言いようによってはちょっと微笑ましい文も作ることができそうですね。気をつけて使う必要のある形とはいえ、うまく使って表現の幅を広げていきたいものです。
さて、今回は「など」「なんて」「なんか」の使い方を見てきました。それぞれ言い換えられる文もありますが、まずは主に使われている形で覚えるのが良いと思います。例を挙げて話す表現は学習の早い段階で出てきて使用頻度も高いものですが、謙遜や感情表現などは使おうと思わないとなかなか機会がないかもしれません。ぜひ会話の中に積極的に取り入れて練習してみてくださいね!
日本語ラーニングサポートのレッスンは、プロの日本語教師によるマンツーマンレッスンです。ビジネス/日常会話はもちろん、JLPT対策や発音矯正まで幅広く日本語の力を伸ばす日本語の学習をお考えの方はぜひご予約フォーム(HP右上緑のボタン)またはお電話にて、お気軽にお問い合わせくださいね。
皆さまからのご連絡を教師一同楽しみにお待ちしております。