日本語文法を学ぼう!教師の日本語文法解説初級編~依頼/許可の表現をマスターしましょう~/日本語ラーニングサポートLLC

丁寧なお願いの表現を学びましょう!

「~ていただけませんか?」「~させていただけないでしょうか」…丁寧な表現は長くて難しい、でしょうか?

しかしこうした表現はフォーマルな場だけでなく、日頃のコミュニケーションにも欠かせないもの。

今回は丁寧なお願いの仕方を、基本の形からしっかり勉強します。

 

さて、まだまだ暑い日が続く中、先週は2023年7月のJLPTの結果発表がありました。JLPTを受験された皆さんは、どのような結果になりましたか?めでたく合格できた方、思ったより点数が伸びなかった方、悲喜こもごもとは思いますが、今回の結果を受けてまた次の学習に繋げていけると良いですね。

今回は日本語初中級の学習の中に出てくる「依頼/許可の表現」について確認します。誰かにお願いをするとき、うまく言えなかったり動詞の形に迷ってしまったりしたことはありませんか?相手に丁寧な気持ちでお願いをするときにはやはり正しい言葉を使いたいもの。特に動作の主体が誰なのかをしっかり考えながら読んでみてくださいね。

 

Q1、明日は大事なプレゼンがあるので、同僚に資料をチェックしてほしいです。何と言いますか?

 

①すみません、資料をチェックしてもいいですか?

②すみません、資料をチェックさせてもいいですか?

③すみません、資料をチェックしてもらえませんか?

 

Q2、あなたは仕事中に頭が痛くなってしまいました。もう家に帰りたいのですが、上司になんと言いますか?

 

①すみません、頭が痛いので帰ってもいいですか?

②すみません、頭が痛いので帰らせてもいいですか?

③すみません、頭が痛いので帰らせていただけませんか?

 

さて、自信をもって答えられましたか?

 

Q1は「依頼」の場面で③が正解、Q2は「許可」の場面で①と③が正解です。それぞれ形を詳しく確認してみましょう。

 

「依頼」をする場合、私が相手に何かをしてもらうわけですから、動作主は「相手」になります。こんな時、次のように言うことができます。

 

■資料をチェックしてもらえませんか?

「Vて形+もらえませんか」の形を使います。Vの部分には相手の動作を入れましょう。その動作をしてほしいのは私なので、「~してもらうことはできるか」を尋ねるわけですね。

色々な動詞を入れてみましょう。

・道かわからないので、地図を書いてもらえませんか。(相手の動作=書きます)

・日本語で何というか、教えてもらえませんか。(相手の動作=教えます)

・この書類にサインしていただけませんか。(相手の動作=サインします)

・資料を送っていただけないでしょうか。(相手の動作=送ります)

→「もらう」というのは丁寧に言うと「いただく」になります。先輩や上司、知らない人に声をお願いするときにはこちらを使ったほうがいいでしょう。また、「チェックしてください」という言い方もできるのですが、こちらを使うと依頼というより「指示」のニュアンスが強くなってしまうことがあるので、相手にお願いをする場合はやはり「~てもらえませんか」の形を覚えておきましょう。

 

一方で「許可」をとる場合。これは私が何かをしたい場合に、それをしても良いかどうかを相手にたずねているので、動作主は「わたし」になりますね。こういう場面では、次のような言い方ができます。

 

■頭が痛いので帰ってもいいですか?

こちらは初級で習う比較的簡単な表現ですね。「Vても+いいですか?」の形で、Vの部分には今度は自分の動作が入ります。「自分が帰る」ということについて良いか悪いかを聞いているので、このような形になるわけです。

・ここで写真を撮ってもいいですか。(自分の動作=撮ります)

・会議室に入ってもいいですか。(自分の動作=入ります)

・冷蔵庫の中のプリン、食べてもいいですか。(自分の動作=食べます)

 

■頭が痛いので帰らせていただけませんか?

こちらは中級レベルの方にはマスターして頂きたい表現。「V使役+て形 + いただけませんか」という形で使います。ここで確認しておきたいポイントは、「帰る」のは「わたし」で、「帰らせる」のは「相手」の動作だということです。

ここで先ほどの依頼の表現を思い出してみましょう。依頼の表現は、「V(相手の動作)+いただけませんか」で表すことができました。今回の文と同じ形になっていますね。つまりこの文では、上司に対して「私を帰らせる」ということをお願いしている、と考えることもできます。シンプルな動詞のて形であれば依頼を、動詞の使役+て形を使えば許可をとる表現になるのですね。

・会議の日程を変更させていただけませんか。(自分の動作=変更します)

・コピー機を使わせていただけませんか。(自分の動作=使います)

・明日の会議は休ませていただけませんか。(自分の動作=休みます)


 

さて、今回は依頼/許可の表現についてそれぞれ確認してきました。それぞれの動作の主体は誰か、動詞はどんな形を使うのか、ということをしっかり整理できれば、正確に使えるようになりますよ。また、今回は最もシンプルな形に絞って扱いましたが、文末は状況や相手の立場によって「もらえませんか/もらえないでしょうか/いただけますか/いただけないでしょうか」など色々な形に変わることがあります。ただこちらも基本の形をしっかり覚えておけば応用は簡単ですから、まずは今回扱った形をしっかり覚えて練習してみてくださいね。


 

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