日本語読み物を読んでレベルアップ!「ねずみの会議」をご紹介します!
日本語読み物を読もう!
みなさんは普段どのような方法で日本語を勉強していますか。
ドラマやアニメを見たり、歌を聞いたり、会話練習をしたりなど工夫して学習されているかと思います。
どの学習方法も効果があるものだと思いますが、やはりバランスが大切ですよね。
そこでおすすめしたいのが、日本語リーディングです。
文を見て意味を理解すると同時に、声に出して読んで、発音やアクセントを磨きましょう!
お気に入りのフレーズを探してみるのもいいですね!
それでは今日は、「ねずみの会議」というお話をご紹介します。
「ねずみの会議」
ある人間の家にねずみの大家族が住んでいました。
ある時、その家にねずみを捕まえるのが上手いねこがやってきました。
ねこはその家のペットになったのです。
どんなに逃げるのが速いねずみでも、そのねこに見つかるとすぐに捕まってしまいます。
ねこ :「おいらは、他のどのねこよりも、ねずみを捕まえるのが上手いんだ!はは!ねずみくんたち!おいらに見つかったらおしまいだぞ?」
ねこは、いつも大きな声で自慢しながら家の中を歩いていました。
ねずみたちは、怖くて外に出られなくなってしまいました。
毎日、壁の穴の中で、震えながら過ごすことになってしまったのです。
このままでは、食べるものもなくなり、みんな死んでしまうでしょう。
そんなある日、ねこがたまたま出かけたので、ねずみたちはひさしぶりにゆっくりできました。
おじいさんねずみは今だ!と思い、みんなを集めました。
おじいさんねずみ:「聞いてくれ。こんな生活が続くようでは、わしらはいつかみんな死んでしまう。食べ物がなくなるか、食べ物を探しに行ってねこに捕まるかのどちらかだ。どうしたらよいか話し合おう。」
ねずみたちは考えました。
若いねずみ① :「ねこを追い出す!」
おじいさんねずみ:「うーん、それは難しいな。」
若いねずみ② :「今は、壁の穴が一つしかないから、そこから出たら猫に見つかってしまう。だから、穴を増やして別のところから出るのはどうだ?」
おじいさんねずみ:「においや音ですぐに見つかってしまうんじゃないか?」
みんないいアイディアがなくて、困ってしまいました。
しばらく考えていると、
若いねずみ③ :「あの~すごく簡単なことなんですけど…」
おじいさんねずみ:「おお、いいぞ、言ってみろ。」
若いねずみ③ :「ねこの首に鈴をつけたらいいんじゃないですか?」
おじいさんねずみ:「ん?どういうことだ?」
若いねずみ③ :「ねこに鈴がついていれば、鈴の音が聞こえますから、ねこがどこにいるのかわかりますよね。」
おじいさんねずみ:「なるほど。鈴の音が聞こえたらすぐに逃げればいいのか!」
みんな :「確かに!それはいい考えだ!!」
さっそくみんなは、ねこにつける大きな鈴を探しました。
若いねずみ④ :「これはどうですか?」
おじいさんねずみ:「うん、これなら音もちゃんと聞こえるな。さあ、ねこが帰ってきたら、鈴をつけに行っておくれ。」
若いねずみ④ :「え?僕がですか?」
おじいさんねずみ:「わしは、年寄りだから無理だよ。お前が鈴を見つけたんだから、行ってきてくれ。」
若いねずみ④ :「えーーー。いやですよ。じゃあ、このアイディアを出した人が行くべきです!」
若いねずみ③ :「なんで僕が!!僕はもうアイディアを出したんだから、別の人が行ってくれよ!」
みんな自分が行ったら、ねこに食べられてしまうとわかっていますから、誰も行きません。
こうして、結局ねこの首に鈴はつけられなかったということです。
いかがでしたか。
アイディアを出すのは簡単ですが、実際にやるのは難しいというお話ですね。
このねずみたちは、最後はみんな食べられてしまったのでしょうか。
無事にどこかに逃げられているといいですね。
このお話では、キャラクターによって一人称(自分を指す言葉)が違っていたのに気が付きましたか。
ねこ → おいら
おじいさんねずみ → わし
若いねずみたち → 僕
日本語には、「私」「俺」「僕」など多くの自分を指すことばがあります。
一人称によって、その人の性別や性格がイメージできるのも日本語の面白いところですね。
今回出てきた3つの一人称について、少し見てみましょう。
ねこが使っていた「おいら」という一人称は、関東の人たちが使っていた方言で、東北でも一部使う地域があるようです。主に男性が使っていました。しかし、現在の日常会話ではほとんど使われていません。作品の中で、「おいら」という一人称のキャラクターが出てきたら、少し昔っぽい元気な男の子、男の人というイメージがありますね。
続いて、おじいさんねずみが使っていた「わし」ですが、これはアニメや漫画などで見たことがあるかもしれませんね。お年寄りが自分のことを指すときに使いますが、現実では、「わし」を使用しているお年寄りはほとんどいません。
しかし、広島や兵庫などの地域では、一人称としてお年寄りでなくても「わし」を使うことがあります。
最後は、若いねずみたちが使っていた「僕」ですね。これは、よく聞くと思いますし、実際に使っている方も多いのではないでしょうか。一般的に男性が使用します。ビジネスでの報告や商談など正式な場面では、「私」を使うことをおすすめしますが、その他の場面では「僕」を使用しても問題ありません。
また、日常会話の中では「俺」より「僕」を使う人の方が女性から人気があるようですね。
いかがでしたか。
読み物を読んで、新しい発見はなにかありましたか。
他の一人称や、使用例に興味がある方は、是非こちらのブログもご覧ください。
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それでは、今日はここまで!
また、次回のブログでお会いしましょう!