愛される!日本語スピーカーは受身形の視点で話しましょう/日本語ラーニングサポートLLC

2023/05/06 ブログ

愛される!日本語スピーカーは受身形の視点で話しましょう

 

「愛される」の他に

好かれる、好まれる、呼ばれる、待たれる、・・・、

「される(人の)」視点で話すことが日本語では非常に好まれます。

話す人(つまり「文」を作る人)が、

●どう思ったか

●どう感じたか

●どのように相手を見ているか

●どのように状況を理解しているか

このように主観で話すことが出来るのですね。

これは例えば以下のような感覚にも似ていると思います。

A:今日は学校を休みますか。

B:はい、(学校へは)行きません。/ No, I don't go to school today.

一般に「はい」は'YES'、「いいえ」は'NO'で問題なく通じる場面が多いのですが、YES/NOは肯定と否定であり、

はい/いいえは、賛否(同意)の認識なのですね。

JLPT受験に向けた読解の教本などにもよく、

●一般論や読者の知識教養による先入観を排除すること

●本文筆者の意思を理解したい

上記注意事項が見られます。これは一つの核心に違いありません。

日本語上手になるには、受け身を上手に使うこと!

「思ったこと」や「感じたこと」をライブ感たっぷりに伝えることを目標にして頑張ってみましょう。

ところで、N4という段階へ向かう初級の完成水準では様々な動詞の変形(活用、と言います)がカリキュラムに現れます。

そのなかでも大雑把に主軸をなす「活用の花形」は、

●可能形 ●受身形 ●使役形

この三種です。どれも大切ですからしっかりと押さえましょう。

勉強にあたっては語形の変形方法から確実に習得したいものですが、様々な動詞の活用形の基盤となるのが3つのグループ分けですね。

活用方式の種別によって、日本語の全ての動詞は三種類に大別されます。

文法事項の学習に備えては以下の法則をおさらいしておきましょう。

〈活用の型による日本語動詞の分類〉

■Ⅲグループ

完全なイレギュラーの形です。全ての語形を丸暗記してください。と、言っても実質二つしか存在しません。

来る(くる)

普通体⇒くる、こない、きた、こなかった

て形⇒きて

する

普通体⇒する、しない、した、しなかった

て形⇒して

※勉強する

普通体⇒勉強する、勉強しない、勉強した、勉強しなかった

て形⇒勉強して

(名詞する、のする部分を通常活用でOKです)

■Ⅱグループ

平仮名の区切りで「言葉の尻尾(形を変える活用部分🐸)」を変える比較的簡単に扱いやすい動詞のグループです。

例:食べる

普通体⇒たべる、たべない、たべた、たべなかった

て形⇒たべて

食べるtaberu・・・このように日本語の言葉は「子音+母音」を基本的な一つの音とする平仮名の音で考えることができます。

「ta」「be」「ru」が「食べる(たべる)」なのですね。

この2つ目のグループの動詞では最後の「ru」が尻尾の部分であり、ここだけを他の音にチェンジします。

例えば可能形では、

食べるtaberu⇒ta,be,✗[ru],「rareru」

食べられるtaberareru

このように言葉を変形します。※日本語のラ行音は[r]と[l]の範囲内で行ったり来たりしていてきて、単語によって[r]に近いもの[l]に近いもの実音声はそれぞれですが、ここでは[r]をラ行音の印として表記します。

例えば「桜(さくら)」のらは[r]音に、「ラッキー」とか「楽(らく)」のらは[l]音に近いでしょうか。

つまり、

食べ、る↓※「る」↔「られる」

食べ、られる

=食べられる、このように可能形の動詞を導くことができます。

■Ⅰグループ

平仮名の音を分解して、母音を入れ替えることで「言葉の尻尾」部分をチェンジするタイプの動詞です。数も多いのでしっかりと覚えましょう。

例:飲む

普通体⇒のむ、のまない、のんだ、のまなかった

て形⇒のんで

否定形の「飲まない(のまない)」を例にとって説明します。

飲むnomu

⇒no,m✗[u]●[a],na,i

⇒no[ma]nai

=の、ま、な、い

よって「飲まない」となります。

このグループの動詞単語では活用の始まるところ、つまり変化する尻尾の付け根が子音であり、それとセットになる母音を変化させる。

そして新しく平仮名の音を書き換えて、各々の活用形ごとの尻尾を続けるわけですね。

否定の普通体(ない形)では、尻尾の始まりの母音を[a]に変えます。

例えば、

読む(よむ)⇒よまないyomanai

書く(かく)⇒かかないkakanai

など、少しややこしいですが慣れれば自然に口も回って良い日本語が話せるものです。

 

ここまでの三つのグループ分けは、くどいようですがベーシック後半の日本語学習で外せない基礎になる技能です。活用を主たる学習事項の一つとしてカリキュラムを組んで学習を進めるべきだからです。勉強に臨むには、知識面でも実用的なスキル面(アウトプットできること!)でも、しっかりと確認しておきましょう。

 

さて、本日のテーマの受身形です。

二つの文を考えてみましょう。会社でも学校でも、あるいは楽しいディナーの1場面を想像していただいても結構です。

①彼が私の名前を間違えた。

②彼に名前を間違えられた。(=私は、彼に’私の名前’を間違えられた)

(※例えば、さおりさんを「夕子(ゆうこ)さん」と呼んでしまったら危険ですね)

