基本の文法を学びましょう!日本語教師による文法解説初級編~「見えます/聞こえます」はどんなときに使うでしょうか?~/日本語ラーニングサポートLLC

「見えます」「聞こえます」はどんな時に使うのでしょうか。

「窓から海が見えます」、「虫の声が聞こえます」…では、「見られます」「聞けます」と言ったら間違いでしょうか?

今回は可能形の学習の際に出てくるこんな疑問について考えてみます。

 

 

さて、日頃の暑さに加え蝉しぐれ、通り雨などまさに日本の夏、といった日々が続く中ですが、本日も変わらず日本語の学習を頑張って進めていきましょう。今回は日々のレッスンの中でご質問の多い項目の中から、可能形の学習の中で出てくる「見えます/聞こえます」の使い方について確認をしたいと思います。ちょっと特別な形というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、日常生活の中でもよく出てくる言葉ですから、具体的にどのような場面で使うことができるのか、理解を深めていきましょう。

 

まず、可能形について簡単に確認しましょう。

可能形とは動詞の活用形(フォーム)のひとつで、能力や許可によって「~することができます」という意味になります。英語だとcanとかpossibleで表すことができますね。

1、私は日本語を話すことができます。

2、私は日本語が話せます。

上記の二つの文は同じ意味ですが、2番の方が少し短く簡潔な印象ですね。ここで使われている形が可能形です。

形の作り方にはルールがあり、Ⅰグループは「話し(si)ます」→「話せ(se)ます」のように「ます」の前の母音が「e」の音になります。

例)読み(mi)ます→読め(me)ます/書き(ki)ます→書け(ke)ます/泳ぎ(gi)ます→泳げ(ge)ます

Ⅱグループは「食べます」→「食べられます」のように「ます」→「られます」の形になります。

例)起きます→起きられます/覚えます→覚えられます

Ⅲグループは「きます」→「こられます」、「します」→「できます」となります。

 

さて、可能形の基礎知識を確認したところで、少し考えてみましょう。

「見ます(Ⅱグループ)」「聞きます(Ⅰグループ)」の可能形はどんな形になるでしょうか?

上記のルール通りに考えると、「見られます」「聞けます」という形になりますね。もちろんこれらは「見ることができます」「聞くことができます」という意味で使います。

 

さて、ここからが本題です。

「見えます・聞こえます」と「見られます・聞けます」はどう違うのでしょうか?

 

ポイントは、「手段や労力を使って見る/聞くかどうか」です。

 

「見えます」という時、私たちが特に努力や手続きをしなくても、目を開けている時にものや景色が自然と視界に入ってくる様子を表します。いま皆さんの目の前にあるもの、カーテンを開けた時に目に入ってくる景色、移動中の電車の窓にうつる街並み、そういったものはすべて「見えます」を使って表します。

例)・家の窓から東京タワーが見えます

  ・今朝カーテンを開けたら、一面の雪景色が見えてびっくりしました。

  ・田舎では夜に星がよく見えます

 

「聞こえます」というのも同じです。私たちが普段生活しているなかで、自然と耳に入ってくる音については「聞こえます」を使って言います。

例)・隣の部屋からピアノの音が聞こえます

  ・夏にはセミの声がよく聞こえます

  ・わたしの家は線路の近くにあるので、朝から晩まで電車の音が聞こえます

  ・すみません、よく聞こえないのでもう少し大きい声で話して頂けますか?

 

生活している中で自然と目や耳に入ってくるものですから、実際には見たくない、聞きたくないこともありますよね。この言い方を使えば、「昨日は夜中に隣の部屋から夫婦喧嘩の声が聞こえてきて、うるさくて全然眠れなかったよ」のように愚痴を言うこともできますよ。

 

対して、「見られます、聞けます」というのは見る、聞くためになにか手続きや手段、努力、条件が必要な時に使います。

例えば、映画を見たいとき。何もしなければ見ることができませんから、映画館へ行く、BDを借りる、映画配信サービスを使うなど、映画を見るための行動をしますね。こんな時は「見える」ではなく「見られる」を使います。

・映画館に行けば、映画が見られます

・最近は配信サービスがあるので家でも映画が見られて便利です。

 

他にもいろいろな場面で使えますよ。

例)・会社の資料は、その会社の社員だけが見られます

    →「資料を見る」ために、「その会社の社員である」という条件が必要です。

  ・今はスマホで音楽が聴ける時代です。

    →「音楽を聴く」ための手段としてスマホを使うわけですね。

  ・この動画は明日の23時59分まで見られます

    →動画を見たければ、決められた時間までに再生しないといけないですね。

  ・北極まで行けば、幻想的なオーロラが見られますよ。

    →かなりの手間ですが、その努力をすれば見ることができる、ということです。

 

さて、今回は「見えます/聞こえます」と「見られます/聞けます」の違いを中心に、それぞれの使い方を確認しました。どちらも基本的な意味は「見る/聞くことができる」という意味ですが、それぞれの間には「見る/聞くために手段や条件、手間が必要かどうか」という大きな違いがありましたね。いつも使い分けに迷ってしまうという方は、周りの人たちがどう使っているのか意識して聞いてみるのも良い勉強になると思いますよ。


 

日本語ラーニングサポートでは、夏季も変わらずプロの日本語教師によるマンツーマンレッスンをお届けしております。次回のJLPTに向けた勉強や、夏休み期間を利用したビジネス会話のスキルアップ、日常会話から発音矯正まで、様々な学習のご要望にお応えします。日本語の学習をお考えの方は、ぜひご予約フォーム(HP右上緑のボタン)またはお電話にてお気軽にお問い合わせくださいね。

皆さまからのご連絡を教師一同楽しみにお待ちしております。