日本語文法が分かる!教師の文法解説初級編~助詞「で」を使って話してみましょう~/日本語ラーニングサポートLLC
助詞の「で」をたくさん使いましょう。
日本語の会話を聴いていると、いたるところに出てくる助詞の「で」ですが、実際はどんな場面で使えるのでしょうか?
「場所を表す」というイメージが強いかもしれませんが、実は様々な場面で使える助詞なのです。以前のブログでご紹介した「に」と混同しやすい部分があるため、それぞれどんな場面で使うのか、たくさん例文を読みながらしっかり確認していきましょう!
まず、次の文を読んでみてください。
「昨日、東京で行われたスポーツイベントで、友人が熱中症で倒れてしまいました。彼は木でできたベンチで休みましたが、その後救急車で病院へ行きました。寝不足で運動したことが原因でした。みんなで看病したので、一日で良くなりました。」
「東京で」「熱中症で」「木で」「救急車で」「寝不足で」「みんなで」「一日で」…「で」がたくさん使われていますね。それぞれどんな場面で使うのか、詳しく勉強してみましょう!
■そのスポーツイベントは、東京で行われました。
☆何かをするとき、その動作をする場所を「で」を使って表すことができます。基本的な使い方のひとつですね。「書く」「話す」「踊る」「泳ぐ」「食べる」など動作を表す動詞と一緒に使いますよ。ちなみに最初の文の「ベンチで休みました」の部分も同じ使い方です。
例)・毎年、夏は家の近くの海で泳ぎます。
・誕生日にはレストランでおいしい料理を食べます。
・今朝は公園で娘と遊びました。
・公園で(×)こどもがたくさんいました。
→「います」「あります」のような動詞の時は、「で」は使えません。これらは「存在」を表す動詞で、「動作」を表す動詞ではないと考えられるからです。これらの動詞を使う時は、「公園にこどもがたくさんいました。」となります。
・夏祭りで、盆踊りや金魚すくいをしました。
→「夏祭りで」「イベントで」「会議で」など、場所だけでなく場面を表すこともできます。「私は昨日の会議でプレゼンをしました。」のように使うことができますよ。最初の文の「スポーツイベントで」の部分も同じですね。
■熱中症でたおれました。
☆ある状況になった理由や原因を言いたいとき、「で」を使うことができます。今回の場合、「たおれてしまった」という状況の原因は「熱中症」ですから、「熱中症でたおれた」と言うことができるのです。
例)・電車の事故で会議に遅刻してしまいました。
・連日の残業で身体をこわしてしまった。
・昨年の台風で多くの家が壊れたり浸水したりした。
・同僚の協力のおかげで、今回のプレゼンはとてもうまくいった。
→「~のおかげで/せいで」という言い方をすれば、原因となった人や物事に対する感情を表すことができますよ。今回のように「~おかげで」と言えば感謝を、「彼がミスしたせいで残業しなければならなくなった。」のように「~せいで」を使えば相手を責める気持ちを伝えることができます。
■木でできたベンチに座りました。
☆あるものについて、その材料を言うときに使います。
例)・木でつくった建物を、「木造(もくぞう)」といいます。
・教科書は紙でできています。
・最近はプラスティックでできた家具が多いです。
・このジュースはリンゴと桃で(×)作られています。
→完成したものを見ただけでは材料がわからないときは、「で」は使えません。たとえばミックスジュースは、それを見ただけでどんな果物が何種類入っているか分かる人はまずいないでしょう。この場合は、「リンゴと桃から作られている」と言います。原材料の形がなくなっている場合がほとんどで、ジャムやしょうゆ、みそ、ワイン、パンなども材料を言うときは「から」を使いますよ。
■救急車で病院へ行きました。
☆何かをするとき、その手段を「で」を使って表すことができます。今回の場合、病院へ行く手段として「救急車」を使ったので、「救急車で病院へ行った」という文を作ることができます。
例)・新幹線で行けば、軽井沢まで一時間くらいで行けます。
・ジャガイモの皮は包丁ではなく、ピーラーでむいた方が簡単です。
・この書類は必ず郵送で送ってください。
■寝不足で運動しました。
☆何らかの動作をする際の状態を表します。今回であれば「運動する」という動作を行っていますが、その背景には「寝不足」という状態があるわけですね。使い方としてはちょっと難しいかもしれませんが、「~の状態で」と言い換えると分かりやすいかもしれません。
例)・準備不足で会議に臨んだので、まったく発言できず仲間に迷惑をかけてしまった。
・裸足で砂浜を歩くのはとても気持ちがいいです。
・空腹でお酒を飲むとすぐに酔ってしまうので、やめた方がいいです。
■みんなで看病したので、一日で良くなりました。
☆この文の前半、「みんなで看病した」の部分は動作の主体を、「一日で良くなった」の部分は期間を表します。
動作の主体を表す使い方
例)・最近は一人で焼き肉屋やラーメン屋に行く若者が増えています。
・隣の家の奥さんは、ご主人と二人で毎日仲良く暮らしています。
・今回の試合は、このメンバーで戦います。
期間や期限を表す使い方
例)・彼は日本語の勉強を始めて3年でJLPTN2に合格した。
・会議の資料を1週間でまとめなければなりません。
・新しくできた店のケーキは大人気で、開店から2時間で売り切れてしまいました。
・会社の飲み会は3日後で(×)あります。
→何かをする、またはした日時を言うときには「で」は使えません。「で」はあくまで期間や期限を表す表現なので、ピンポイントでその時間や日付を言うときには「に」を使います。今回の場合は「3日後にあります」が正しいです。
さて、今回は助詞「で」の用法を学びましたが、いかがでしたか?使い方が色々あって難しい、と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。用法が多いぶん使う場面にも迷いやすいところですが、まずは間違っても良いのでたくさん使ってみることが助詞を理解することの第一歩であるように感じます。多くの文を読んで、たくさん話してみること、この繰り返しの中で徐々に感覚が身についてきますよ。
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