倒れる、転ぶ、落ちる、それぞれの違いと例文を考えましょう / 日本語ラーニングサポートLLC

倒れる、転ぶ、落ちる、それぞれ似ている言葉ですが、
(※「たおれる」「ころぶ」「おちる」)
●どのように違っているでしょうか?
●どのように使い分ければ良いでしょうか?
今日はこの3つの動詞について考えましょう。
例文と意味
倒れる:
地震の時には大きな家具が倒れることがあって危ないから、机の下に隠れなければならない。
↑立っている何かが、(バタン!と)横になって床や地面の上に寝る状態になる。
転ぶ:
北海道に来たばかりの頃は、雪で足をすべらせて転ぶことがよくあった。
↑誰かが足をスリップさせて倒れることです。
落ちる:
危ない!ワインのボトルが(テーブルから)ゆかに落ちるところだった。
↑何か(誰か)が、高いところから低いところへ空気中を(自然な物理的運動のルールの下で)下へ動きます。例えば、「カバンから手をはなす」ような、「空から雨のドロップが落ちる」ようなモーションです。
上のようにそれぞれの言葉に違いがあります。
漢字も音も違いますから、よく読むと分かりやすいポイントではあると思いますが、慣れないうちは間違えやすいところでもありますね。
以下の例文も確認してきっちりと覚えましょう。
倒れる、の例文
■台風で大きな木が倒れた。
■高いビルを見上げると、いつか倒れないかと怖くなることがある。
■あわてて立った拍子に、いすが倒れた。
■コップが倒れて、机の上にジュースがこぼれてしまった。
■右フックの一発で、チャンピオンは倒れた。
などです。又、以下のような文もありますね。
■残業続きでついに彼は倒れた。
↑〈応用〉体をこわした。働きすぎで動けない「ダウン!」の状態です。
転ぶ、の例文
■ろうかをそんなに急いで走ると転びますよ!
■雨の日にはエスカレーターで転ぶ人がいて危ない。
■初めてスケートをした日には10回以上も転んだ。
■自転車で転んだとき、ヘルメットをしていて良かったと心から思った。
「転ぶ」は、以下のようにことわざにも使われます。
■七転び八起き(ななころびやおき)
↑〈発展〉7回失敗しても8回やり直せば良い。ネバー・ギブアップの心ですね。
■転ばぬ先の杖
↑〈発展〉失敗する(=転ぶ)前にステッキを用意して気をつける。何事も事前に注意して行動する。ちゃんとした準備があれば安心である(失敗しない)。
■転んでもただでは起きない
↑〈発展〉失敗した(大きなダメージを受けた、ケガをしたetc.)、それでも何かプラスになるものを少しでもつかんで持ってくる。これも、ある意味でネバー・ギブアップの心、仕事や勉強、スポーツの試合、つまりあらゆる「ゲーム」に対する強い気持ちを感じますね。
落ちる、の例文
■木からリンゴが落ちてきたそうだ。
■鳥のフンが目の前1cmに落ちてきた。危なかった。
■大切にしていたお皿が、落ちて割れてしまった。
■猿も木から落ちることがある。
どれも上から下へ何かが・・・ストン!
以下に挙げるこのような文もあります。
■全ての大学に落ちた・・・。
↑〈応用〉受験した大学全て不合格だった。
■ツキが落ちて、全然上手くいかない時ってあるものだ。
↑〈応用〉ラッキーが自分から落ちて(なくなって)、何をやっても失敗する。
■急にパソコンの電源(power)が落ちてびっくりした。
↑アクシデントです。急にマシンがダウンした。(=パワーが切れた)画面も真っ黒になって動きません。
いかがですか?
例文は一つずつ音読して覚えましょう。音で日本語を覚えることが大切です。音読を実践したら自然にあなたの言葉のストックが増えますから、より自然なリズムで日本語が話せるようになりますよ。
■今日の文法練習もぺらぺらの日本語上手を目指して頑張りましょう!
問い:以下の文中の( )に倒れる、転ぶ、落ちるのいずれかの動詞を適切な形にして入れ、文を完成させましょう。
①八月、この暑さではいつ( )てもおかしくない。ちゃんと水を飲んでよく寝てよく食べよう!
②リュックの口をちゃんと閉めないと、歩いているうちに( )ちゃうよ!気をつけて。
③すべって( )、せっかくの新しいズボンが汚れてしまった。
④こんな細い山道で転んだら、谷の底まで真っ逆さまに( )てしまうな・・・。
解答は記事の最後に載せてありますから最後に確認してみてくださいね。
①〜④まで、問題に自信をもって答えられましたか?
以下にはもう少しスペースがありますので追記(p.s.)として書きます。
倒れる、転ぶ、落ちる、どれも普通はマイナスの意味で使うことが多いようですが、特に「転ぶ」に関してはニュートラルに、あるいは+に(=良い意味で)使われることもあるようです。
例1:この決断がどちらに転ぶかは分からない。
(↑何かを決めた。未来、よい結果になるか悪い結果になってしまうかは分からない。ダイスは振られた、あるいはルーレットは回り出した、、、さあ赤か黒か)
例2:結果、良い方に転んだ。
(↑良い結果が出てくれた。可能性が実現した)
「転ぶ」とは何かが’コロコロ’と回って動いて不安定な様子。ですからどちらへ行くのか、どこでどう止まるのか予想できないものです。
ギャンブルのように、自分の信じた答えにかける時、
試験でもスポーツの試合でも良いですが、勝負(ゲーム)をする時、
ドキドキする気分で必死に頑張りながら、最後には結果を迎え入れなければなりません。
強く願えば本当に叶うものですから、何としても良い方向に向かって転がってほしいものですね!
本日の記事では、倒れる・転ぶ・落ちるの動詞について例を挙げながら考えてみました。
しっかりと覚えるためには、実戦の日本語会話の場面で一度でも言葉を使ってみることが大変効果的です。つまり、日常会話の中で一度でも話せば、その日本語は「あなたの日本語」として強く記憶に残ります。
もし言葉を少しくらい間違ってしまっても大丈夫ですから安心して、新しいフレーズにチャレンジしましょう。
日本語は前後の会話の流れで内容を理解できるハイ・コンテクスト(高文脈)のコミュニケーション文化です。
失敗しても、また何度かは倒れてしまっても良いのです。
間違いを怖がらずにどんどん新しい日本語を使って話しましょう。
相手に(聞き手に)伝えるための言葉こそが素晴らしい日本語に違いありません、
私たちは海外からお越しの皆様のキャリアアップとご成功を日本語の力から全力で応援いたします。
「本格的に日本語を勉強してみよう!」と思ったら、是非一度はプロの日本語教師のレッスンを試してみてくださいね。
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[※例題の解答:①倒れ②落ち③転んで④落ち]