日本語オンライン読み物を読んでみよう!有名なことわざが出てきますよ!

2023/05/22 ブログ

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読む・書く・聞く・話す…さまざまな技能をレベルアップさせることができますよ!

本日は、日本語学習の中でもお家で一人でできる日本語リーディングの読み物をご紹介します。

ご紹介するのは「井戸の中に住むカエル」です。

是非最後までお楽しみください!

 

 

「井戸の中に住むカエル」

昔々、ある深い井戸の中に一匹の小さなカエルが住んでいました。

カエルは毎日井戸の中から空を眺めていました。

昼は雲がゆらゆらと流れ、夜は星がきらきらと光っています。

カエルは、そんな美しい空を見ながら平和な毎日を過ごしていました。

カエルは、ずっと自分の井戸の上に見える空が、世界の全てだと思っていました。

ある日、一羽の小鳥がやってきて、井戸に止まって少し休んでいました。

カエルは、小鳥に聞いてみました。

カエル:「こんにちは。小鳥さん!君はどこからやってきたの?僕たち一度もあったことがないよね?どうして?」

小鳥は汗を拭きながら答えました。

小鳥 :「私はずっと空を飛んでいたのよ。北の大きな草原から一か月かけてここまで飛んできたの。とても疲れたから、水が飲める場所を探していたのよ。」

カエル:「ははは!!嘘つかないでよ!空は、この井戸の大きさしかないんだよ?この空を飛ぶのに一か月もかかるわけがないだろう!」

小鳥 :「ええ!カエルさん、ちがうよ!空はもっと大きくて、端が見えないくらいなんだよ!空の下には、きれいな草原や、森林、大きな海があるんだよ!私が、一生かけても空の端には行けないんだよ。」

それを聞いて、カエルは笑いながら言いました。

カエル:「ははは。小鳥さん、ぼくはね、オタマジャクシの時(カエルが子供の時)からずっとこの井戸に住んでるんだ。ここから毎日空を見ていたから、ぼくより空に詳しい人はいないよ!ぼくは空に浮かんでいる星だって知ってるんだ。このぼくが間違えるわけないよ!」

小鳥 :「ああ、君が毎日井戸の中から見ているのは、空のほんの一部なんだよ。」

カエル:「ふん!!そんなに言うなら、ジャンプして外に出て、空がそんなに大きいのか見て確かめてみようじゃないか!!」

カエルはピョン!とジャンプして、井戸の外に出てみました。

すると、どうでしょう。

井戸の外には、緑の草やいろんな色のきれいな花があって、カエルはとてもびっくりしました。

遠くには大きな山があり、大きな川が山の上から下に向かって流れています。

太陽はもうすぐ沈みそうです。

西の方の空は、きれいなオレンジ色に輝いています。

山の上にはたくさんの雲がゆっくりと流れていて、どこまで続いているのか見えません。

カエルは驚きすぎて、目と口を大きく開たまま何も話せなくなってしまいました。

しばらくして、カエルは目をきらきらさせながら言いました。

カエル:「うわぁ~!本当にきれいだなぁ~!!井戸の外の世界ってこんなに美しかったのか!!空もこんなに広かったんだね!本当に端が見えないよ!」

小鳥 :「そうでしょう?」

カエル:「小鳥さん、ぼくが間違っていたよ!とても勉強になった!」

小鳥 :「ははは。ずっと井戸の中にいると、見えているものが少ないから、考えも狭くなってしまうものよ。だから、いつも井戸の中にいるんじゃなくて、たまには外に出ていろんなものを見たほうがいいよ。そうすれば、空がどのくらいきれいで、陸はどのくらい広いのかがわかるでしょう?私たちの住んでいる世界は、あなたが思っているより美しいのよ。」

カエル:「そうだね。教えてくれてありがとう!」

それからカエルは毎日外へ出て、いろいろなものを見ました。

毎日たくさんの発見があって、それまでより楽しい毎日を過ごすことができるようになったそうです。

 

 

 

お話はいかがでしたか。

今日紹介した「井戸の中に住むカエル」は中国の寓話です。

このお話から、作られた故事成語が「井底之蛙」という言葉です。

これを聞いてピンときた方もいるかもしれません。

そうです!日本にも「井の中の蛙」ということわざがありますね。

日本語では「井の中の蛙大海を知らず」と続けることも多いですが、実はこのことわざは中国の「井底之蛙」からきているのです。

自分の狭い知識や考えにとらわれていて、物事の大切な部分(広い世界)が見えていない人のことを指します。

ですから、「井の中の蛙だね!」と言うと、「視野が狭い人だね」というネガティブな意味になりますので他の人に対して使う時には注意しましょうね。

また、「井の中の蛙大海を知らず」の後に、「されど空の深さを知る」と続けるのを聞いたことがありますか。

ドラマの中でも使われていたようで、耳にしたことがある方もいるかもしれません。

しかし、中国からきたもともとのことわざにはそのような続きはなく、日本人が勝手に作ってしまったもののようです。

こうやって、一つのことわざや表現に注目して物語を読んでみるのも楽しいですね!

 

それでは、今日はここまでにしましょう!

またいろいろなお話をご紹介しますので、是非このブログに遊びに来てくださいね~!