①の文では「間違えた」の普通体が用いられています。「彼」という主体が違う名前を呼んだ。ショックですね。

②の文では「間違えられた」の受け身の形が用いられています。「私」という主体が[彼が名前を呼び間違えた]という迷惑を被ったのです。ストレスを感じます。

このように、映像にしたら(映画やドラマのようにシーンをイメージする)一つのシンプルな場面であるものを、登場人物ごとフォーカスして「より断片的な観点」で陳述するわけです。

態とかボイスとか呼称される表現方法は私たちの表現の幅をぐっと豊かにしてくれるものに違いありません。

ちなみに上の例を「彼」の視点で発話すると以下のように陳述できます。

③彼女の名前を間違えてしまった。

この③の文では「間違えてしまった」の失敗語尾が用いられています。話し手である彼=[私]という一人称ですから、「私」が相手の女性の名前を間違えるという失礼をした。後悔が漂っていますね。

 

では、基本型を文のサイズで確認していきましょう。

動詞にはサンプルとして「見る」を使用します。

※文中には動作完了として過去形の「見た」を使用します。シチュエーションを考えた時に受け身の文とマッチングが良いからです。

既に何かの事実を受けた→それに対しての心象を述べる

 

1,警察官が私を見た。

受け身の文:(私は)警察官見られた。

■主語は省略する場合も多いです。

話す主体から見て、つまり主観的に話者の気持ちを話しているので自然に「自分の感覚」を表現していることになります。

■アクションを起こしている人には「に」の助詞を使いましょう。

「主体」は、「アクション主」に(受け身動詞)。

以上が基本です。

部長に呼ばれた、お兄ちゃんに叩かれた、等同様の文例ですね。

 

2,クラスメートが私のスマホのメールを見た。

受け身の文:(私)クラスメート、スマホのメールを見られた。

※「友人」ってなんでしょうね。よく思うのですが「友人」という名称の友人はいません。

■助詞に注意しましょう!私+「は」/ アクション主+「に」

受け身の型は説明の通り「話者視点感覚陳述」です。文が少し複雑になっても、

[誰の気持ちですか]→私(話し手)

[誰がこちらに何かしましたか]→(誰か/例:クラスメート)

上の二点を押さえて文を作ることができればOKです。

隣の人に足を踏まれた、母にマンガ本を捨てられた、等同様の例です。

 

3,(世界中の人が)写真Aを100万回以上見た。

受け身の文:写真Aは100万回以上見られた。

A=何か凄い写真でしょうか。1ショットが奇跡のような瞬間を捉えたら、簡単に世界とシェア出来る時代になりました。(僕個人的には筋肉自慢のカンガルーfrom Australia,と立ち上がる猫の写真が現ブームです。)

誰が写真Aを見たのか、それは世界中にいる不特定多数の人と判断できますが文意として大きな問題ではありません。アクション主を重視しない受け身、純粋に何かのモノが特定のアクションを受ける(される)対象となっているのです。

つまり「紹介」することの’ガイドさん受け身’です。

「メインテーマ=モノ」は、(受け身動詞)。

この文型でガイドすることができます。

富士山は愛されています、キャッシュレス決済は様々な場で利用されています、等同様の例です。

 

どうですか?

受け身、という視点で話すことによって日本語にライブ感がぐっと追加されてスピードが上がった感じがしませんか?

生きた日本語って例えばこんなことだと思います。

汎用なだけに技術的にも奥が深いので、自分なりにスピーチでもレポートでも自信を持って使える定形フレーズなど研究開発してみてください。必ず役に立ちます。

さて、もう一点面白いコンテンツなのですが以下はどうでしょう。

4,雨が降ったので、濡れてしまった。

受け身の文:(雨に)降られた。

もう見たまま何でも話せる、一枚の写真のように、ムービーのように、

「話者感覚」を記録するという日本語の「ショット」的な言語ムードが正に現れています。

「私」から見る。

雨が降る。空から「私」に落ちてくる。濡れた。空から雨から’されている’。

すごい「一人称感」だと思います。

ですから、、、、

主語としては、【「私」+は】ここに受け身の動詞を続けて文にする。

感覚を文法事項に含んで、雨が降るという勝手なアクションである自動詞まで受けちゃうところが「もう!さすがは日本語!!」というところです。

デートに遅刻したら彼女に帰られた、隣で寝られた、等同様の例ですね。

 

最後にここまで話してきた「受け身の動詞」の変形法則を確認しましょう。

■Ⅲグループ※変則動詞につき暗記してください。

来ます(きます)・・・こられます

します・・・されます

参考:相談します・・・相談されます

■Ⅱグループ

例:食べます・・・食べられます

式:◯◯+【削除】ます+【追加】られます=◯◯られます

●覚えます・・・覚えられます

●忘れます・・・忘れられます

他、

■Ⅰグループ

例:飲みます・・・飲まれます

式:◯◯+【削除】i+【追加変更母音】a+【削除】ます+【追加】れます=◯◯aれます

●聞きます・・・聞かれます

●話します・・・話されます

他、

 

愛される!日本語スピーカーは受身形の視点で話しましょう

本日は上の「コピー」をテーマに話してきました。

日本語のコミュニケーションでは実際によく受け身が好まれて、巷に溢れています。

よーく耳を澄ませてみてくださいね。きっとたくさんの「れる」「られる」が聞こえてくるはずです。

少しずつ、おっかなびっくりでも良いのです。

ペラペラの日本語上手を目指して受け身の動詞の文を使いましょう。

受け身で話せたら、きっとその時には自然に愛される日本語スピーカーになっているはずです!

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