日本語文法を学びましょう!日本語教師による文法解説~品詞を見分けましょう~/日本語ラーニングサポートLLC

日本語の品詞を学びましょう。

そもそも日本語はどんな品詞からなっているのでしょうか。

「運転」と「運転する」、似ているけれどそれぞれ品詞の違うこの二つの言葉は、文の中でどのように使い分けられるのでしょうか。

今回はそんな疑問について考えます。

 

 さて、8月も気付けば後半に差し掛かり、夏の暑さにももうひと踏ん張りといったところでしょうか。連休も明け、またここから気持ちを新たに頑張っていけると良いですね。

今回も日々のレッスンでご質問の多いテーマについて解説します。今回は日本語の「品詞」のお話。言語を学習するうえでは根幹となる部分で、文法を学ぶ際には品詞によって形や注意すべき点が変わることがあるため非常に重要なところなのですが、初級の学習をされる方の多くが「あれ?」と思う場面を経験しているようです。今回はその辺りの見分けをクリアにしていきましょう。

 

まず、基本的な日本語の品詞について確認しましょう。

何といっても文を作る中で絶対に欠かせない品詞が「名詞(N)」「動詞(V)」「形容詞(A)」「助詞(P)」でしょう。名詞は物事の名前を、動詞は動作を、形容詞は主に様子などを表し、助詞は単語と単語を繋ぐ役目を持ちます。

 

彼女は日本語教師の泉さんです。いつも優しく教えてくれます。

 

上の文では「彼女」「日本語教師」「泉さん」というのが名詞、「優しい」が形容詞で「教える」が動詞です。これらの単語をつなぐ「は」とか「の」などが助詞と呼ばれます。このほかにも「いつも、とても、少し、ゆっくり」などの程度を表す副詞、「3本、10枚、5台」などの数や量を表す助数詞、「だから、しかし」のように文と文を繋ぐ接続詞などいくつもの品詞があり、日本語が成り立っています。

 

それでは、次の文を読んでみてください。下線部の品詞はなんでしょうか?

 

①これから明日のイベントについて説明します。

②イベントの説明には、この資料を使います。

 

同じ「説明」ということばが使われているように見えますが、①は「動詞」、②は「名詞」です。この言葉は単体だと名詞として使われますが、「します」をつけるとⅢグループの動詞になるのです。

上記の例のように、名詞としてもⅢグループの動詞としても使われる言葉はたくさんあります。これは主に動作を表す名詞に見られ、例えば「運転(N)→運転します(V)」、「案内(N)→案内します(V)」のようになります。ほかにも「故障、指示、貯金」 など様々な言葉が当てはまりますよ。

 

では、次の文ではどうでしょうか?

 

①彼はいつも元気な声であいさつをしてくれます。

②あなたの元気の秘訣はなんですか?

 

こちらも同じ「元気」という言葉ですが、①は「ナ形容詞」、②は「名詞」として使われています。どういうことでしょうか?

形容詞には「イ形容詞」と「ナ形容詞」の2種類があり、「ナ形容詞」の中には名詞としても使われるものがいくつかあるのです。

(形容詞の種類についてはこちらのブログで詳しく説明していますので、あわせて読んでみてくださいね。日本語文法が分かる!教師の文法解説初級編~形容詞を使いこなしましょう~/日本語ラーニングサポートLLC (nihongojikan.jp)

その一つが「元気」という言葉です。①の文では「彼のあいさつの声」について、それがどんな声かを説明するという形容詞の役割をもち、「ナAなN」の形で使われています。この形は「簡単な問題」「綺麗な人」「静かな町」のように使います。

対して②の文では、「元気」という状態そのものについて話題にしています。こうした文の中では名詞として働き、「NのN」という形で使われます。この形は「病気の治療法」「地震の対策」のように使われますよ。

 

このようなナ形容詞の言葉は他にもあり、例えば「自由」や「平和」なども当てはまります。

例)・この学校は自由な校風で有名です。/ アメリカには自由の女神の像があります。

  ・平和な日々は長くは続かなかった。/ 平和の大切さを後世に語り継ぐ必要がある。

 

さらに、「動詞」「名詞」「形容詞」のどの形でも使われる言葉というのも、多くはないですが存在します。

①昨日は帰りが遅くなったので、家族が心配していました。

②実は、彼について少し心配なことがあるんです。

心配の種は早いうちに解消しておいた方がいい。

もうわかりましたね。①は「~します」とくっついてⅢグループの動詞として、②は「ナAなN」の形でナ形容詞として、③は「NのN」の形で名詞として使われています。

 

さて、ここまではその言葉自体が複数の品詞の形をとる場面を見てきましたが、文型や文法にあわせて動詞や形容詞を名詞の形に変えて使うこともありますよ。ここでは基本的な変化を簡単にご紹介します。

 

たとえば、「Nは~です」という文を作りたいとき。「私は日本語の先生です。」「夏は暑いです。」など様々な文を作ることができますが、「私」「夏」など「は」の前は必ず名詞が入ります。

では、ここに動詞や形容詞を入れたい場合はどうするか。もちろんそのままでは入らないので、これらを「名詞化」するわけです。名詞の形に変えてしまうのですね。

動詞の場合は、「V(普通形)+こと」の形で、「泳ぐことは難しいです。」のように使うことができます。

例)・この街に住むことは私の小さいころからの夢でした。

 

イ形容詞の場合は「暑い→暑さ」のように「い」→「さ」に変えることで名詞化できます。

「今年の暑さは異常だね。」「チョコレートは苦さと甘さのバランスが大事だ。」のように使いますよ。

ナ形容詞の場合は「簡単→簡単さ」のように「さ」をつけて名詞化します。

「このパソコンは操作の簡単さが人気だ」のように使いましょう。


 

今回は日本語の品詞と、それぞれの関係について確認をしました。動詞だと思っていたものが名詞として使われていたり、ナ形容詞だと教わったのに名詞として出てきたり…と困惑してしまう場面もあるかと思いますが、このようにそれぞれの品詞が繋がりあっていて、文の中で形を変えながら使われているからこそ、私たちは不自由なく伝えたいことを正確に表現できるのです。慣れるまでは難しく感じるかもしれませんが、付き合っていくうちに少しずつ慣れてくるものです。まずはこういうことがあるんだな、と頭の片隅に入れて日々の学習に取り組んでみてくださいね。

 

日本語ラーニングサポートでは、年中無休にてプロの日本語教師による個別レッスンをお届けしております。次回のJLPTに向けた勉強や、夏休み期間を利用したビジネス会話のスキルアップ、日常会話から発音矯正まで、日本語の学習をお考えの方はぜひご予約フォーム(HP右上緑のボタン)またはお電話にて、お気軽にお問い合わせくださいね。

皆さまからのご連絡を教師一同楽しみにお待ちしております。