日本語会話の上達は、読み物から!楽しいお話を読みながら日本語を学習しましょう!

2023/07/17 ブログ

オンラインレッスンで日本語をレベルアップさせましょう!

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さて、今回のブログはオンライン読み物です。

最近はとても暑いですから、ヒヤッと涼しくなる怖いお話「子育て幽霊」を読みましょう

皆さまは日本語で怖い話を読んだことがありますか。

「幽霊」「墓」など怖い話でよく出てくる単語にも注目して読んでみましょう。

 

 

「子育て幽霊」

昔々、ある小さな村に、あめ屋さんがありました。

ある夏の蒸し暑い夜、店の主人がもうお店を閉めようかなと思っていた時、普段見かけない女の人があめを買いに来ました。

女の人  :「ごめんください。まだやっていますか。」

主人   :「え?…ああ、まだやってるよ。」

女の人  :「じゃあ、あめをくださいな。」

主人   :「はいはい。ちょっと待ってね。えーっと、20円だよ。」

女の人  :「ありがとうございます。」

女の人は、あめをもらうと、お金を払って帰っていきました。

 

次の日も、夜遅くに女の人はやってきました。

女の人  :「こんばんは。あめをくださいな。」

主人   :「はいよ。」

女の人はまたお金を払って、スッと消えていきました。

その次の日も、次の日も女の人は夜遅くにあめを買いにきました。

 

ある雨の日の夜、隣町のあめ屋の旦那が来て、遅くまであめ屋の主人と話していました。

すると、

女の人   :「ごめんください。あめをくださいな。」

またあの女の人がやってきました。

主人    :「はいよ。まいど!」

女の人はいつもの通りお金を払って帰っていきましたが、隣町のあめ屋の旦那はそれを見てブルブルと震えだしました。

隣町のあめ屋:「お…おい。今の見たか?」

主人    :「ああ、あの人ね。ここ最近毎日この時間にあめを買いに来るんだよ。でも…どうしてそんなに震えているんだ?」

隣町のあめ屋:「いやぁ…。あの人、この前亡くなった松吉(まつきち)の奥さんにそっくりなんだよ。」

主人    :「え?そっくりなだけで別の人だろう。」

隣町のあめ屋:「でも、本当に同じ顔なんだよ!」

主人    :「本当か?」

主人もだんだん気分が悪くなってきました。

 

主人    :「でも、死んだ人があめなんか買いに来るはずがないだろう。」

隣町のあめ屋:「そうだな。ちょっと追いかけてみよう。」

そういって二人は、そっと女の人の後を追いかけました。

女の人は、近くの池を通りすぎ、林も通りすぎて、歩いていきました。

そしてある場所でスッと消えてしまいました。

主人    :「ひぃっ!墓だ!」

隣町のあめ屋:「間違いねえ。あれは幽霊だったんだ!」

二人は震えながら、お寺の和尚さんのところへ駆け込みました。

主人    :「和尚さん!和尚さん!大変なんです!」

二人は、和尚さんに今までのことを話しました。

和尚さん  :「なに?それは本当か?」

主人    :「はい、とにかく一緒に来てください!」

和尚さんは、最初はあまり信じていませんでしたが、二人があまりにも怖がっているので、一緒に墓まで来てくれました。

 

三人が戻ってくるとどこからか、おぎゃーおぎゃーと声が聞こえてきました。

和尚さん  :「ん?どこからか赤ん坊の声がするぞ。」

主人    :「ひぇーー!赤ん坊の幽霊までいるのか!!」

隣町のあめ屋:「どこから聞こえるんだ??」

三人は、声が聞こえる方に行ってみました。

すると、木の下に小さな赤ん坊が捨てられていたのです。

その木の前にはちょうど松吉の奥さんのお墓がありました。

松吉の奥さんの幽霊は、捨てられている赤ん坊をかわいそうに思って、毎日あめを買って食べさせていたのです。

主人    :「幽霊がこの赤ん坊を育てていたのか!」

和尚さん  :「なんて心優しい人なんだ。」

和尚さんは、お墓に向かって丁寧におじぎをして、その赤ん坊を育てることにしました。

それからあの幽霊があめ屋にあめを買いに来ることはなくなったということです。

 

 

 

いかがでしたか。

夏にぴったりの怖い話ですが、なんだかほっこりするエンディングですよね。

あめ屋の主人の元気な時と、怖がっている時の台詞は、是非ボイスアクトしながら読んでみてほしいです。

皆さんもこのような怖い体験をしたことはありますか。

また、怖い話といったら何の話を思い出しますか。

是非、暑さを吹き飛ばす怖い話をお聞きしたいです。

 

さて、今日はこの「子育て幽霊」を使って、日本語を更にレベルアップさせる表現を勉強していきましょう。

「子育て幽霊」の中に、あめ屋の主人と隣町のあめ屋と和尚さんの三人でお墓に向かい、赤ちゃんの声を聞くシーンがありましたね。

和尚さん  :「ん?どこからか赤ん坊の声がするぞ。」

主人    :「ひぇーー!赤ん坊の幽霊までいるのか!!」

隣町のあめ屋:「どこから聞こえるんだ??」

三人は、声が聞こえる方に行ってみました。

 

最後の「三人は、声が聞こえる方に行ってみました。」という文ですが、皆さんがもしこの文を書くとしたらどう書きますか。

作文を書く時や日常会話で詳しく状況を話すときに役立つ、ワンランク上の表現をお教えしましょう。

 

①恐る恐る

三人は、恐る恐る声が聞こえる方へ行ってみました。

 

どうでしょう。「恐る恐る」を入れると、三人が怖がってびくびくしながら歩いている状況が目に浮かびますよね。

怖がりながら何かをするとき、この表現が使えます。

 

②そっと

三人は、そっと声が聞こえる方へ行ってみました。

 

「そっと」は、ゆっくり静かに何かをする時に使うことができます。

また会話の中では、「そぉーーっと」というように長く言うと、もっと静かな様子を表すことができますよ。

 

今日の勉強はここまで!

私たちのブログでは、読み物の他にもわかりやすい文法解説や、日本語学習に役立つ情報を載せていますから、是非また見に来てくださいね。