日本語読み物を読んでレベルアップ!「ねずみの会議」をご紹介します!

2023/10/05 ブログ

日本語読み物を読もう!

みなさんは普段どのような方法で日本語を勉強していますか。

ドラマやアニメを見たり、歌を聞いたり、会話練習をしたりなど工夫して学習されているかと思います。

どの学習方法も効果があるものだと思いますが、やはりバランスが大切ですよね。

そこでおすすめしたいのが、日本語リーディングです。

文を見て意味を理解すると同時に、声に出して読んで、発音やアクセントを磨きましょう!

お気に入りのフレーズを探してみるのもいいですね!

それでは今日は、「ねずみの会議」というお話をご紹介します。

 

 

「ねずみの会議」

ある人間の家にねずみの大家族が住んでいました。

ある時、その家にねずみを捕まえるのが上手いねこがやってきました。

ねこはその家のペットになったのです。

どんなに逃げるのが速いねずみでも、そのねこに見つかるとすぐに捕まってしまいます。

ねこ     :「おいらは、他のどのねこよりも、ねずみを捕まえるのが上手いんだ!はは!ねずみくんたち!おいらに見つかったらおしまいだぞ?」

ねこは、いつも大きな声で自慢しながら家の中を歩いていました。

ねずみたちは、怖くて外に出られなくなってしまいました。

毎日、壁の穴の中で、震えながら過ごすことになってしまったのです。

このままでは、食べるものもなくなり、みんな死んでしまうでしょう。

そんなある日、ねこがたまたま出かけたので、ねずみたちはひさしぶりにゆっくりできました。

おじいさんねずみは今だ!と思い、みんなを集めました。

おじいさんねずみ:「聞いてくれ。こんな生活が続くようでは、わしらはいつかみんな死んでしまう。食べ物がなくなるか、食べ物を探しに行ってねこに捕まるかのどちらかだ。どうしたらよいか話し合おう。」

ねずみたちは考えました。

若いねずみ①  :「ねこを追い出す!」

おじいさんねずみ:「うーん、それは難しいな。」

若いねずみ②  :「今は、壁の穴が一つしかないから、そこから出たら猫に見つかってしまう。だから、穴を増やして別のところから出るのはどうだ?」

おじいさんねずみ:「においや音ですぐに見つかってしまうんじゃないか?」

みんないいアイディアがなくて、困ってしまいました。

しばらく考えていると、

若いねずみ③  :「あの~すごく簡単なことなんですけど…」

おじいさんねずみ:「おお、いいぞ、言ってみろ。」

若いねずみ③  :「ねこの首に鈴をつけたらいいんじゃないですか?」

おじいさんねずみ:「ん?どういうことだ?」

若いねずみ③  :「ねこに鈴がついていれば、鈴の音が聞こえますから、ねこがどこにいるのかわかりますよね。」

おじいさんねずみ:「なるほど。鈴の音が聞こえたらすぐに逃げればいいのか!」

みんな     :「確かに!それはいい考えだ!!」

さっそくみんなは、ねこにつける大きな鈴を探しました。

若いねずみ④  :「これはどうですか?」

おじいさんねずみ:「うん、これなら音もちゃんと聞こえるな。さあ、ねこが帰ってきたら、鈴をつけに行っておくれ。」

若いねずみ④  :「え?僕がですか?」

おじいさんねずみ:「わしは、年寄りだから無理だよ。お前が鈴を見つけたんだから、行ってきてくれ。」

若いねずみ④  :「えーーー。いやですよ。じゃあ、このアイディアを出した人が行くべきです!」

若いねずみ③  :「なんで僕が!!僕はもうアイディアを出したんだから、別の人が行ってくれよ!」

みんな自分が行ったら、ねこに食べられてしまうとわかっていますから、誰も行きません。

こうして、結局ねこの首に鈴はつけられなかったということです。

 

 

いかがでしたか。

アイディアを出すのは簡単ですが、実際にやるのは難しいというお話ですね。

このねずみたちは、最後はみんな食べられてしまったのでしょうか。

無事にどこかに逃げられているといいですね。

 

 

このお話では、キャラクターによって一人称(自分を指す言葉)が違っていたのに気が付きましたか。

ねこ → おいら

おじいさんねずみ → わし

若いねずみたち → 僕

日本語には、「私」「俺」「僕」など多くの自分を指すことばがあります。

一人称によって、その人の性別や性格がイメージできるのも日本語の面白いところですね。

今回出てきた3つの一人称について、少し見てみましょう。

 

ねこが使っていた「おいら」という一人称は、関東の人たちが使っていた方言で、東北でも一部使う地域があるようです。主に男性が使っていました。しかし、現在の日常会話ではほとんど使われていません。作品の中で、「おいら」という一人称のキャラクターが出てきたら、少し昔っぽい元気な男の子、男の人というイメージがありますね。

 

続いて、おじいさんねずみが使っていた「わし」ですが、これはアニメや漫画などで見たことがあるかもしれませんね。お年寄りが自分のことを指すときに使いますが、現実では、「わし」を使用しているお年寄りはほとんどいません。

しかし、広島や兵庫などの地域では、一人称としてお年寄りでなくても「わし」を使うことがあります。

 

最後は、若いねずみたちが使っていた「僕」ですね。これは、よく聞くと思いますし、実際に使っている方も多いのではないでしょうか。一般的に男性が使用します。ビジネスでの報告や商談など正式な場面では、「私」を使うことをおすすめしますが、その他の場面では「僕」を使用しても問題ありません。

また、日常会話の中では「俺」より「僕」を使う人の方が女性から人気があるようですね。

 

いかがでしたか。

読み物を読んで、新しい発見はなにかありましたか。

他の一人称や、使用例に興味がある方は、是非こちらのブログもご覧ください。

私(わたし)は・・・。←これが日本語のベーシックです/日本語ラーニングサポートLLC

 

 

 

また、相手のことを何と呼んだらいいか分からない方には、こちらのブログもおすすめです!

日本語文法が学べる!教師の文法解説初級編~相手の呼び方を考えましょう~/日本語ラーニングサポートLLC

それでは、今日はここまで!

また、次回のブログでお会いしましょう!