壊れる、故障する、割れる、破れる、折れるの違いは何でしょうか。

2023/11/01 ブログ

壊れる、故障する、割れる、破れる、折れるの違いは何でしょうか。

これらの意味や使い分けをしっかり学習して、日常会話でもたくさん使ってみましょう!

それでは、まずは正しい例文を見て、何が違うか考えてみましょう。

動詞の前の名詞に注目してみてくださいね。

 

例1: 椅子が壊れた!

例2: 車が故障して動かないんだ。

例3: そのコップ、割れているから危ないよ。

例4: あ!袋が破れて、中身が落ちそうだよ!

例5: 昨日の雷で木が折れたらしい。

 

【壊れる】

椅子や、机、パソコンなど様々なものに使えます。

何かの衝撃があったり、古くなったりしてそのものが使えなくなってしまうということですね。

例えば…

① パソコンが壊れたから、修理して。

② ボールペンが壊れちゃったから、新しいの買わないと。

③ その椅子は壊れているから、使えないよ。

 

【故障する】

「壊れる」と同じものにも使えますが、「故障する」は車、機械、電化製品などに使います。また、比較的大きい物に使うのが一般的です。

① うちの冷蔵庫が故障して、今食べ物がないんだ。

② え?また車故障したの?

③ パソコンが故障したみたいなんだけど、中のデータは大丈夫かな?

上の三つは、「壊れる」を使ってもいいです。

〇 パソコンが壊れた

〇 パソコンが故障した

しかし、機械ではないものに「故障する」を使うのは不自然なので控えましょう。

〇 椅子が壊れた。

× 椅子が故障した。

 

【割れる】

窓ガラスやお皿、コップなどに使います。硬いものがいくつかに分かれてバラバラになることです。

① ボールを投げたら、隣の家の窓が割れてしまった。

② レストランのアルバイトでトレーをひっくり返して、お皿が3枚割れてしまった。

③ ガラスのコップは割れると危ないから、子供にはプラスチックのコップを使わせよう。

 

【破れる】

服や、袋、紙など、薄くてやわらかいものに穴ができてしまったり、いくつかに分かれてしまう時に使います。

① ズボンのポケットが破れていて、物が入れられないんだ。

② ビニール袋は破れやすいから、やっぱりエコバックにしよう。

③ 雨に濡れて、教科書が破れてしまいました。

 

【折れる】

木や、鉛筆、傘などの細長くてまっすぐの物がボキっと二つに分かれてしまったり、曲がってしまうことです。

① 風で桜の枝がずいぶん折れちゃったな…

② この傘は、折れているから使えません。

③ 鉛筆が折れたんだけど、鉛筆削りで削ればまだ使えるよね。

上の【壊れる】の例文②に、「ボールペンが壊れる」と書いてありましたね。

ボールペンは細長くてまっすぐなのにどうして「壊れる」?

実は、ボールペンは「壊れる」も「折れる」もどちらも使えます。

「折れる」であれば、力を加えてボールペンが曲がってしまったり、真ん中から二つに分かれてしまったときですね。

〇 イライラしていて、ボールペンを床に投げたら折れちゃった。

ですが、ボールペンはプラスチックで硬いので、日常生活ではあまり折れませんよね。

もし、ボールペンの中のバネやノック部分(ペンを出すためにプッシュするところ)が動かなくなってしまったのだったら、「壊れる」を使うといいでしょう。

〇 ボールペンのノック部分を何度もカチカチ押していたら、壊れてしまった。

 

 

さて、今日は5つの動詞の使い分けを学習しました。

きちんと理解できたかどうかか確認するために練習問題に挑戦してみましょう。

問題の答えは、このブログの一番下に書きます。

 

問題 ( )の中に動詞を入れましょう。辞書形とは限りません。

① 昨日階段から落ちて、足の骨が(    )てしまいました。今もまだ痛いです。

② 本棚が(     )から、イケヤで新しいのを買おう。

③ 車の窓が(     )ていた。誰かに車の中のものを盗まれたかもしれない。

④ このコピー機、きっと(     )ているね。紙のサイズがA4からB5に変えられないもん。

⑤ 障子が(    )ていますから、年末新しいのに取り換えましょう。

※障子(しょうじ)…日本の伝統的な部屋によくある、部屋と部屋を分ける家具。紙でできたカーテン、ドアのようなもの。

 

 

いかがでしたか。

壊れる、故障する、割れる、破れる、折れるの意味や使い分けはマスターできましたか。

どんな名詞と一緒に使うのか、その名詞がどんな状態なのかによって使う動詞が違うのが面白いですね。

また、ご紹介した動詞は自動詞なので、物の状態を表す文になっています。

自分がした行動を言いたい場合は、「私は椅子を壊しました。」のように「壊れる」ではなく「壊す」という他動詞を使わなくてはいけません。

自動詞他動詞の使い方にも注意しながら話してみましょうね。

是非本日学習した正しい使い方を日常会話や、作文に活かしてください。

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11月はしっかり睡眠をとりながら、自分の苦手な部分の復習に励みましょうね。

 

問題の答え

① 昨日階段から落ちて、骨が( 折れ )てしまいました。今もまだ痛いです。

② 本棚が( 壊れた )から、イケヤで新しいのを買おう。

③ 車の窓が( 割れ )ていた。誰かに車の中のものを盗まれたかもしれない。

④ このコピー機、きっと( 故障し )ているね。紙のサイズがA4からB5に変えられないもん。

⑤ 障子が( 破れ )ていますから、年末新しいのに取り換えましょう。