とても、ずいぶん、かなりは何が違うのか考えてみましょう!

2023/11/05 ブログ

とても、ずいぶん、かなりの違いは何でしょうか。

これらは副詞と呼ばれる言葉で、場合によってはどれを使っても良い時もあります。

だからこそ混乱しやすい部分でもあるんですね。

本日は、皆さまの日本語のお悩みを解決するため、この3つの副詞の使い方、意味の違いを解説していきます。

まずは正しい例文を見て、どのように使うのか見てみましょう。

その次に、意味や注意点の解説を読んで、理解を深めましょう。

 

 

【とても】

Sample1 あの店のケーキはとてもおいしいです。

Sample2 昨日はとても寒かったので、コートを着て出かけました。

Sample3 あの女優は、目がきらきらしていて、とてもきれいです。

Sample4 日本のコンビニは、ATMもあるし、荷物も送れるし、とても便利です。

 

形容詞の前について、その程度が大きいことを表します。

「とっても」と真ん中に小さい「っ」を入れて発音されることもあります。

また、「とても(動詞)ない」の形で、強い否定を表すこともできます。

 

Sample1 あの人が犯人だったなんて…。とても信じられないよ。

Sample2 一人でこの量のご飯は多すぎる。とても食べられそうにない。

 

「とても」は「とても寒い」「とても寒いです」のように普通形でも丁寧形でも使うことができますが、どちらかというと丁寧な印象を与える表現なので、親しい家族や友達の間ではネイティブはあまり使いません。

じゃあ、その代わりに何を使うのでしょうか。

・めっちゃ 以前は若者言葉と言われていましたが、現在では子供から大人まで幅広い世代の人が使用しています。やはりカジュアルな印象がありますので、ビジネスシーンやメール、論文などの書き言葉として使用するのは控えたほうがいいですね。

また、「めっちゃ」の代わりに「むっちゃ」を使う人もいます。関西の方に多いです。

Sample1 この服、めっちゃかわいい。

Sample2 このお菓子むっちゃ好きなんだよね。

 

・すごく 副詞として辞書に載っていないこともあります。ですが、リアルな日本人の会話の中にはよく出てきます。

Sample1 あの車すごくかっこいいね。

Sample2 今日はすごく楽しかったよ。

 

※上で紹介した2つは、非常にカジュアルな言い方ですので、友達や恋人との会話の中で使用することをおすすめします。上司、先生、近所の人、お客さんとの会話では、「とても」を使う方が日本語がきれいに聞こえます。

また、口語表現なので、作文や論文、メールなどでは一般的には使用しません。

 

 

【ずいぶん】

Sample1 え!日本のカメラってずいぶん高いんですね。

Sample2 あれ?たかし君、ちょっと見ない間にずいぶん大きくなったなぁ。

Sample3 自転車で栃木まで!?ずいぶん遠くまで行ったんだね。

Sample4 挨拶もしないなんて、ずいぶん失礼なやつだな。

 

実際の程度が話し手の予想を超えていて、びっくりした時に使います。

「え?」「あれ?」「うわ!」などと一緒に使うことも多いです。

「ずいぶん」は「とても」と似た意味以外にも、「たくさん」という意味もあります。

この場合は後ろに動詞が付きます。

 

Sample1 ずいぶん食べたね!お腹痛くならない?

Sample2 ずいぶん歩いたから、疲れたよ。

Sample3 あのシリーズのゲームはずいぶんやったなぁ。

 

また、「ずいぶん」は客観的に見て、予想を超えていたので驚いたという意味合いが強いため、自分の気持ちを表す言葉とつなげると不自然に聞こえます。

× プレゼントをもらってずいぶんうれしかったな。

× 面接で準備していないことを聞かれたときは、ずいぶん困る。

 

【かなり】

Sample1 君が書いた作文見たけど、かなりいいと思うよ。

Sample2 この写真、かなり古いものだね。

Sample3 これ、かなり辛いけど食べきれるかな?

Sample4 転んじゃったんだね。かなり痛そうだけど、大丈夫?

 

最高ではないけれども、一定のレベルは超えている、平均のレベルを超えているという意味です。

Sample1の「かなりいい」は、最高にいいというわけではないけれども、話し手が想像していたよりはいいという意味になります。

ですから、上司や先生など目上の人に向かって

「課長が作成された資料拝見しました。かなりいいですね」

「先生の教え方はかなりいいですね。」

というのは失礼になりますので、注意しましょう。

 

また、「かなり」は自分の感情、気持ちを表す言葉につけることもできます。

〇 試験に合格した時は、かなりうれしかった。

〇 みんなの前でのスピーチは、かなり緊張したよ。

 

 

「とても」に比べて「ずいぶん」「かなり」なネガティブな文につくことが多いです。

〇 この部屋ずいぶん汚いですね。

〇 この部屋かなり汚いですね。

△ この部屋とても汚いですね。 (意味としては問題ないが、日常会話ではあまり使わない。)

 

 

いかがでしたか。

本日は副詞の「とても」「ずいぶん」「かなり」をご紹介しました。

このブログで分かったことを是非日常会話や、JLPT問題の練習に活かしていただければと思います。

小説や漫画の中にもたくさん出てくると思いますので、日本人はどうやって使っているか意識しながら読んでみるのもいいですね。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう。

12月のJLPTを受験する方は、この1か月日本語の学習で忙しいと思いますが、気合を入れて頑張っていきましょうね!